今月の話題〜1月〜



 今月の話題は、2015.10.18に仙台で行われた日本東洋医学会東北支部総会より選んでみました。会津医療センターが出来て 趣が異なって来ています。



  特別講演T、並木隆雄(千葉大学大学院医学研究院和漢診療学)

1) 循環器疾患の漢方治療・最近の話題:高血圧の加療に際しては、レニン活性、アルドステロン、カテコラミン3分画、コーチゾールの検査を行って、 治療を検討する必要がある。黄連解毒湯は血圧は下がらなくとも「のぼせ」等は軽減できた。黄耆はクレアチニンを低下させ、大黄は蛋白尿に効果がある。

2) 伝統医学の標準化と国際化:東洋医学も国際化の中にあり、WHOとISO(世界標準化機構)の中で世界に理解された医学として標準化されようとしています。 中国、韓国など東洋医学が標準化されており、日本は纏まった、標準化された東洋医学でないため、世界に説得できる程度が日本は弱い。日本漢方、日本鍼灸 について世界の標準化の中で努力している。


一般演題

1) SIADH(抗利尿ホルモン過剰分泌症候群)に対して漢方薬と西洋医学を併用した一例:(三上信久、下長内科クリニック)SIADHはアルギニン、バゾプレッシ ン、分泌過剰による希釈性低浸透圧血症、低Na血症になった状態をいう。めまいで加療中の患者で、血清Na113mEq,で加療に五苓散を投与し、改善 した例を経験した。

2) 当帰四逆加呉茱萸生きょう湯により改善した下肢虚血4例:(坪敏仁、他、福島県立医科大学会津医療センター漢方医学講座)血流評価のため使用される近 赤外線を利用したINVOSを用い人工血管再生術後の下肢で、当帰四逆加呉茱萸生きょう湯を投与し検査したところ、健側では変化なく、患肢では10分後か ら上昇し、上昇は6時間以上継続した。INVOSは有用な方法である。

3) 化学療法に伴う末梢神経障害に対する鍼治療〜Ph陽性急性リンパ性白血病の一症例〜:(武田真樹、他、福島県立医科大学会津医療センター漢方医学講座) 82才の女性で、四肢のビリビリしたしびれ異常感の患者で、下肢で太衝穴―足臨泣穴、陰陵泉穴‐太渓穴に2Hz,10分間、上肢では内関―円回内部筋に2H z,10分間通電刺激、37日間、37回行った。症状の改善を認めた。末梢神経障害に針通電療法有効と考えられる。

4) ロコモティブシンドロームと良導絡自律神経調整法:(中屋重行、未来の風岩手せいわ病院)反応良導点に円皮針を留置し、12V、200μAを針で通電し、 良導絡の自律神経調整を行い、良い効果を得た。


筆者一言

 東洋医学会の東北支部学術総会も、大学が参加して来て内容に変化が出てきていますが、地方会の良さで、臨床の場で経験したことを中心に気軽に発表する場と して、必要と思います。今回は、大学ならではの発表と診療所での経験の発表とがあり、興味深く聞けました。日常診療の中で生かしていきたいと思います。今年 も、自分で興味をもって出席した学会、研究会からの話題が多いと思いますが、少しでも、皆さにも興味をもって頂けば幸いです。





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