今月の話題〜5月〜



 今月(2017.5.)の話題は、今年の3月4日に東京で行われた第53回日本東洋心身医学会よりえらんでみました。 漢方医学と心療内科は共通点が多く、興味ある演題が沢山あります。



1. めまいに対する漢方治療:
(東京医療センター平衡覚研究室、五島史行)半夏白朮天麻湯、補中益気湯、五苓散、真武湯の効果を検討した。有意な効果を得た。

2. 起立性調節障害に伴う頭痛・登校困難にたいして漢方が有効だった男児例:
(東京都立神経病院神経小児科、栗原栄二)半夏白朮天麻湯、香蘇散、甘麦大棗湯を投与し、状態の軽減を得た例を経験した。

3. 難治性のPMDDに対する漢方治療の2症例:
(朋祐会札幌産婦人科、 野敬夫)PMDDは水滞と考え、苓桂朮甘湯、当帰、薬散、五苓散、半夏白朮天麻湯などの利水薬を中心とした治療をした。 これらの方剤の組み合わせで7割以上の効果を得た。PMSやPMDDについては?血や気逆などの諸説があるが症例ごとに特異性を見出すことでより 治療効果を高めることが出来る。

4. 香蘇散の応用疾患の多様性:
(岐阜県総合医療センター産婦人科、佐藤泰昌)香蘇散は、蘇葉・香附子・陳皮・甘草・生姜からなり、甘草以外は芳香性を有している。 香蘇散の効果発現には、味ばかりでなく、香りも重要な役割を果たしておると考えられ、有効であった例を経験し、報告した。

5. 歯科心身症に対する柴朴湯の使用経験:
(上越総合病院歯科口腔外科、桑原徹)口腔に異常を訴えるが、それに見合う原因病変を認めない疾患にしばしば遭遇する。口腔内異常感の 背景には、炎症、形態異常などの局所因子、自律神経や内分泌などの全身疾患、精神心理的因子が関与すると考えられ、抗炎症作用のある小 柴胡湯と抗不安作用のある半夏厚朴湯投与し有効であった。

6. 特別講演:?血病態の成り立ちを考える〜心身一如の神経整理学的メカニズムについて:
(千葉中央メディカルセンター和漢薬、寺沢捷年)漢方医学での?血という病態は、精神的にはイライラ感、易怒性や攻撃性、自律神経症状では 上熱下寒、骨格筋の異常緊張としての筋肉痛、腰痛、肩こり、緊張性頭痛、成熟した女性では月経周期の乱れ、月経前緊張症などを呈する複合的 症状から構成される。今回は、?血に関した話から、寺沢先生の?血病態の診断に役立つ腹部の圧痛点や胸脇苦満に関した“寺沢のツボ”などを 含め講演された。

7. シンポジウムから:臨床に活かす解決志向プリーフセラピー:
(岡クリニック、岡留美子)このセラピーの特徴は、症状あるいは問題が発生した時に、その原因探しをせずに、直接解決構築を目指す。「どうな りたいのか?」「あなたの望む未来は?」に焦点を絞り対話を進めていく治療法である。「WhyでなくHow」「あなたはどうしたいですか? 」「少しでも楽しいことを考える」など患者の持つ解決する力をどう引き出していくかが大切である。

8. いわゆる気象病における五苓散の役割:
(まきメンタルクリニック、西崎真紀)気象病は、外部環境の急激な変化により自律神経のバランスが崩れるために起こる体調不良の総称で、頭痛、 めまい、嘔気、関節痛、全身兼会館などの症状を示す。これらの症状は水毒の状態に認めるため、五苓散を投与し、有効であった。頓用も効果あり、 リピーターは90%であった。

9. パニック障害合併症妊婦への半夏厚朴湯の臨床効果:
(国際医療研究センター心療内科、他、星野隆之、他)パニック障害は突然の強い不安感と自律神経症状(動悸、頻脈、呼吸困難、発汗、息切れ、 腹部症状など)によるパニック発作を繰り返すことを主症状します。妊娠中のためSSRIを避け、半夏厚朴湯を投与し有用であった。発作時の頓 用も有効であった。



筆者一言

漢方医学と心身治療は、心身一如の治療体系で、共通点が多く、今回の研究会でも、沢山の興味ある発表がありました。今回取り上げた発表の一つ一つが日常の診療に大変参考になります。



一口メモ

 暖かくなりましたね。せっかく暖かくても黄砂が飛んできていたり花粉が飛んでいたり、窓を開けっ放しにして〜とはなかなか いかなくて残念です。

 いつも配送業者の方が町中を駆け回っているのを見ます。大変ですよね。私も配送頼みますが、不在で受け取れないこともあり申し訳ないなと思うことも 度々です。そんな中、最近はヤマト運輸×Amazonの宅配事業に関する契約で問題視されてますね。これから更にネットショッピングは増えるでしょう。 確かに当日宅配も便利ですが、配達する方は大変ですし当日配送撤退も配送料値上げも仕方ないなと思いました。
一家に一個、マンションなどにも宅配ボックス完備になれば問題は減る気もしますけど、防犯の問題もあるんでしょうか。。。


「今月の話題」バックナンバーへ