今月の話題〜10月〜



今月の話題も、8月にシドニーで行われた世界疼痛学会より選んでみました。

モルフィン、いわゆる麻薬を、癌などの痛み以外の一般の疼痛にも使用しようという試みが世界的にも行われており、 日本でも報告がなされています。この学会でも時々、取り上げられて来ましたが、今回、ワークショップの一つとし て取り上げられていた。



*  Organizer and Chair : Srinivasa N. Raja (Dept.of Anesthesiology and Critical Care Medicine, Johns Hopkins Univ. School of Medicine Balimore, USA ) 問題点として 1)オピオイドの体内の働きが 神経損傷の場合にどう影響を受けるか、慢性疼痛のコントロールに際し、この体内のオピオイド系が変化するか ? 2)癌性疼痛ではない神経因性疼痛のような場合に、ピオイドの効果のエビデンスはあるか? 3)非ステ ロイド性抗炎症薬が中枢において、どのようにオピオイドと相互作用しているのか? が挙げられ、今回、検討してみた。



*  Background and Summary of Session: (Raja S. N.) 高齢化の時代では、帯状疱疹後神 経痛、糖尿病性神経症、断端痛、慢性筋骨格系疼痛などが増加して来ている。これらの疼痛は、年余にわたり続き、 クオリティライフに影響している。癌性疼痛に対するオピオイドの効果は、ほぼ確立しているが、慢性疼痛に対す るオピオイドの役割については、まだ議論のあるところである。



*  Interaction of opioids with neural system in the presence of chronic pain (Anthony Dickenson, Dept. of pharmacology, Univ. college London, London UK) 神経損傷を受けた神経組織の変化をみると、 痛みに対する制御系の主役であるオピオイド系にも変化がみられる。痛みの伝道、コントロールには、様々 な薬理学的な系が関与しており、オピオイド受容器とオピオイドの関係も神経系の損傷の影響をうける。動 物のデータでは神経損傷による疼痛に対してオピオイドが有効であることが示されており、臨床でもその有効性が考えられる。



*  Clinical efficacy of opioids in neuropathic pain (Eija Kalso, Pain relief university Helsinki, Finland)   文献的に考察すると、慢性疼痛に対するオピオイド、フェンタニル、メサドン、モルフィン、オキシコドン等の神経因性疼 痛に対する効果は、有効であると示され、疼痛の軽減は平均30%とされる。しかし、その効果には個人差が見られ、副反 応や耐性については、長期使用の場合に問題になるが、この問題については不明の点もあり、議論のあるところである。オ ピオイドとNMDA受容体の拮抗剤、デキストロメトルファン、ケタミン、gabapentinoids, や非ステロイド性抗炎症剤の 併用効果が認められ、その有用性について検討した。



*  Synergic interaction of non-steroidal anti-inflammatory drugs(NSAIDS) with opioids and other signaling systems (MacDonald J. Christie, Dept. of pharmacology ,Univ. of Sydney NSW Australia) NSAIDSの中枢性鎮痛作用 とオピオイドの協力作用については最近よく知られているところである。NSAIDS、オピオイドとその他の伝達系の新しいメ カニズムに対する研究が治療法の発展に道をつけて来ている。頑固な痛みの患者さんの神経伝達系ではアラキドン酸とその 代謝系が、特にCOX-1, COX-2 の抑制剤の影響をうける。中脳の侵害刺激受容体系では、mu−opioid 受容体がlipoxygena seの代謝系により活性化され、オピオイドの効果はアラキドン酸とその代謝に抑制的に働く酵素系により抑制される。NSAI DSの鎮痛作用は中枢神経内においてプロスタグランジン系と関係はなく、オピオイドの拮抗剤により抑制される。このこと はオピオイドとNSAIDSの協調作用を説明するものであろう。アラキドン酸代謝系は、内因性モルフィン様物質の拮抗剤である CB1に関係している。従って、CB1受容体の活性は中枢内でのNSAIDSの作用に関係していると思われる。



筆者一言  慢性疼痛も、癌性疼痛と同じように人々の生活の中で、生活の質に対する問題として、取り上げられてきている。強力な鎮痛作用を 、難治な慢性疼痛の治療に利用しようという動きは、世界的なものとなって来ている。オピオイドを利用することにより、全てではな いが、疼痛から解除される方が多くなることを祈っていますし、努力したいと思っています。




一口メモ

銃所持が規制されている日本でエアガンによる事件。エアガンって、ニュースで知るまでそんな危ないとは思ってなかったんですけどね。 関東付近では、購入するとき身分証見せなきゃいけないとか、ちゃんとしてる所もあるようですけど・・そうじゃない店も多いそうです。 今なんてIT時代でネットでかえますし、値段も安くて簡単に手に入っちゃいますよね。30m離れた所からでも狙えたりって本物みた いで恐ろしい限りですよ。
私には、悪用しなくてもあんなものを購入してどうしたいんだろって思いますけどね・・・・??

今月はハロウィン!街ではカボチャを良く見かけます。HPの壁紙もハロウィン風にしました^−^v




「今月の話題」バックナンバーへ