今月の話題~10月~



 今月の話題は、2018年6月2日~3日に大阪で行われた全日本鍼灸学会総会の一般演題より興味のあった演題から選んでみました。 面白い演題が沢山ありました。



1. 冷え性に対する温灸の効果―低温灸と高温灸の比較―:
(明治鍼灸大学鍼灸学部、伊藤和憲)市販されている温灸の温度差により、冷えの改善に違いが見られるかを検討した。主観的な冷えは、高温群・低温群に有意な差はみられなかったが、 冷えと随伴症状に関しては、高温群よりも低温群のほうが改善した。


2. 月経痛及び月経随伴症状の緩和に対するセルフケアの試みー台座球を用いた施灸頻度と時期の検討:
(東京医療専門学校、加藤真二、他)月経関連症状の緩和には全日の施灸が最も寄与できる可能性が示唆された。


3. 線維筋痛症患者に対するセルフケアに対するランダム化比較試験~慢性痛患者に対する新たなアプローチ:
(明治鍼灸大学鍼灸学部、伊藤和憲)セルフケアの内容は、アロマセラピー、森林浴、ヨガ、ツボケア、笑い、運動、痛み教育で、セルフケアを直接指導することで、痛みやQOLの改善が認められた。


4. 非侵襲性微細突起を用いた足底部への持続刺激が睡眠に与える影響:
(森ノ宮医療大学7、大月隆史、他)非侵襲刺激を両側の失眠穴・勇泉穴に貼り、検査し、入眠、睡眠持続が改善した。


5. 太白への鍼刺激が膝関節伸展時の大腿四頭筋筋機能に与える影響 大都との比較;
(健康スタジオキラリ、生田啓記、その他)前に循経取穴を用いた鍼治療として太白への針刺激が大腿四頭筋の中でも内側広筋斜頭の筋機能のみ変化させることを報告した。今回、 内側広筋の筋緊張抑制には大都よりも太白への針刺激が有効であった。


6. 肥満関連遺伝子多型と東洋医学的体質の肥満との関連:
(宝塚医療大学保健医療学部鍼灸学、宮崎潤二、他)肥満と痩せに関する胃熱と脾虚に関する項目と遺伝関連遺伝子ADRβ3、FTO,UCPIの遺伝子型との関連を検討した。ADRβ3の変異 型保有者は胃熱の有無が肥満のリスクに関連する可能性が示唆された。


7. 五十肩により生じた重だるさに対する鍼治療の試み 小・大円筋への鍼治療が有効であった一例:
(平成医療学園鍼灸科、内藤由規、他)五十肩により上肢のだるさが生じた上肢の重だるさが生じた患者に、小円筋・大円筋のトリガーポイント鍼治療が有効であった例を経験した 。拘縮期に陥った肩関節周囲炎に対して障害部位,および支配神経への短期、集中的な鍼治療は有効である。


8. 腰の痛みにたいするツボ押しの効果 痛みの改善と活動量の増加がみられた一例:
(NPO補偉人地域統合医療ネットワーク、鎌田信太郎、他)セルフケアとしてツボ押しを行って痛み軽減した。


9. 変形性膝関節症に対する円皮針貼付付き:
(明治国際医療大学、今枝美和、他)変形膝関節症の疼痛コントロ*ルとして有用である。


10. 後遺症を有する末梢性顔面神経患者にたいする鍼治療の一例:
(東京大学リハビリテーション部鍼灸部門、林健太郎、他)回数1~2回・(113)鍼治療は1回/週、顔面筋上に30ミリ・12号鍼を15分間置鍼で、後遺症軽減し、患者のセルフ ケアの意欲維持、向上に寄与した。


11. 予後上良の重度突発性難聴にたいする鍼治療の経験:
(埼玉医科大学東洋医学科、井畑慎太郎、他)天柱、風池、肩井、翳風に40mm、16号鍼を10分、置鍼で、2回/週行った。会話上能であった状態が、会話可能な状態まで改善した。


12. 無難聴性耳鳴に対する鍼治療の調査:
(神尾記念病院東洋治療室、松澤真、他)刺鍼は、耳部、頚肩腕部に取穴し、セイリンJタイプ1寸1番深度は5~10mm、15分の置鍼。耳鳴症の改善を促す可能性が示された。


13. 耳鼻咽喉科専門病院におけるはり治療 嗅覚障害に対する鍼治療の症例集積:
(神尾記念病院東洋治療室、吊嘉山和成、他)鍼治療は主に顔面頸部の経穴を使用し、針はセイリン30mm、16号、置鍼15分。嗅覚感度を上げた。


14. ウエスト週計に対する鍼通電の効果:
(はりとお灸の研究所、新吊美恵、他)針通電刺激あ8腹哀、大黄中心に行い、針が腹囲の短縮に影響する。


15. 舌尖の灼熱陥に対して鍼治療が有効であった一症例:
(つくば技術大学、田中英男、他)舌の灼熱感に鍼治療を行った。初診時は、両側翳風に置鍼、3診から風池、肩井、天宗への置鍼を追加、6診から聴宮、大迎、頬車、下関、地倉、 オトガイ孔への置鍼を追加した。16診以降改善した。


16. 夜尿症に対する仙骨骨膜刺激による鍼治療の一症例・鍼通電刺激の併用による得気上快感の変化:
(杏鍼灸治療院、高橋正子、他)6歳男子の夜尿症に、左右中髎穴にステンレス針で針通電骨膜刺激を行い、良い効果を得た。


17. 鍼は何に効くのか?:
(大阪医療技術専門学校、柳岡比登美、他)鍼治療のシステマチックレビュウを集めた論文を起点に調査した。変形性膝関節症、腰痛、頸部痛はメガトライアルの結果、効果が確定したといえる。


18. はり・きゅう業の経営実態に関する調査研究:
(筑波技術大学、福島正也、他)全体で、施術料金は3000(2000~4000)、月間患者数 98(35~248)、年間売り上げ324(112~800)万円。鍼灸師の場合は施術料金3500(2800~4500)、月間患者76( 30~157)、年間売り上げ700(300~1345)万円、視聴覚障碍者の場合施術料金3200(3000~4000)、月間患者45( 20~100)、年間売り上げ136(67~300)万円。柔道整復師の場合施術料金1846(1220~3000)、月間患者300( 110~600)、年間売り上げ700(300~1345)万円。




筆者一言:
 鍼灸にも様々な対象疾患病態があり、皆さんが苦労、工夫し、研究しておる状態うかがわれます。それぞれに興味があり参考になります。鍼灸治療の実態も報告されています。



一口メモ

 貴乃花親方の退職。父親も叔父も力士。3横綱1大関を輩出してきた一族が72年ぶりに相撲界に在籍しなくなってしまいました。 今年はスポーツ界での闇というか裏というか、今まで中の人しか知り得なかった事が表面化する年になっています。
オリンピック前に膿を出し切りたいからなのか。それでも一生懸命精進してきたスポーツ選手が被害にあうのは見ていても苦しいです。 内閣もそうですが、権力のある大人が集まるとクリーンな組織にはならないモノなんでしょうか。。。

 今年は今まで以上に異常気象で台風も強くて本州を縦断する回数が増えています。皆さん、命を一番に行動してくださいね。


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