今月の話題〜2月〜



 今月は、2017.7.9に東京で行われた鍼灸学会Tokyo研修会「美顔鍼を科学する」より選んでみました。最近の鍼灸学会で美顔の 鍼治療に関する発表がありますし、 マスコミにも取り上げられることがありますので、今月の話題として取り上げてみました。美顔と針についてご覧になり考えてみて下さい。



1.
「シミ、タルミの発生メカニズムとその評価法」〜皮下組織に着目した最新の抗老化研究を中心に〜: (ポーラ化成工業株式会社肌科学研究部、原田靖子)実感として老化現象として、タルミが40才から64才までトップに挙 げられ、次がシワであった。皮膚の老化の原因には、内因性老化(生理老化)と外因性老化(光老化)がある。内因性老 化には、1)組織の消耗、2)ホルモンバランスの変化、3)蛋白の修飾・AGEsなど、4)エネルギー代謝、5)D NA複製エラー、6)テロミア短縮など、外因性老化には、1)乾燥、2)化学物質による活性酸素、3)日光、物理的 刺激、4)熱刺激など。光老化では、太陽光に含まれる波長の短いUVBは表皮まで達し、Aに比しエネルギーが高くシワ形 成、日焼け(遅延型色素沈着)のもととなり、UVAは波長が長く、低エネルギーで、真皮に達しシワ、タルミ、サンタン( 即時型色素沈着)の基となり、紫外線による老化となる。シワには、1)縮緬シワ(非露光部の皮膚が弛緩して生ずる、 2)線状シワ(目じり、前額にみられる)、3)固形シワ(頚や頬に見られる深いシワ、で、シワは筋の頻繁に動くところ に出来やすい。


@皮膚の動きとシワ、動きによるシワの固着、笑顔で出来る目じりのシワの固着。組織が変性し、張力・弾力が低下し、 繰り返し動くことで変形され、浅いシワが形成され、シワの山部は紫外線によく当たり、皮膚の組織、物性に差が生じ、 シワを深くする。


A皮膚の弾力性とシワの関係:皮膚の構造は、表皮(表皮細胞、色素細胞、基底層)、真皮(線維が細胞、マストセル 、真皮樹状細胞、コラーゲン、弾性繊維、GAGグリコサミノグリカン)から成っている。

皮膚のダメージ
1) 露光によりコラーゲン繊維束構造崩壊し、皮膚弾力性の低下を来す。
2) 弾力繊維のダメージエラスチン異常蓄積、光老化による弾力繊維の変性。
3) 糖化:AGEs(糖化最終産物・Advanced Glycation End-products)の蓄積、加齢とともに増加、露光部に多い。
がシワの形成に関与。

シワの評価法
1) 目視による写真スコア評価(頬上部、頬下部、フェイスライン)
2) レプリカを用いた画像解析(2次元、3次元)
3) 機械を用いた直接測定法

タルミと皮下組織RC(Retinacula cutis)の関係解明:RCの構造変化による組織の支持力の低下によりタルミが起こる。 RCはMRIで可視化することができる。タルミの発生原因
1) 真皮弾力性の低下
2) 脂肪の増加
3) 表情筋の衰え

タルミの評価
1) 形態評価
a) 目視による評価
b) 仰臥位と坐位の写真比較による
c) 三次元計測
2) 物性評価

皮膚弾力性計測
3) 頬、口元、フェイスラインの目視評価

*皮膚のシミ、タルミについてポーラ化成の原田靖子氏の科学的な講演です。このような変化に対して、鍼灸はどのように対応するのでしょうか?



2.
解剖生理学・顔学のアプローチによる美顔鍼:(土門治療院、土門秦)鍼の治療はシワの中には鍼を打たないで、 「黄金比率」を根拠とした仮想の理想顔を想定し、それに向かって施術をする。


3.
2017年6月に東京で行われた鍼灸学会の一般演題の中の美顔に関した演題より1題選んでみました。
 1)美容頭鍼によるサイズダウン効果:(大阪医療技術専門学校、他、山本岳、他)頭部に鍼通電刺激を与えることで顔面部、ウエスト、 ふくろはぎのサイズダウンについてみた。李氏頭皮針頭面区、中焦区、下肢区部位に刺鍼し通電刺激した。顔面部のみでなく全身のサイズダ ウンの効果があることが示された。


筆者一言:
美顔の鍼の話題は、少ないが学会でも発表があり、どのようなものか触れて見ました。一般的ではないようですが、少しづつ行われています。 まずは皮膚の基礎の講演があり、老化を中心の講演で興味あるものです。今回は講演内容を学会事務局より送って頂き、その中から記載してみました。



一口メモ

 雪が多い冬ですね。転ばないように気をつけましょう。転んだ後遺症は怖いそうなので。
話題の仮想通貨ですが、去年は仮想通貨元年と言われていましたが、今年は問題が多くニュースになっていますね。 世界でも通貨なので日本のニュースだけでなくなることは無いでしょうが、今後一般的になるのかどうか気になります。


「今月の話題」バックナンバーへ