今月は、毎年一月の第二日曜に行われるメディコピア教育シンポジウム(今年は第25回)より選んでみました。 今年のテーマは、アレルギーと関節リュウマチでした。興味のある題で行われるこのシンポジウムには、毎年出席することにしています。 アレルギー治療の進歩:(帝京大学、真野健二) 筆者が理解出来た範囲でまとめてみます。アレルギーの治療方法として次のようなこと が挙げられています。 @、抗IgE抗体療法;IgEと抗体の結合を抑制してアレルギー反応を抑える。 A、減感作療法;従来は抗原を反応が出ない極少量より始め、抗原の量を増加して行く方法でしたが、抗原を認識するT細胞の認識能力を、ペプチドを投与することにより、抑制 することが出来ることを利用した新しい方法が開発されて来ている。 B、抗サイトカイン法;サイトカインと結合して、サイトカインが細胞について、作用するのを阻止する。リュウマチに試みられているTNFαの阻害薬など。 C、遺伝子療法;リュウマチの関節炎に関与するIL-IRa遺伝子を、培養した本人の滑膜細胞に入れて、それを関節内に注入する方法など。 D、DNAワクチン;抗原の免疫を誘起する遺伝子のみを細胞内に誘導し、抗原を認識させ、免疫反応を起こさせる方法で、マラリアの治療に試みられている。 E、オーダーメイド療法;個人、個人の遺伝子により、一つの薬でもその薬の効果と、副作用に差があるために、遺伝子により療法の選択が可能になる。 筆者一言、医学の進歩の一端に触れることが出来ました。この様なことが、近い将来、我々の日常診療の中にも入って来るのでしょうか? 2、気管支喘息:(昭和大学、足立満)、 わが国の喘息有病率は、成人で3〜4%、小児で7〜8%と報告され、喘息で亡くなる方は4000名弱といわれる。 治療の主役は、吸入ステロイドであり、わが国でも、喘息のガイドラインが示されているが、ヨーロッパの先進諸国に比し、まだ十分ではない。 筆者一言、喘息治療もこれからかとおもわれました。取りあえず発作を抑えることが出来るようにはなってきたのは、さいわいです。 3、花粉症:(独協医科大学、馬場廣太郎)、 花粉症の治療の要点は、初期治療が大切である。初期治療を早めに行うと、完全に抑えることは出来ないが、 重症の方を軽症の方にすることができる。治療方法については、ガイドラインに示された方向である。 筆者一言、今年は、例年になく大量の花粉が舞いそうですが、初期治療が大切で、早めの初期治療で、症状を軽く済ませることが可能とのことです。 4、関節リュウマチ:(聖マリアンナ医科大学、西岡久寿樹)、 あまり本題に触れた講演が少なかったのですが、リュウマチ治療の要点は、関節軟骨の破壊の 防止と滑膜増殖を抑えることである。TNFαを標的とした生物学的製剤や、新しいタイプの治療薬であるレフルノミドの登場で、関節リュウマチの制圧も視野に入ってきた。 筆者一言、リュウマチの制圧、期待する一人です。 そういえば、とても印象に残っていたのですが、受験生のために新幹線が途中停車してましたね^−^ 受験生の乗り間違えですけど・・・ちょっとこのご時世に「運転手さん偉い」と心温まりました。もうあってはいけないことですけどね(笑) |
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