今月の話題〜7月〜

今月の話題は、6月に京都で行なわれた全日本針灸学会より選んでみました。
今回は経絡の解明の手がかりとなるかもしれない表皮の機能についての講演があり、それが大変興味あるものでしたので 紹介したいと思います。私の理解した範囲内ですので、その点は了承してください。




1,感じ考え語る表皮:世界といのちの境界;(資生堂ライフサイエンスセンター、傳田光洋)環境と生体との境界には、 選ばれた情報やエネルギーの流れが必要なのである。外胚葉由来の表皮は我々の身体の表面を覆っている臓器である。約14日で 垢となって脱落していく表皮細胞ケライノサイトによって形成される表皮は、体内の海を維持するバリア機構を担っているだけで なく、免疫システム最前線であり、さらに環境変化を感知し、その情報を体内に伝え、全身の生理や上層を性状に保つ役割を担っ ている。

1)皮膚の機能
・バリアー形成;体内水の濾水を防ぎ、細胞への流入を防ぐ
・免疫の最前線
・抗菌ペプチドの合成
・環境因子の確認;温度、湿度、圧力、光、電気、化学変化、etc

2)表皮のバリアー機能;約14日間で、真皮―>角質―>垢の経過を経ていくが、表皮内の電解質Mg、Ca、Kが電位を作っており、 イオンの流れを作り、これがバリアーの駆動力となっている。

3)表皮の機能;表皮形成細胞、ケラチノサイトはホルモンや神経ペプチドの受容機構を持っており、ケラチノサイト自身がホルモン 、サイトカイン、モノアミンなどの全身の生理や神経情動に作用する物質を合成、放出する。(Substance P, Cortisol, Melaton, Serotonin, Dopamine, etc )

4)ケラチノサイトの受容体;NMD受容体、ATP受容体、GABA受容体、ニコチン受容体  表皮には未知の情報の流れある可能性が考えられ、世界と命を繋ぐもの、常に変化し 続ける世界の中で生命機能の恒常性を維持するためのインターフェイスである。





2, 皮膚感覚―皮膚と心の身体心理学;(桜美林大学、山口創)皮膚は露出した脳といわれ るといわれ、フロイドは心は皮膚感覚から生まれるといっておるが最近になって、やっ と皮膚と心の関係が注目されて来ている。皮膚は外界を探索し、対人関係を構築するマ ルチモダルな臓器である。



3, 経絡経穴研究の様相とその夢;(明治鍼灸大学、矢野忠)経穴経絡とは何かについて  考えるとして、会長として問題提起した。リモートセンシングで、体表の形状、温度、 磁場、水分、発汗、色素、色、などの計測が一つのきっかけになるのではないか。従来 は、針の響き、経絡現象、脳内視床の全身の図、大脳皮質のホムンムルクの像(感覚、 運動領野の図)から考えていた。




筆者一言
鍼灸では経絡は存在し、それを基とした経絡治療を行なうことが当然のこととして、診断、治療を行なっているが、経絡とはなにかという 基本的な命題を解決することが必要と考えられる。今回は、会長中心に意欲的にこの命題をとりあげた。まずは、皮膚とは何なのかについ ての講演が、大変興味深いものであった。皮膚にも様々な機能があるとのことで、従来の形態解剖からは考えられないような機能が皮膚に あるという。表皮形成細胞、ケラチノサイトはホルモンや神経ペプチドの受容機構(NMDA受容体、ATP受容体、GABA受容体、ニコチン受容 体など)を持っており、ホルモン、サイトカイン、モノアミンなどを合成、放出しておるとのこと、表皮細胞(ケラチノサイト)に多彩 な機能の存在を示唆しておる。興味深いことである。




一口メモ

秋葉原の事件から1ヶ月。あれ以来、ネットへの書込みでの逮捕が相次いでいます。
しかも中学生から20代まで幅広いですね。ネットでばかり交流している世代だからでしょうか。 実際周りの人に相談したり、愚痴ったり出来ない性格に育ってしまっているんですかね。 子供のころからゲームなどで一人で過ごす事が多いより、友達と会って遊んで育って欲しいです。 そして、過保護すぎる親御さんにも問題は在ると思いますが・・・昔は子供同士で解決して学んでいく生活だったのが、 今は、子供同士で話す前に親が頭を突っ込む事も多いようです。不思議です。



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