今月の話題〜11月〜



今月(2006,10)話題は、今年の6月に神戸で行われた日本ペインクリニック学会の一般演題より選んでみました。



1、三叉神経痛の既往のある患者に生じた心因性要素の強い顔面痛の一例;(山口大学麻酔  科ペインクリニック、川井康嗣、その他) 特発性三叉神経痛に対してガッセル神経節高周波凝固術を二度受けた患者が、前と同じような痛みを訴えて来院したが、痛いときに痛い ところを抑えると楽になるというので、又、希死念慮があるため面接をすると家庭内に問題が認められた。家庭内問題の解決とアミトリ プチンの投与で痛みは消失した。痛みの場合、破壊ブロックを行う前に、既往にとらわれず鑑別診断することが重要である。

 * 筆者:痛みには、心の影響は大きく、とくに慢性痛の場合は常に心理学的検討が必要であると考えます。


2、微小血管減圧術後の三叉神経痛残存―再燃症例に対する治療について;(名古屋市立大学医学研究科危険管理医学、田村哲也、その他 )三叉神経痛の治療に微小血管減圧術を受けた後で神経痛が再発した場合に、末梢三叉神経のブロックあるいは星状神経節ブロックは効果 的であると考える。

 * 筆者:特発性三叉神経痛の治療に微小血管減圧術は度々行われますが、再発も見られ、その際にどうのように対処するか、 困惑することがあります。この報告は、通常使用されておる方法を纏めたものと思われます。


3、骨髄ドレナージ法が有効であった右変形性股関節症、両変形性膝関節症の一例;(豊田山之手病院、新城健太郎)関節痛の原因 として骨髄内圧が関係しておると考えられ、透視下に骨髄に中空ビンを刺入し、除圧することにより、除痛が得られた。

 * 筆者:骨髄内除圧が関節痛を改善するという報告が、この他に三題あり、興味ある方法であす。方法は簡単のようであり、 われわれの日常診療で使用可能と思われ、今後が楽しみです。


4、帯状疱疹後神経痛に対する8%キシロカインポンスプレー○Rの有効性の検討;(北里大学麻酔科、鈴木麻葉、その他)8% キシロカインスプレー一回散布量を1mg/kgまでとし、4時間空ければ何回でも散布可とした。鎮痛効果は6.9±11,6時間持続した。

 *筆者:キシロカインスプレーは容易に使用することができ、使用法を指導すれば、良い方法かと思われる。




筆者一言
癌性疼痛、稀な疼痛疾患、稀な疾患と神経ブロック、神経ブロックの合併症などの大学病院や大病院 などのペインクリニックで経験される特殊な症例、稀な疾患、難しい手法についての演題が多かった が、我々の日常診療に役立ちそうな演題は、少ない。今回は、われわれ開業医のペインクリニックで 役立ちそうな演題より選んでみました。




一口メモ

野球界では新庄選手引退したそうですね。優勝で引退を飾るなんて新庄選手らしい。 今後どんな形で新しい世界を開いていって下さるのかも気になりますね。
先月書いたナンバーポータビリティ。結果発表です!
番号継続開始前は、NTTドコモ 51%  KDDI 34%  ソフトバンク 15% でした。
2週間後は、NTTドコモ 46%  KDDI 36%  ソフトバンク 18% になりました。
予想外にソフトバンクが増加していて驚きです。不安定なソフトバンクの今後が気になります。新聞に広告が出ていますが これでお客様の不安を解消できるのでしょうか・・・。



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