今月の話題〜2月〜



2008年の8月にグラスゴーで開かれた世界疼痛学会より痛みについての話題が豊富ですので、 痛みの記憶の問題と脊髄での痛み形成の問題について選んでみました。



1, 1,Fugu,phantoms,and fire in the feet; The multiple roles of sodium channels in expeimenttal and human pain; (Yale School of Medicine, S. Waxman) 最近、ナトリウ ムチャンネルが慢性疼痛に大きな関係を有することが判ってきた。多くのナトリウムチャン ネルは異なった性格、異なった性状を持っており、又、幾つかのナトリウムチャンネルは、 侵害受容器に関与している。

 a)脊髄後根ニューロンの侵害受容体にあるナトリウムチャンネルの基本的な働きが脊髄後根の細胞の活性化(fire)に関与している。
 b) 神経損傷によりナトリウムチャンネルの働きに変化が起こり、それが脊髄後根ニューロンの過敏性の形成に関与している。
 c) 最近、侵害受容器のナトリウムチャンネルの変化が人間の痛みの形成に関与していることが判ってきた。

筆者寸言;ナトリウムチャンネルに関しては日本のペインクリニック学会でも取り上げられ対応も 検討されています。



2, 2,The extinction of pain memories; (Central Institute of Mental Health, Germany, H.Flor)  脳は侵害刺激、非侵害刺激に反応して、慢性疼痛の状態で、中枢神経内で記憶痕跡(memory traces) を形成する。これらの学習の経過は、遺伝子と環境の因子により決まる。痛みに関係した記憶痕跡( traces)の獲得と蓄積は前後の経過とは関係なく、均一(universal)であり、一方、これらの記憶の 消去には痛みの記憶痕跡の獲得、蓄積の前後の経過に関係しており、痛み事象の記憶、ストレス、 痛みにより消去される。これらの記憶が色々な条件付けをされ、痛み刺激の種々な性状に反応し、 恐怖、交感神経の活性化、痛みを誘発して、学習により高められた痛みに関係したネットワークを 形成する。痛みに関係する痛みの記憶痕跡は、痛みが穏やかに減少した時少しは抑制されても消失 しないし、容易に蘇ることが出来る。痛みに関与する記憶痕跡を消すためには、痛みを消す訓練、 減少させる訓練、mirror療法、フィードバック療法、大麻類 やd-cycloserineなどによる薬理的方 法が使用される。

筆者寸言;痛みが脳の中に痛みの痕跡を記憶の痕跡として残って行き、蓄積して行くという。 そして、その記憶痕跡を消す対策についての考えである。




筆者一言;痛みについての研究が進歩してきており、最新の研究を臨床に応用できる日も 近いかと期待しています。実際にナトリウムチャンネンルの考え方、mirror療法、フィードバッ ク療法などは、臨床でも利用されてきています。




一口メモ

インフルエンザが11月から流行っています。一時減ったものの、どうやら2月上旬も多いとか。 マスクをして、うがい手洗いですね。
読売新聞社が1月31日〜2月1日に実施した面接方式の全国世論調査で、首相に最もふさわしいと思う 国会議員!!トップは小泉元首相の14・4%で、小沢民主党代表13・7%、舛添厚生労働相7・5 %。なんと麻生首相は4・7%、やはり低いですね(^−^;
アメリカのような日本のトップもふさわしい人出現してほしいものです。



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