今月の話題〜12月〜



 今月の話題は、先月(11月)横浜で行なわれた全日本針灸学会関東地方会より選んでみました。 私の個人的な好み、興味、判断をもとにした印象記ですので、その点はご了承下さい。




I一般演題より

1,
胸椎圧迫骨折による痛みの治療の治療に腎兪の灸頭針が効果があった(伊藤鍼灸院・接骨院、近藤佐保里) 2〜3回/週、3回の治療という。

筆者一言:以前、灸頭針を関節の痛みによく使用し、良い効果を得て居りました。発症から2ヶ月を経た痛みであり、 よく効いたものと思います。



2,
骨盤位に対する鍼灸治療の取り組み(亀田メヂカルセンター、菅野俊輔)至陰、三陰交、百会の組合せで、 97%の成功とのことであった。とやまプロトコールとして、至陰に圧痛などの所見のあるとき、その至陰 の灸と、反対側の三陰交に灸頭針を行い、効果がないときには、百会を追加する方法とのこと。

筆者一言;以前、骨盤位の針治療を行なったことがありますが、成功率はよくありませんでした。今度、チャンスがあれば 試みたいと思います。



3,
耳管開放症状を訴える患者に対する針治療(筑波技術大学統合医療センター、村中僚太)耳の閉塞感、自分の声が強く聞こえる、 自分の呼吸音の聴取されることが症状で難治な疾患。取穴は、四白、大迎、頬車で、一回/週の電気刺激針で、50%の効果という。

筆者一言:このような症状の患者さんは、時々見掛けますので、試みたいと思います。



4,
末梢性顔面神経麻痺の後遺症に対する鍼治療(東京大学リハビリ科鍼灸部、粕谷大智)末梢性顔面神経麻痺の治癒率は80% 以上であるが、麻痺側の顔の硬さ、縮む感じ、閉眼などの病的共同運動で“ヒョットコ顔”などの後遺症がみられる。開眼運 動と伸長マッサージに四白、陽白、地倉、下関、太陽の置針、上眼瞼挙筋の低周波鍼通電療法を行ない良い効果を得た。

筆者一言:ヒョットコ顔の後遺症は、よく経験することであり、ぜひ試みたい治療法の報告です。



U教育講演

タッチと脳(川崎医療福祉大学、岩村吉晃)触れる、触れられるという、能動的と受動的感覚があり、その神経の働きについての講演であった。



Vシンポジウム“触れる”

1,
私の触れる〜スウェーデン生まれのタクティールケアー(日本スエーデン福祉研究所、大木明恵)体に触れられたときにほっとしたり、 休まる気持ちになる肌と肌のコミュニケーションを利用する方法である。肌の触覚の受容体が刺激され、知覚神経を介して視床下部が 刺激されオキシトシンが分泌され、不安感やストレスが軽減される。認知症緩和ケアで良い効果が得られている。

筆者一言:肌の触れ会いの大切さを感じました。



2,
私の触れる(蓬治療所、戸ヶ崎正男)経絡診断を全身の丁寧な触診により経絡の病態を四型に分け、診断と治療を行なっている。

筆者一言:触診の実際を見せて貰ったが、丁寧な触診での状態の把握、診断であり、触診を見直すために有用な方法を見せて貰いました。



3,
中国古代の切診について赤門の浦山久嗣先生の文献的検討、日本人の“触れるとは”について森ノ宮医療学園専門学校の横山浩之先生 の講演がありました。

全日本鍼灸学会の関東地方会ですが、学会は若い方々も多く、活発な討論もあり、これからの鍼灸の発展が期待される学会でした。 今回の学会もですが、鍼灸が世界に認められる医療として発展して欲しいとおもいます。中国は前に取り上げたことがありますが、 中国医学として世界に発信しております。鍼灸、漢方というと世界の眼は中国に向いている現状ですので、日本で発展したすばら しい日本漢方、日本針灸医学を世界に広げて欲しいと思います。




一口メモ

今年は本当に不景気や事件ばかりが目立ちました。来年は景気回復と悲惨な事件の減少を祈ります。
2011年まで もう少しなので地デジへの変更も急がないといけませんね。 来年も宜しくお願いします。皆様よいお年を。



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