今月の話題〜6月〜



今月の話題は、先月5月に富山で行われた日本東洋医学会より選んでみました。


1、随証治療、その将来の展望;

(富山医科薬科大学、寺沢捷年)、近代医学は要素還元論と機械論に立脚しておるために、 臨床の場では専門分化が進み>>人間の全体像を把握することが困難な状況を作り出している。東洋医学体系では>>生体 という複雑系の歪みや失調が精神的、身体的に示す雑多な症状や兆候を陰陽論++気血論++五臓論などで整理し、パター ンとして認識する方法を開発した。この全人的なあ病態認識論が=“証”=を決定する。この二つの医学を和諧して行くこ とが、東洋医学の随証治療の世界も発展し>>西洋医学の歪みも修復する方向に向かうのである。


2、薬物応答性の個体差と腸内細菌―証の解明を目指してー;

(富山医科薬科大学、赤尾光昭)、漢方薬の個人差の原因は、 ヒト腸内に棲息する細菌種(代謝酵素)の違いに起因すると考えられる。甘草のグリチルリチンもそれ自身は殆ど吸収されず、 腸内細菌代謝産物グリチルレチン酸が吸収され抗肝炎作用を示す。配糖体成分代謝の個人差は大きく、同一人においても病状や 食事等の腸内環境要因により変動する。


3、遺伝子発現から見る漢方方剤の作用;

(名城大学、能勢光彦)、ゲノムサイエンスの進歩とともに薬剤感受性の違いを代表的 代謝酵素であるcytochromeP450(CYP)の多形性に注目して解析が行われている。。。一塩基多形(SNPs)を遺伝子診断法と結びつけ        て行こうとするもので、薬理ゲノミクスで注目されている多形性が、個人の体質やResponder, nonresponderなど、薬剤感受性を示す ものであれば、漢方の証という概念をも分子レベルで明らかにすることができるのではないか。


4、漢方医学における“証”のプロテオミクス解析;

(富山薬科大学、斉木育夫)、ヒトゲノムの解読とともに、テーラーメード医 療の実現に向けての取り組みがなされている。生体が生来有する体質(遺伝的因子)と環境等によって変化する症候(環境的因子) の組み合わせがなされる。環境因子などの外部因子による病院に加え、表現形に結びついた病態に関連する蛋白質群を検索するプテ オーム解析が有力である。プロテインチップシステムを用いたプロテオーム解析により患者特有のビームを幾つか見出しつつある。 将来は患者データをベース化し、病態や効果発現に関連する分子の網羅的なプロテオームパターン解析も行っている。



筆者一言;漢方でよく証が大切、証を診断する、証に従って治療するといいますが、証とは何かが問題です。この問題にたいして幾 つかのアプローチがあり、今回の学会でも取り上げられました。実際の診療に際して感ずる証と今回取り上げられている考え方には 、まだギャップがあるようです。しかし、東洋医学が、生き残っていくためには遺伝子を含めた現代医学からの研究をもっと必要と していると思われます。




一口メモ

全国でガードレールで「謎の金属片」がいっぱいでてきています。埼玉県や千葉県や長崎県や愛知県などでけが人が出ているようです。 暴走族メンバーによるいたずらか、ガードレールの設置業者が部品を取り忘れたか、悪質な悪戯か・・・。
郡山市でも見つかっていますので、皆さん気をつけて下さい!どこにあるか分かりませんからね。




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