今月の話題〜1月〜



あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

今月の話題は、健康食品としてよく名を見、聞く物について触れてみたいと思います。



   食品は、特別用途食品(腎臓の病気など特定の病気に用いられる食品)、保健機能食品(食品の持つ三つの機能、 栄養、味覚、体調調節に注目して健康に役立つ食品)、と健康食品(学術的には定義されていないが、食品の形 をとらずに粉末、顆粒、錠剤、カプセルなどの形をした食品で、栄養補助、健康補助、サプリリメント等と呼ばれる) の三つに分けられている。今回はこの中の健康食品について、今年の鍼灸学会で、金沢大学の鈴木信孝先生が取り上げた 講演内容を中心に述べてみます。



   日本人の成人の65%が代替補完医療を利用しておるといわれ、特に健康食品の利用が多いと思われる癌患者に関 しては、44,6% が一種類以上の健康食品を利用しているということです。


 1,アガリクス;ブラジル原産のきのこで、含有されているβ―グルカンやABMK22が培養細胞、動物実験で抗癌 効果がいわれているが、人間では、子宮癌と卵巣癌の患者さんを対象としたランダム化試験が一つ報告があるが、化学療 法の副作用を軽減する効果が認められたというにとどまっている。


 2,プロポリス;ミツバチが新芽や蕾及び樹皮から採取したものにミツバチの分泌物、蜂ろうなどを混ぜた樹脂状の天然物で、 紀元350年頃にギリシャなどで使われたというが、消毒や抗菌を目的に外用でつかわれたということです。内服については、 人での臨床試験で検証されたという報告はなかった。


 3,AHCC;担子菌類の菌糸体を液体タンクで培養し、各種酵素処理、熱水抽出して得られた活性化糖類混合物の総称し たもので、βグルカンとアセチル化α―グルカンが有効成分とされ、実験では免疫賦活作用、抗腫瘍作用が確認されているが、 ヒトでの非ランダム化試験が一つで、根治術後の肝細胞癌患者で再発予防、生存率の延長効果を認めたという。


 4,サメ軟骨;1950年頃から、細胞傷害作用、免疫賦活作用、血管新生阻害作用の三つが考えられて来た。アメリカの 報告だが、サメ軟骨単独では抗腫瘍作用は認められず、生活の質に関してもプラスの効果はないとのことであった。乳ガン、 大腸癌の進行癌では有効性は認めなかった。腎癌で、高用量で生存予後に利益をもたらす可能性があるという。


 5,メシマコブ;木に寄生するキノコで、韓国では培養に成功し、メシマコブ菌糸体は免疫機能増強剤として、医薬品とし て認可されている。しかし、臨床報告は肝細胞癌の一例、前立腺癌の一例あるのみである。


 6,冬虫夏草;セミ、トンボ、カメムシ、ハエねどの虫からはえるキノコです。日本では300種が報告されている。脂肪酸、 タンパク質、豊富なアミノ酸が確認されているが、その作用については、まだ究明されていない。




筆者一言
健康食品は毎日の新聞広告、週刊誌等のメディアに沢山見掛けるが、どれを取って見ても科学的にその効果が証明されたものは 少なく、メディアの方が先行し、それを検証、選択できない人々が迷いながらも、“これは何々に効く”という言葉を見、聞き して、藁をも掴む思いで、購入し使用しておるものが多いと思われる。健康食品、民間療法、鍼灸、漢方などの代替医療は医療 の場でも無視できない大きな問題になってきています。日本でも、国家的にこの問題にもっと積極的に取り組んで欲しいもの と思います。




一口メモ

あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
今年は、免許証にICチップが導入されたり、携帯電話から110や119するとGPSで場所が警察や消防に通知されたり、 10万以上の振込みには確認証が必要だったり、色々と進化な年になりそうですね。
事故事件も多いですから、強化は必要ですけど厳しすぎるのも生活しずらい気もします。

スノーボードがマイブームなんですが、事故も多いようなので、スキー・スノボをする方、登山する方は気をつけましょう。

今年も皆様にとって充実した1年になりますように。



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