今月の話題〜10月〜

癌と針灸


 癌は治るとか、癌に効く薬、癌に効く治療法など、新聞や週刊誌などによく載っていますが、 針灸はどうなのでしょうか? 今年の9月7日に東京で"癌と針灸"というテーマで研究会があ りましたので、その中から今月の話題を選んでみました。全日本針灸学会関東甲信越市部会 主催で行われたものです。主催者によると、針灸医学はQOLに対してかなりの部分で寄与 できるものであり、社会の要求に的確に対応することにより、針灸、針灸師が市民権を得る ものであるとし、癌と針灸についても、癌の治癒機転における針灸の有効性について厳密に 検証すべきであり、癌の末期においては、安楽を得、延命効果を発揮することも多いのでは ないかと、今回の企画がなされたとのことです。

 "癌の自然退縮の最新研究"(浜松医療センター、永田勝太郎);ハイデルベルグ大学でー癌 の自然退縮に関する国際学会―が開催されたが、この領域での大きい伸展は見られていない とのことです。永田先生は癌末期の患者さんで予後6ヵ月と言われた方々に補剤(コエンザイ ムQ10、漢方剤)を投与し、補的心理療法である実存分析療法を行って検討し、実存転換 を果たした方は生存期間が18,4+15,6月と予想以上の有意に延長することができたという。諦 めることのない全人的なケアがガン末期における緩和医療において最も必要である。針灸治 療は、補寫、実存的転換を果たすために有力な方法である。

 "癌と針灸を語るために必要なエビデンス"(筑波医療短期大学、山下 仁);癌に対する針 灸の効果を検討するにたるエビデンスが、まだ蓄積されていない。特に、日本でのエビデン スの報告は少なく、癌と針灸について語るには、もっとデータが必要である。

 "針灸師にもできる悪性疾患の鑑別法"(東京衛生学園、小川 卓良);針灸院で癌を、見逃 してしまうケースは否定できないので、針灸院に来た患者さんはその状態をこまめによくみる ことが大切である。中には、病院で見逃されたのではないかと思われる患者さんに会うことこ ともある。癌の患者さんに針灸の治療で、その苦痛を軽減することは可能です。

 "EBM対職人の技"(神奈川、Blasejewitz Thomas);癌は日本で、最も多い死因である。 その数は夥しく、針灸師が癌に遭遇するかどうかは問題でなく、針灸師は自分の観察から(触 診、視診)臨床経験で得た勘に基ずき、癌の診断、治療の上で役立つものと思われる。

 "当科における悪性腫瘍の実態と針治療効果"(埼玉、広瀬、他);全てが、内科などから 紹介された癌の患者さんで、癌の苦痛に対する治療法として針灸を行ったものである。癌その ものを治すというのではなく、癌による苦痛の治療の一つとして、針灸を使用した。

 針灸学会では、針灸が癌を治す、針灸で癌が治ったというエビデンスは無く、癌による色々 な症状、特に苦痛に対しての効果を認め、検討を進めていると思われました。





一口メモ

10月に入りました。10月というのは、色々と新製品が出る月なんだそうです。
テレビも見れて、DVDもCDも使えて、録画も録画予約も出来てしまう、すべて 揃ったパソコン(しかも全部コードレスだそうです)。ペットロボットのアイボ の新しいもの、デジカメとボイスレコーダーが一緒になったものなど、電化製品店 に行くと楽しい時期ですね^−^
冬(11月?)には、200万画素くらいのデジカメ内臓の携帯電話が どこかのメーカーで出 るって噂も聞きました。

地震が色々な場所で起きていますね。特に北海道は驚きましたね。また大きな地震 があったらと思うと怖いですね。





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