今月の話題〜6月〜



 今月の話題は、今年の4月23日に東京で行われた日本東洋医学会専門制度委員会主催の講演会から選んでみました。 私の印象記ですので、御覧になって下さい。



1. 「傷寒論〜条文の解釈は時代と共に〜」:
(三谷ファミリークリニック、三谷和男)傷寒論は発病から死に至るまでの経過から代表的なパターンを取り上げ、病人に対してどういった薬方を出すべきか 、が簡潔に指示されており、「病は変化する、そして病人も変化する」ことが前提になっている。疾病は、生体の「かたち」と「はたらき」の不調和から発生 するものであり、その変化を人間の体に備わっている自然治癒の働きを踏まえて、様々な病態が表現されている。病人の自力で治ろうとする方向を正しくとら えることが東洋医学の把握であり、漢方薬がそれを援助する手段の一つで、「証にしたがって治療を進める」のが原則です。古典を読むことは、病人に条文を 当てはめることではなく、つねに目の前の病人と治療者との関係を頭におきながら、伸びやかな発想で条文のこころを活かすことです。条文を「変化するもの 」として捉える必要がある。

2. <<金匱要略>>を読む〜雑病の診断と治療法を中心として:
(金子医院、金子幸夫)金匱要略は25編からなる。第一篇は全篇の綱領、雑病の予防、病因、病機、診断、治療原則、予後を論述、第二篇から第十七篇は内科、 第十八篇は外科、第十九篇は、第一篇から十八篇までに分類できない疾患を論述、第二十編から第二十二篇までは産婦人科に疾病、残り三編は古代の医書には古来 の医書に記載された治療法や民間療法について記載されている。肝を中心に講演されたが、理解が難しい内容であった。

3. 医療倫理・医療安全・利益相反(COI)を理解するための基礎知識:
(新潟医療福祉大学、佐藤弘)「日本医学会COI管理ガイドライン」(2017年3月)には、企業退職後5年以内に研究機関に転職した場合には、所属企業名を自 己申告期間を3年間へ、企業組織が提供する研究費は総額が100万円から、年間500万円と変更、「日本医師会 医師の職業倫理指針」には、遺伝子をめぐる問題 が追加された、などについての話であった。

4. 神経疾患の漢方治療:
(自治医科大学地域医療センター東洋医学部門、村松慎一)日本では65歳の以上高齢者が人口の27.5%を占め、65歳以上の3人に1人が認知機能に障害がある。アルツ ハイマー病では、最近、遺伝子治療なども開発されてきているが、当面は対象治療が主体となる。古来、認知機能障害には、遠志を含む加味逍遥散、加味帰脾湯など が使用され、近年、周辺症状、焦燥、興奮、幻覚、不眠などに抑肝散、物忘れしやすい状態、善忘、喜忘、健忘などに抑肝散、黄連解毒湯、当帰芍薬散、補中益気湯 、八味地黄丸、続命湯、釣藤散、加味温胆湯、抑肝散加陳皮半夏など多くの漢方薬が記載されている。パーキンソン病では、L-dopaの効果を増強する川?茶調散、便 秘に麻子仁丸、睡眠行動異常には桂枝加竜骨牡蛎湯が有効なことがある。



筆者一言

漢方の領域も日々変化し、固定した目線でなく見、考え、理解し、診療していくことが大切と思います。古典をいかに理解して、日常診療に役立てて行くか、先達の話を参考に考えて行きたいと思います。



一口メモ

 今年に入り沢山のミサイルを発射している北朝鮮。自民党のあるチームがミサイル落下時に備えたシェルターの新設などを政府に求めた提言案をまとめ、近 く提言として正式決定し政府に提出するそうです。政府関係者は「国民が退避するには膨大な数が必要。非現実的だ」と言っているみたいですけど。 となりの韓国は町の下にシェルター代わりの場所をちゃんと作っているのに、たしかに日本は北朝鮮や中国が近いわりに用意が足りない気がします。 今更ですけど、今対策をしないと!と思いますね。築地移設や学園問題よりシェルターを先になんとかした方が良いんではないかと思う今日この頃です。


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