今月の話題〜2月〜



今年の1月8日に東京で行われた第27回メディコピア講演シンポジウム“21世紀の対癌戦略”より話題を選んでみました。



1,はじめの言葉:山中學(東京大学名誉教授);
昭和56年にがんが日本人の死因のトップになりました。 死因の3人に1人はがんで死亡している。国では昭和59年に“対がん10か年戦略”、平成6年から“がん克服新10か年戦略”、 さらに引きつづき平成16年から“第3次対がん10か年総合戦略”が開始された。又、平成17年には、“がん対策基本法”を 制定し、国をあげてがんに対しようとしている。


2,我が国の対がん戦略:垣添忠生(国立がんセンター総長);
がんの診断方法にも進歩がみられ、血液検査、腫瘍マーカー、 画像診断などが行われているが、画像診断には、従来のX線診断に加え、コンピューター技術の進歩に伴い超音波検査、CT、 MRI、PETなどの新しい診断法が確立している。注目されるPETは、いまだ万能ではなく、超音波、MRI、CT、三次 元CT、内視鏡検査などを組み合わせて精度を上げ、診断が行われている。


3,がん治療の進歩と現状:畠清彦(癌研有明病院);
最近、分子標的薬剤といい、従来型の抗ガン剤とは作用機序が 異なる薬剤が登場し、従来型の抗ガン剤との併用によって、成績の大きな改善が認められた。しかし、全く問題がない わけではなく、抵抗性を示すものも出てきており、使用上で副作用の問題もある。実際の投与に当たっては、多彩な専 門的な知識を必要とするため、チーム医療が必要で、内科、放射線科、薬剤師、看護師、関係する科の専門家が、チー ムを組んで治療に当たる必要がある。


4,呼吸器がん(肺がん、中皮腫):曽根三郎(徳島大学ヘルスバイオサイエンス研究部);
肺がんは早期診断、 早期切除がベストであるが、70〜80%はすでに手術できず、抗ガン剤が使用される。最近では、増殖因子、 血管新生因子、浸潤因子などをピンポイントでやっつけようとする分子標的薬が開発されて来た。患者一人、一 人に適したオーダーメイド治療への応用が期待される。


5、消化器のがん(大腸がん):杉原健一(東京医科歯科大学大学院腫瘍外科学);
大腸癌は男性の死因の4位、 女性では1位である。大腸癌についても大切なのは、早期発見、早期治療である。手術を受ければ80%以上は治癒する。 治療は、内視鏡治療、手術治療、化学療法、放射線療法に分けられる。手術が不可能な場合でも、新しい抗ガン剤が開発され、 奏功率40%〜50%と、かなりの効果をあげている。


6,乳がんー乳がん制圧に向けた基本戦略と国民の責務―:大内憲明(東北大学大学院腫瘍外科);
乳がん死亡率は30才〜50才の女性の全がんの第一位である。乳がんは2cm以下の早期であれば、95%が生存している。 大切なのは、早期発見である。2000年のがん検診指針で、乳がん検診へのマンモグラフィー併用が定められた、より多くの 人がモンモグラフィー併用の検診を受けることが必要である。


7、前立腺がん:斉藤史郎(東京医療センター、泌尿器科);
前立腺癌はアメリカの男性のがんの中で最も発生頻度の高いも のである。日本人もその食生活の欧米化が著しい中で、増加してきており、現在、年間約30,000人の新たな患者が発生 している。やはり、早期発見が大切である。血液のPSAの検査で早期発見が可能であり、この検査の普及が望まれる。治療 は、手術療法、化学療法、放射線療法であるが、一つ一つの方法に、新しい改善がされている。




筆者一言
がんの対策は、生活習慣、食事、体質、遺伝、医学的予防、診断、治療など多くの対応がなされていますが、 現在、最も有効な対策で、誰にでも可能性のあるのは、早期診断、早期治療です。全てのがんにではありませんが、 日本人に多いがんに対しては、健診の中に診断が組み込まれていますので、多くの国民が、健診を受けることがが ん対策のもっとも有効な対策です。現在の日本の平均健診受診率15%と低率状体にあります。今回の話題とした メディコピアシンポジウムは、医療の専門家を対象としたというよりも、一般の方々を対象としているため、話は 総論的なものとなっています。




一口メモ

宮崎県の東国原英夫知事がんばっていらっしゃいますね。でも、またとりインフルエンザです。 インドネシアでは死者もでているようです。衛生環境が悪いからのようですが。。。 新型インフルエンザとして人に感染するようになったら恐ろしいですね。やっぱり最近鶏肉が安いです(^−^;

今年は暖冬で雪が少ないですね。でも、思いもよらず九州や中国地方で雪が降ったりはしていて、温暖化というより異常気象でしょうか? もう梅の花が咲いた!なんて話も聞きますし、スキー場も雪が無いそうです。2月なのに春のようです。
3月には桜が?なんてことになりそうな2007年ですね。



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