今月の話題~10月~



今月の話題は、9月25日から9月28日までHungary のBudapestで行われたW.I.P.(World Institute of Pain)のWorld Congressに 出席する機会がありましたので、この学会の機関誌、Pain Practiceよりこの学会の方向を理解するためによい例と思われる論文を4 つ紹介します。学会の演題からの話題は次回にしたいと思います。




1,Self-Efficacy Beliefs Predict Sustained Long-Term Sick Absenteeism in Individuals With Chronic Muslculoskeletal Pain; (University of Stockholm: Busch,H,et al) : 病的状態から回復するという希望と信頼感が、リハビリの成果と仕事への復帰について、 様々な臨床状態で、役立つと思われるが、筋骨格系の病的状態ではあまり評価されていない。長期にわたり病気の経験のない患者さんは、 絶望感、自己信頼感の低下などの感覚を強く受け取ってしまい、将来の仕事生活への復帰の障害としてしまう。仕事の可能な状態への改善 のためには、患者さんが環境へどの程度適応できるのか、上適応性があるかを、レハビリの早期に分類し、明らかにして置くべきである。


2,Prospective,Randomized,Single-Blind,Sham Treatment-controled Study of the Safety and Efficacy of an Electromagnetic Field Device for the Treament of Chronic LowBack Pain : A Pilot Study; (Center for Pain Studies,Chicago, Harden R.N.,et al) : 電磁場の慢性腰痛に対する効果と安全性についての評価と電磁場の精神心理的方法に対する効果検討を行った。2週間の電磁 場治療と模擬治療との比較で、明らかに電磁場治療で効果が認められた。重篤な副作用は認められなかった。電磁場治療(therapeuti c electromagnetic field)(15milliTESLA,30分/一回/日―2週間)は、慢性腰痛の治療方法として有用であると考えられる。


3,The Short-Term Effects of Acupuncture on Myofascial Pain Patients After Clenching;(University of California San F rancisco, Shen Y.F.and Goddard G.):針の効果についての検討。針は模擬治療と比較して、効果があった。痛みは下腿を2分間つね って作製し、針は大腸経の4つのツボに刺激を行い、模擬刺激は針を泡の中を通して皮膚に針を実際に刺さず、被検者には針を刺し ておるかどうか区別がつかないようにして行った。


4,An Integrative Approach for Treatment Postherpetic Neuralgia—A Case Report;(Yale School of Medicine , Wang S.M.)  全身のツボが耳介の中あるとする考えに基づいた耳針療法を使用し検討。帯状疱疹後神経痛の治療方法として、針は有効であった。 耳のポイントは、帯状疱疹後神経痛のある部位が相当するツボを使用し、模擬治療は、離れた耳の部位を刺激部位として選んだ。




筆者一言
今回の学会に出席して、痛みの治療には、西洋医学から東洋医学と有効と思われる方法を幅広く取り入れて行こうという姿勢が、 世界の趨勢と思われ、今までにこのホームページで触れましたように日本の東洋医学の経験を世界に広めたいと思われました。 この学会は、痛みについては幅広く発表出来る学会であり、日本からの参加者もあり、発表もされたが、残念ながら東洋医学に関 する発表はありませんでした。次回にこの学会の発表の中から興味のあるものを選んで紹介したいと思います。




一口メモ

今気になることと言えば!!暑さ2センチのTV。そして3mmのTV、これはしかも有機EL。携帯電話にも使われている有機EL。 詳しくは知りませんが、とにかくクッキリ!!はっきり!!映るんです。紙でTVって時代は・・・来ましたね。ソニーさんでは、 くにゃっと少し曲がるディスプレイは開発済みです。開発者の方たちって凄いです。CEATEC2007。楽しそうですね。車が自動で車 間距離計ってくれたりしるんですよ?

そろそろ秋ですね。やっと涼しくなったか!と言う感じですね。風邪ひかないように注意しましょう(^ー^)



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