今月の話題〜9月〜



 今月の話題(2020.9.)の話題は、先月と同じ日本慢性疼痛学会から一般演題から選んでみました。 一般演題にも興味ある演題が沢山あります。7月1日からWeb講演会が行われましたので、それを参考にしました。



1. 脊髄刺激療法の高頻度刺激が著効した帯状疱疹後神経痛の1症例:

木沢記念病院麻酔科、竹中志穂、越川桂)脊髄刺激療法の刺激は、パレステジアステージの低頻度刺激(10Hz,300μsが主であったが、最近はパレステジアフリ―の高頻度刺激(100Hz,90μs)もおこなわれるようになった。NRSで、薬物療法と神経ブロックで4/10となり、アロデニア神経過敏の消失や睡眠障害の改善を認めた。患者はさらなる改善を希望され、高頻度刺激を行ったところ、愁訴の改善が得られた。


2. 醜形恐怖に起因した舌痛症に対しパロキセチンが奏功した一例:

(順天堂大学麻酔科、千葉聡子、他)醜形恐怖に起因した舌痛症(有病率1.0~3.7%)に対し、パロキセチンが奏功した症例を経験した。持続的に舌痛症があり、食事や会話で痛みは改善していた。問診で破滅的思考、自己効力感の低値があり、心理面談を併用した。


3. 咀嚼運動によるレステングステートの変化の検討:

(日本で医学歯学部、他、高根沢大樹、他)ガム咀嚼により注意集中に関連するネットワークや間隔・認知の関する部位(視床、紡錘状回)の機能,下前頭回と視床を結ぶネットワークが関連し、ガム咀嚼には注意力を回復させ緊張や不安を減弱し、リラックスさせる効果に加えて疼痛緩和に働く効果があるものと考えられる。


4. 日本人地域一般住民における慢性疼痛の定義と有病率の関連:久山町研究:

(九州大学総合コホートセンター、他、柴田舞欧、他)我が国の慢性疼痛の有病率は11%〜39%と幅がある。この研究では、慢性疼痛の有病率は、14%〜49%と大きく変化した。罹病期間で、3カ月以上で49%、6か月以上で44%、その他にその間に痛みの有る期間、痛みの程度、生活障害の有無などの条件で異なるが、「3カ月以上かつ週2回以上続く痛み」という慢性疼痛の定義が感度・特異度ともに高かった。


5. 高齢者の疼痛行動観察評価―多施設共同研究による試みー:

池田リハビリテーション病院、他、中田健太、他)IASPでは認知症高齢者の疼痛評価として疼痛行動評価を推奨している。今回、認知症高齢者を対象に行動観察評価を行い、自己報告法との乖離について検討した。高齢者では事故報告法に加えて行動観察評価を取り入れた包括的な疼痛評価を行うことで、不必要な活動制限を防ぎ、より頻度の高い治療法を選定できることから、疼痛の慢性化を防止できる可能性が示唆された。


6. 微高気圧環境への短期暴露は慢性疼痛を改善す

(中部大学健康科学部理学療法科、他、佐藤純、他)天気変化程度の低気圧暴露が慢性疼痛を悪化させるストレス反応を惹起することが明らかになった。そこで、日常経験する軽度な高気圧環境が慢性疼痛病態に与える影響について検討した。晴天時に相当する微高気圧環境は、慢性痛の鎮痛効果とストレス抑制効果を持つことが明らかになった。


7. 頚胸椎後枝内側枝ブロックが診断と治療に有効であった肩甲部・背部痛の1例:

(岐阜市民病院、他、岩井亮太、他)2年前より左肩甲部から背部にかけての違和感と疼痛で、CT,MRIなどでも愁訴に関連する原因はみあたらず、プレガバリン、桂枝加朮附湯を内服していた。C7/Th7とTh1/Th2の関節ブロックをおこなったところ症状が大きく改善した。


8. 椎間関節ブロックが奏功した胸部帯状疱疹関連痛2症例:

(ヤマトペインクリニック、山上裕章)74才と46才に2症例で、胸腹部の帯状疱疹関連痛の症例に胸椎関節ブロックが有効であった


9. 足根管症候群が原因と考えられた足底の疼痛に対し、超音波ガイド足根管ブロックが奏功した1例:

(東京医科大学麻酔科、浜田隆太、他)数か月続いた足底から足尖にかけての疼痛と痺れの症例に超音波ガイド下に0.75%アナペイン1mlとステロイド0.5mlで足根管神経ブロックを行い著効を得た。


10.整形外科患者に対する全人的医療評価―Patient Evaluated Grid(P.E.G.)による評価:

(喜山克彦、他)整形外科医療モデルは、人間工学的医療モデルに偏る特徴がある。全人的医療は、整形外科から身体的苦痛症候群へ続く一連の症状や疾患に対し、明確な治療方針を提示する。さらに、整形外科疾患に潜む人間的な苦悩を持つ患者の相対的健康の獲得やQOL向上への援助が可能となる。


11.慢性疼痛患者に対する入院集学的リハビリテーションにおける音楽療法の実際:

(医療法人篤友会坂本病院、他、那須貴之、他)慢性疼痛の入院患者に、週一回60分、3回、調整的音楽療法(RMT)として、ウィッバサナ瞑想をもとに考案された受動的音楽療法の一つである。自分の生活をよりよくするための音楽との向き合い方への気づきがあった。


筆者一言

慢性疼痛はの対処の仕方、考え方、理解の仕方など、専門医も、それぞれに考えており、発表の中からみて、様々である。一般演題の中から、選んでみましたが、興味のある内容のものが多く、日常に役立つ、示唆に富む発表が多い。役立てて行きたいと思います。



一口メモ

安倍首相が体調不良で退くそうですが、次の総理がだれになるか不安ですし途中な政策の行き先も気になりますが 問題はいろいろあったとはいえ、長年首相を務めたのは相当大変なことと思います。お疲れさまでした。

コロナ、熱中症に続き、台風の季節になりました。去年も大きな台風が来ていましたが、今年も今までにない大きな 台風などどニュースで聞きますので、今後自分の近くに台風が来そうな場合は早めの対策をしましょう。 最近の異常気象は想像を超えますので、大丈夫だろうではなく、危ないかもしれないと危機感を持って行動したほうが いいと思います。


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