今月の話題〜12月〜

今月の話題は、11月に筑波市で行なわれた関東甲信越針灸学会より興味ある話題を取り上げてみました。



1,“神経内科の見た鍼灸の世界”―耳針の不思議!;(関西医療大学、吉田宗平)耳介医学は1956年のフランスのNogierの 発見以来、中国に逆輸入され、中国で黄帝内経や陰陽十一脈灸経に耳脈についての記載があることが指摘されて、耳針の治療につ いて発展、利用されてきた。耳介は発生学的に胎児の第一鰓弓から発生し、鰓性脳神経である三叉神経、顔面神経、迷走神経、舌 咽神経及び上顎神経が密接に関係している。諸種の刺激に敏感な感覚器といえる。耳介と身体の痛覚相関が認められ、これを解析 することにより、脊髄分節性支配で説明出来ない神経支配のメカニズムを解析し、経絡現象の一端が明らかになるかもしれない。 顔面痙攣が、耳朶のマッサージで軽減するという。

筆者一言:耳介に全身のツボが存在し、それが治療点となるとされており、実際に使用されておりますが、科学的に証明出来るかが 問題とされてきています。私も耳針療法を実際に利用していますので、耳介のツボと全身の関連についてはなんとなく存在すると考 えています。よく使用する疾患は、眩暈、肥満、ふらつき、ですが、なかなか良い効果があります。主に該当するツボに皮内針を留 置する方法を使用しています。



2,“パーキンソン病の基礎と臨床”;(筑波技術大学、大越教夫)パーキンソン病の補完代替療法に関しては、運動療法、音楽療法、 鍼灸療法、あんまマッサージ治療などが実施され、補完的な意味で有効とされている。針治療の対象は頸部痛、肩こり、肩周囲炎、背 部痛、腰痛、四肢の筋固縮、すくみ足などである。すくみ足に対する針治療の検討を行ない、その有効性を認めた。

筆者一言;パーキンソン病の周辺症状に対する針治療は有効と考えられます。上記の症状(頸部痛、腰痛、すくみ足、背部痛など)は、 もともと針治療のよい対象です。但し、パーキンソン病を根本から治癒させるという意味では効果が認められていないと思います。



3,顔面神経麻痺に対する鍼治療効果;(埼玉医科大学、新井千枝子、他)低周波置針療方法(50Hz)を用いて行い、初期の麻痺 スコア、後遺症の共同運動障害に対しても有用性が高い。顔面筋に対する刺激、顔面神経に対する刺激を考えた取穴に刺激を行なう。

筆者一言;顔面神経麻痺はその原因は多種多様であり、質問にもあったように原因を分けて検討すべきと考えられます。ベル麻痺は、 自然治癒が70〜80%に認められるためにその治療効果の検討には慎重さを要します。私も顔面神経麻痺には、針治療を使用してお り、効果があるというイメージを持っています。




筆者まとめ
耳針治療については、針をやっておる方はその効果を認めておると思いますが、その理論的な背景についてはよく分かっていません。 今回の吉田先生の研究発表はその辺について示唆するものが多いと思います。今回取り上げた他の二題は針の効果についてですが、 針が“効いた効いた”という発表が多い中で、検討対象もきちっとしており、このような検討がこれからも集積して行くことが大切と 思われます。




一口メモ

12月です。クリスマスです。色々なところでイルミネーションが見られますね。雪も今年は降ってますしホワイトクリスマスでしょうか? 今年で22回目を迎える仙台の定禅寺通と青葉通のケヤキ並木の約60万球の灯り。星が降るように見えるそうです。素敵ですね。 点灯期間は、12月12日(水)〜12月31日(月)だそうなので是非(≧▽≦)

年末商戦になり今年はDVDブルーレイが人気のようです。実際見ましたが、色が鮮明でとても綺麗でした。 しかし、専用の機器が必要ですけど。電気屋さんで見てみてください!!



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