今月の話題〜4月〜



今月は、先月と同じ日本慢性疼痛学会(2006.2.24、東京)より話題を選んでみました。 (慢性疼痛の評価法、現状と未来についてのシンポジウムより。)



1、バイオマーカーの変動からみた慢性疼痛評価;

(東京医科大学八王子医療センター、野内博之)慢性疼痛を、 生体反応という観点から定量性をもたせて捕捉できないかと、検討してみたものである。帯状疱疹後神経痛の患者 と急性疼痛の患者で、疼痛の治療を行う前と後で、血中エンドルフィンと尿中8−OHdGの測定を、治療前、治療 後1週間、1、3ヶ月後に施行した。その結果と疼痛の評価(VAS)とを比較検討した。急性疼痛ではではバイオ マーカーの変動は一過性であったが、慢性疼痛ではバイオマーカーの変動から内因性鎮痛機構の抑制による抗酸化 作用の低下することが示唆された。


2、ドラッグチャレンジテストを用いた慢性疼痛評価;

(駿河台日本大学、佐伯茂)慢性疼痛患者の痛みの発生機序を知り、 その治療方針を知るためにドラッグチャレンジテスト(DCT)が有用ではないかと検討した。1)チアミラールテスト:陽性 の場合、心因性疼痛、中枢性疼痛であることが推察され、ペントバルビタールカルシウムの内服、脊髄、脳電気刺激療法の 有用性が考えられる。2)フェントラミンテスト:陽性の場合、交感神経の関与が考えられ、交感神経ブロックの有用性が 考えられる。3)リドカインテスト:陽性の場合、異所性の神経異常発火の存在が推察され、リドカインの点滴、メキシレ チンの内服が考えられる。4)ケタミンテスト:陽性の場合、NMDA受容体の関与、中枢性疼痛であることが推察される。ケ タミンの持続点滴療法、デキストロメトルファンの内服が考えられる。5)モルフィンテスト:陽性であれば、神経ブロッ ク、モルフィネ、非ステロイド性鎮痛剤の投与が考えられる。DCTの結果と実際の治療効果が、必ずしも一致しない症例も 多数認められるが、難治性疼痛の治療にヒントを与えてくれるものと思う。


3、MRスペクトロスコピー(MRS)を用いた慢性疼痛評価の試み;

(滋賀医科大学、福井弥己郎)慢性疼痛 患者では視覚刺激による疑似体験で前頭前野や前頭状回が賦活されることが報告されてり、又、慢性疼痛患 者では前頭前野や前帯状回が萎縮しており、視床の神経機能が低下していることが報告されている。MRSはM RIを使って脳内の代謝産物を測定する方法で、神経細胞にしかないNAA(Nアスパラギン酸)を局所脳神経機 能の指標とした。CRPS type1患者で検討した。MRSを用いることにより慢性疼痛という認知、情動が関わる 主観的な対象を、視床、前帯状回、前頭前野の局所神経活動という客観的なものに反映させることが可能に なった。非浸襲的で身体に負担をかけないプロトンMRS(1H−MRS)は、治療法の選択や、治療効果の判定に も役立ち、慢性疼痛患者の評価法、検査法になり得ると考えられる。



筆者一言 痛みの程度、苦痛を測定、評価することは大変難しく、現在のような科学の進歩した時代でも VASのような評価法が最も多く使用されています。痛みの機構が解明されてくるに従い、治療法 とともに一般臨床でも利用できるような客観的な痛みの評価法が、開発されることを期待したい と思います。今回、紹介した痛みの評価方法は日常診療で簡単に使用できる方法ではありません が、将来のよりよい、より簡単な方法の開発への何かを示唆してくれておるものと思われます。




一口メモ

パソコンウイルスが悪化進化しております。ウイニーのもそうでうすが、NETに繋げていると自分のパソコンの情報が 丸々流出や、個人情報などの大切な情報までも万人に閲覧できてしまったり、世間に悪影響な書き込みを意味も無く書き込みまくってしまう ウイルスなど・・・。何を目的にこんなウイルスを開発しているのか不明ですね。
個人情報をパソコンで管理している会社は多いでしょう。消費者側は「個人情報は流出すると怖いから見せたくない」 と言うでしょう。でも、それは企業にとって必要で保有しているもの。両者にとって厳しい時代ですね。

身分証明書で本人確認をして契約、という場面は多いですよね。「身分証明書をコピーされると不安だから見せない!」 と言う、確かにそれなら流出しません。でも、本人確認の為の身分証明書無しで契約できるとしたら・・・身近な人なら 自分の名前と生年月日と住所を記入出来ちゃいますよね??それも怖いですよね。 身分証明書がなぜ必要か明白なら提示し、不安なら提示しない又は、そんな不透明な契約はしない!
本当に厳しい時代ですので、気をつけましょう。。。




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