今月の話題〜10月〜



 今月の話題は、8月に京都で行なわれた日本プライマリーケア学会より、人間に欠くことの 出来ない微量元素について取り上げてみました。



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生命と微量元素:(東京慈恵会医科大学、柳沢裕之)人の体には、体の構成必要な多量元素(O・C・ H・N、含有量96〜97%)と電解質機能を有する準主要元素(Na・K・Cl、含有量3〜4%)があ る。一方、微量元素(含有量0.02%)Zn・Cu・Cr・I・Co・Se・Mn・Mo・Fe)があり、酵素活性中 心(Zn・Cu・Se・Mn・Mo)やホルモンなどの生理活性物質(Cr・I・Co)として働いている。問題に なるのは、欠乏症で、先天性と後天性の栄養障害によるものがある。過剰症は金属中毒として認めら れる。
 近年、生活習慣病や老化に微量元素の欠乏が深く関わっていることが判ってきた。老化の臨床兆候 として、体力・活力の低下、皮膚の萎縮と脱毛、創傷治癒の遅延、性腺機能の低下、食欲低下、味覚 異常、嗅覚低下、白内障の増加、易感染性、うつ状態、認知症、虚血性心疾患の増加、自己免疫性疾 患の増加、発ガンの増加、血糖上昇、脂質異常などが認められるが、これらの兆候は微量元素欠乏の 症状と酷似している。
 味覚障害は推定我が国では24万人とされており、これは亜鉛との関連が考えられている。 その他、褥瘡、骨粗鬆症にも関与が考えられている。今回は、亜鉛について講演がされた。



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一般的な微量元素とその役割は下記のように考えられている(インターネット、m3.comより引用)。

@)亜鉛 Zn
生理機能:蛋白代謝、糖代謝、脂質代謝、骨代謝
欠乏:皮疹、口内炎、脱毛、成長障害、爪障害、味覚障害、創傷治癒遅延、など
過剰:嘔気、嘔吐、下痢、短身、他

A)銅 Cu
生理機能:造血機能、骨代謝、結合織代謝
欠乏:貧血、骨髄性白血球系成熟障害、小児骨障害、他
過剰:嘔気、嘔吐、下痢、昏睡、乏尿、他

B)クロム Cr
生理機能:蛋白代謝、コレステロール代謝、糖代謝、結合織代謝、他
欠乏:耐糖能異常、窒素平衡異常、末梢神経障害、他

C)セレン Se
生理機能:抗酸化作用、T3―>T4への変換、抗がん、他
欠乏:筋肉痛、心筋症、爪床部白色変化、他
過剰:セレノーシス(脱毛、爪剥離、中枢神経障害、他

D)マンガン Mn
生理機能:蛋白代謝、糖代謝、脂質代謝、生殖能、免疫能、他
欠乏:血コレステ  ロール低下、血液凝固能低下、毛髪赤色化、他
過剰:パーキンソン症候群、無気力、精神興奮・疲労感、他

E)モリブデン Mo
生理機能;アミノ酸代謝、尿酸代謝、硫酸代謝、亜硫酸代謝
欠乏:頻脈、多呼吸、易疲労、嗜眠、他
過剰:高尿酸、痛風

F)コバルト Co
生理機能:ビタミン12、造血
欠乏:悪性貧血、メチルマロン酸尿状
過剰:コバルト中毒

G)ヨウ素 I
生理機能:甲状腺ホルモンの作製、組織の代謝
欠乏:甲状腺腫、甲状腺機能低下
過剰:甲状腺腫、甲状腺機能低下



筆者一言  微量元素は、人間の体に取って欠くことの出来ない大切なものである。コンピューターなど現在 の産業界でも稀金属が大切で、我が国では、輸入が問題になっており、携帯電話など稀金属のため 再利用が報道されています。今回取り上げたように人間の体にも微量ではあるが、欠くことの出来 ない元素があるのです。日常の生活で、食生活で、バランスの取れた食事を取ることの重要性が、 身にしみて考えられます。微量元素の欠乏は、臨床症状が多彩で診断が困難なことが多い。




一口メモ

オリンピックはリオデジャネイロですね。ガス25パーセント削減を掲げている日本でオリンピックでなくて良かったのかもしれませんね。東京の五輪招致にかかった費用は総額150億円らしく、12年に夏季五輪を開催するロンドンの招致活動費がおよそ60億円だったようなので、いかに東京招致が無駄多だったか…都知事は妥当だった。外部の会計監査を入れてしっかりやりますと言ってますが。



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