今月の話題〜10月〜



 今月の話題(2019.10)の話題は2019.5.17~19に京都で、今年はWONCA(世界一般医・家庭医学会)と同時開催となったので、 日本語で行われた数しくない日本プライマリ・ケア学会の中の特別講演のなから選んでみました。                                                                                   



1. 褥瘡を治すと考えるな!〜人生も変えられる褥瘡ケアとは〜:

(滋賀県湖東健康福祉事務所彦根保健所、切手俊広)「瘡は治らない」時代から「治る」時代に進化し、いまでは「予防する」時代になった。 褥瘡の治療も局所ケア中心のケアでなく、栄養管理、体圧分散などの全身管理が重要で、さらに発生の要因となった生活環境を見直すことに 代わって行く。局所のケアは大切であるが、人生まで考慮したケアをトータルで考えることが、これから必要な褥瘡ケアだと考える。


2. 地域包括ケアシステムの基本的考え方と今後の展望―「価値共創モデル」の実現に向けてー:

(兵庫県立大学大学院経営研究科、筒井孝子)わが国では、地域住民が自宅、病因、介護保険施設、社会福祉関連施設のいずれの場においても、 ニーズに応じて、適切なサービス提供が受けられるサービスをモニタリングし、その質に関する情報をサービス利用者・提供者に提供すること で、そのシステムの改善を促す機能が求められるが。この機能の地域差が広がっている状況にあり、この是非が政策的課題となっている。この 解決を目指して、保健医療福祉分野に関わる多用な職種や組織間の協働を示す「臨床的統合」が試みられている。このような状況で21世紀に入 り、「共創的価値」の創出を目的に「価値共創モデル」によるサービス提供のあり方が提供されてきた。地域包括システムの基本的な構造、 考え方、「共創的価値」の創出を目的とした、チェンジマネジメントの工程に関して説明した。


3. 病院総合医に求められる診療スキルとは?:

(広島大学病院総合内科、田妻進)病院を主な診療の場とする総合診療医養成シリーズ企画です。このシリーズでは診療スキルを模擬患者、 ビデオ動画、ライブでも形式で実技指導を行う、2016年の浅草大会からの実施を踏まえ、今回は@USアップデート、Aマイナーエマージェン シー入門、B病棟での不眠・せん妄への対応、転倒予防,誤嚥対策病棟、について専門医からの実技指導を行った。


4. プライマリ・ケアにおける運動器診療プラッシュアップ:

若手総合診療医による“整形内科”の学習・実践:座長:白石義彦(隠岐広域連合立隠岐島前病院、小林只(弘前大学附属病院総合診療部)運 動器疼痛は世界中で有訴率上位の症状です。社会の高齢化に伴い高齢者の日常生活を困難にする運動器疼痛への対応技術は、プライマリ・ケア 医の必須スキルです。手術に依らないで運動器疼痛および難治性疼痛の診療とその研究を行う医学の一分野で、整形内科と言い、アジアを先導 しています。主な特徴は、エコーガイド下注射により即時的治療と原因部位同定を行うこと、およびその悪化因子を疾患から生活動作に渡るま で俯瞰的かつ具体的に検討すること。このシンポジウムで、実際の整形内科で活動されている方々の発表、討論を行った。


5. 「新しい元号って何でしたっけ?」外来診療における認知機能アセスメント:

(やまと在宅し医療所大崎、大倉暢)「新しい元号って何でしたっけ」4月以降、患者さんの認知機能を評価する目的で繰り返して聞いています。 「レイワ」と答えられた方には漢字を書いてもらったり、また答えられなかった方には「令和」と書いて見せて読んでもらったりで、認知機能の 大まかに把握できると感じています。認知機能を評価する上で大切なことは、患者さんにそう思われないようにすることです。時事ネタを使った インホーマルなものから長谷川式簡易知能評価スケールやMMSEなどまで紹介します。


6. 認知機能障害を有する高齢者の高血圧診療について:

診療ガイドラインを読み解く:(大阪大学ぢ亜学院総合内科学、 山本浩一、樂木宏実)認知機能障害を有する高齢者の高血圧診療を考える上で重要なポイントは、

1、認知症患者への高血圧治療は予後を改善させるか?:ガイドラインに示される降圧療法の有効性や高圧目標値の根拠は認知機能正常者の高齢者を対象に行われたもので、エビデンスにはならない。
2.認知症患者への高血圧治療は認知症機能を改善刺させるか?:認知機能改善の観点で認知症患者への降圧療法を勧めるエビデンスは乏しい
3.認知症は高血圧診療に影響を及ぼすのか?:認知症は服薬アドヒアランス等の高血圧診療に大きく影響を及ぼす疾患である。

高血圧学会では「高血圧治療ガイドライン(JSH)2019」を発表する。本発表は上記のポイントを踏まえ、これらの高血圧ガイドラインを、認知機能障害を有する高齢者にどのように生かすかを解説する。




筆者一言:
 今年の日本プライマリケア学会はWONCAの中で行われために日本語の発表は少なく、講演の内容も総論的な話が多く、こんなことが話題になっていたとの話題提供になりました。内容が少ないのですが、 この学会の内容の方向について参考になればと思います。



一口メモ

 ラグビーW杯開催中です。盛り上がっていますね。 日本が強くて見ててわくわくします。放送もルールや反則の説明を表示してくれるので初心者でも分かりやすいと思います。 その中でも、やはり目を引くのはハカです。 ラグビーニュージーランド代表(オールブラックス)などが国際試合前に行うのがとてもかっこいい。 本来はマオリ族の戦士が戦いの前に、手を叩き足を踏み鳴らし自らの力を誇示し、相手を威嚇する舞踊だそうです。 また、試合後にお意義をする他国選手の姿も素敵で見ていて嬉しいです。世界中が仲良しな気がして見ていて気持ちの良い良いスポーツですね。


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