今月の話題〜4月〜



今月は、前月に取り上げました日本慢性疼痛学会の中より選んでみました。

今回の会長が、明治鍼灸大学の北出教授が会長でしたので、痛みと鍼灸にかんする話題が豊富でした。 “慢性疼痛に対する鍼灸治療の役割とその現状”というセクションより選びました。



1,慢性疼痛に対する鍼灸治療の役割とその現状;(明治鍼灸大学、田口玲奈、ほか)

慢性疼痛における鍼灸治療のメリットは、1)即効性、2)副作用が少ない、3)自己治癒力を高める、4)個々の病状にあわせた治療。
デメリットとしては、1)疾患、個体差で効果に時間を要することがある、2)鍼の刺入に拒否反応を示すことがある、3)神経、筋に 対する損傷の危険性、4)鍼の響きを不快に感ずるひとがおる、5)施術者により効果が異なる、6)健康保険の適応がない。

鍼灸治療は筋骨格型痛みに対する効果については有効性が報告されているが、神経因性疼痛、関節リュウマチに代表される疼痛に 対するエビデンスが少ないので、この方面での質の高い研究が必要である。



2,筋骨格系の疼痛にたいする鍼灸治療の現状と可能性;(埼玉医科大學、小俣浩)

当科における鍼灸治療の対象疾患は、顔面神経麻痺、緊張型頭痛、脳血管障害、シェーグレン症候群、関節リュウマチ、 変形性腰椎症、肩関節周囲炎、脊椎管狭窄症等で、症状は筋骨格系症状が多い。



3,神経因性疼痛に対する鍼灸治療の現状と可能性;(了徳寺大学、石丸圭荘、木原和彦)

神経因性疼痛に対する鍼灸治療について、文献的検討を行った。アロディニアを呈する症例では、鍼灸治療は禁忌と思われる。 Aβ繊維を介する静的痛覚過敏には局所治療を避け、症状部位から離れた遠隔経穴鍼通電によって下行性疼痛抑制系や内因性 鎮痛機構を賦活させる低頻度鍼通電を試みる。又、C繊維を介する動的痛覚過敏には脊髄分節性鎮痛を考慮した高頻度鍼通電 を試みる。詳細はこれからの検討を要する。




筆者一言
 鍼灸の著書には様々な疾患が鍼灸の適応疾患として記載されていますが、実際には筋骨格性の疼痛が大部分であり、 筋骨格性以外の疼痛も含めると、そのほとんどは痛みです。今回の話題にも挙げましたが、鍼灸が痛みの治療法として 大変有効な手段であることには異存のないところだと思いますが、その作用機序については、まだまだ分かっていませ ん。経絡、経穴(つぼ)とは何かについての検討もされてはいますが、未だ、本態は不明です。鍼灸については、いま のところエビデンスの積み重ねと科学的な検討、裏付けが大切であると思われます。




一口メモ

春の高校選抜、聖光学院も仙台育英も負けちゃいましたね・・・。

桜咲きましたね。桜は色々な種類があって咲く時期が少しずつずれるので、 結果全種類通して花見は1ヶ月できるモノだったそうです。でも「染井吉野は育てるのが 簡単」と言うことで公園や道沿いに植えられ、日本に染井吉野が増えたため、桜=染井吉野という感じになったそうです。 桜がいっぱい咲く名所は染井吉野がほとんどの為、1週間しか開花していなくてお花見を逃した〜と言うことも多いですね。

近所には色の濃い、おそらく染井吉野では無いな?という桜が遅れて花咲いています♪ 桜はすべてバラ科だというのを聞いて、それもまたビックリでした(^▽^)

梨の花も咲いていますね。春を満喫しましょ♪



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