今月の話題〜1月〜



今年の新年最初の話題は、日本の麻酔史上画期的業績を残した華岡青洲について、 彼の痲沸散による全身麻酔下乳癌手術以外の優れた面、業績を紹介してみたいと思います。



青洲は、痲沸散による世界で始めての全身麻酔で、乳癌の手術を成功させたことで有名ですが、 その他に多くの業績を残しています。それまでは不可能だった大きな手術が可能な麻酔薬を完成させ、 其の使用方法を、麻酔中の患者管理から、術後の管理、其の間の偶発症に対する対策も考慮していた。

1)、全身麻酔が可能になったために種々の手術が可能になり、手術の方法も乳癌以外に外傷、膿瘍、兎唇肛門(痔、脱肛など)、 鼻、眼瞼、顔の形成、四肢の病気(外傷、切断術など)、直腸瘻、包茎、膀胱結石など多くの疾患について考案し行っている。

2)、弟子(医師)の養成に尽力し、門下生は全国に渡り1300人といわれ、関連したものを入れると8700人余ともいわれている。

3)、消毒の薬剤、仕方、創の縫合の方法から抜糸のやり方も基準を作っている。

4)、創について、其の処置の仕方、包帯のやりかた等も完成している。

5)、弟子の養成には、塾生として、訓練し、技術は勿論だが、医師として大切な心得も厳しく教えている。

6)、紀州候は、青洲を召し上げ侍医にしようとしたが、断って庶民の治療に徹した。

7)、書を読み、勉学することは大切だが、患者を診ることが最も大切な勉強だし、必要だ。患者さんが、最高の先生である。

8)、医療事故に対する心得、対応の仕方についても述べている。酒を飲んでから治療に取り掛かるべからず。大出血している ときは、議論をしている暇はない。ただちに応急処置をしてから、対応をじっくり考えること。喧嘩や闘争による外傷の患者の 場合は、まず、役所に届けて見てもらってから加療する。急を要するときは、本人、親族、役所の書付を取ってから治療する。 其の時間もない時は、後で、問題やいざこざにならぬように傷についてその詳細を記述し、役所にも一部を後で渡すこと。。

9)、書画、骨董や金銀など子孫に残すものはなにもなかったという。

10)青洲には、二男二女があった。長男は32歳で亡くなった。第二子は女で、後で弟子の一人と結婚し華岡家を継いだ。 第三子は男で、青洲が亡くなった時16歳だった。後で医師になっている。第四子は女で、漆器家に嫁いだ。華岡青洲の麻酔法は、 明治時代まで使用された。

(呉秀三著、“華岡青洲先生及其外科”、及び、松木明知著、“麻酔科学のルーツ”より)



筆者一言 華岡青洲は、痲沸散による全身麻酔法の開発以外に、術前、術中、術後の患者管理、は勿論、外科医としても優れており、 全身麻酔が可能になったこともあるが、多くの手術の方法も開発、完成させている。疾患の診断、手術の適応等について 優れておったものと思われる。更に、青洲の業績で欠くことの出来ないことは、彼が、すぐれた教育者であったことであ ろう。詳細は参考文献に記載されているが、青洲の業績がこのように完成されて行った後ろには、先達の研究、業績、教 え、文献等があったのであり、これらのことを忘れてはいけないと思う。




一口メモ

あけましておめでとうございます。2006年も宜しくお願いいたします。
新年、田村・・ではなく谷亮子選手のお子さんが生まれました!パチパチ。男の子のようですね?スポーツマンになる予感です(^▽^)
その反面、火事などのニュースも耐えませんが。皆さん、健康で楽しい充実した1年をお送りください☆
今年の箱根駅伝も感動でした。初優勝の亜細亜大学おめでとう!そして最後まで頑張った順天堂お疲れ様。
今年はサッカーとフィギアスケートに熱中しそうです^−^v日本の選手に期待です!!




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