今月の話題〜4月〜



今月は、3月に東京で行われたプライマリー学会セミナー“介護保険制度の見直しと将来展望”から選んでみました。

1)介護保険制度の見直しについて:(厚生労働省老人保健課長、三浦公嗣)、見直しの要点は次のようである。
1)介護保険を受けておられる軽い方についてみると、下肢機能の低下や閉じこもりなどにより生活機能がじわり じわり低下していくいわゆる廃用症候群の割合が大きな割合を占めている。従って、生活機能の低下が軽度である 早い時期からの介護予防サービスを行うことでこの傾向を改善することが可能である。介護予防サービスは、自立 グループと要支援状態のグループで一貫性、連続性のある介護予防システムの確立が必要とされる。申請要介護1を 2つに分けて、介護給付と予防給付にする、この判定は判定委員会でおこない、要支援と要介護の一部が、介護予防 システムに入ることになる。予防給付の内容には、予防型のホームヘルプ、予防型デイサービス、通所リハビリテーシ ョン、予防居宅療養管理指導(栄養改善、口腔ケアなど)が考えられる。
2)食費、居住費に関する介護給付のあり方の 見直し。介護保険の施設に入所、利用されている方は、食費や居住費を、原則として自己負担する。但し、低所得者の負 担については上限を設定する。
3)介護サービスの質の向上適正化。ケアマネージャーの資格施設更新制、介護サービス 業者の指定更新制の導入、事業所情報の開示、代行申請の適正化を行う。
4)地域包括支援センター(仮称)の設置、こ の役目は、総合的な相談窓口機能、介護予防のマネジメント、地域のケアマネジメントの支援などを行うものである。
5) 保険者による円滑な制度運営を実現。
6)被保険者、受給者の範囲について。などが検討項目である。


2)高齢者の尊厳を支えるケアの確立について:(上大類病院、矢島祥吉)、これまで高齢者が培ってきた人生を継続することが重要で、
1)生活の継続性を維持し、
2)可能な限り在宅で暮らすという2つを原則とする。小規模認知症専門棟を開設した経験から、 制度上の最低必要介護職員は10床に4人であるが、この4人で365日24時間、労働基準法を守って行うことは不可能で、実際には9人以上 必要だった。入所者の尊厳を守って行くには、2倍以上の人件費がかかり、常に経営上は赤字であった。多くの見学者の方々が見学し、 お褒めをいただいたが、誰も私たちのような施設を老健施設として建て、運営する人はいなかった。老健施設を利用する者にとって、 負担増だけでなく、医療費においてもその負担増がもとめられている。これからの少子高齢化の社会で、地域に暮らして、その人 の尊厳が守られて、本当に生きてきて良かったと思ってくれるようなケアシステムの実現に向けて、地域住民及び自治体と私たちは 努力していかねばならない。


筆者一言、これからの社会を自分たちが、生きてきて良かった、そして生きている意味、価値を感じながら、生きがいを感じて暮らして 行ける社会にしたいものと思う。




一口メモ

長寿日本一の方が肺炎で病院で亡くなったそうです。114歳・・・。心臓に持病があり入退院を繰り返していたそうです。ゆっくり休んでいただきたいですね。今の国内の最高齢は112歳。

桜ですが、東京は開花して4月中旬には満開のようです。福島県内は四月中旬開花予想です。最近気温差が激しいのでいつ咲くのか気になりますね。

そして桜が散るころは5月の連休。5月2日と6日を休めば10連休となる方が多いので海外旅行の人数は、かなり増えるようですよ。愛知万博もあり国内では東海地方が込み合うかも知れませんね。 とてもリアルなお姉さんロボット・・見てみたいです^−^




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