今月の話題〜3月〜



 今月の話題は平成28年1月10に東京で行われた第36回メディコピア講演シンポジウム“がん診療はこう変わった” の後半「治療の進歩」より選んでみました。がんが全て治るわけではありませんが、現状についての講演でした。




1.
内視鏡治療の進歩・消化管の早期がん治療;(慶應義塾大学医学部腫瘍センター、矢作直久)内視鏡技術の進歩 により早期がんも診断されるようになり従来スネアを用いた内視鏡的粘膜切除術(EMR)から高周波を用いた内視鏡的粘膜下層剥 離術(ESD)へとシフトしてきた。リンパ節転移のリスクがなければ10cmを超える大型の病変でも治療可となっている。ESD による治療は胃のみならず食道、大腸においても普及してきている。リンパ節転移の危険性が在る腫瘍に対しては、腹腔鏡ある いは開腹による胃切除とリンパ節廓清、転移リスクがあまり高くない場合はセンチネルリンパ節廓清+内視鏡と腹腔鏡による手 術が試みられる。

2.
大腸がんに対する腹腔鏡手術、ロボット手術;(東京大学医学系腫瘍外科学 血管外科学、渡辺聡明)1990年 代から腹腔鏡手術が行われるようになってきた。傷が小さく、出血量も少なく普及が進んでいる。ロボット手術では、手ぶれ防 止機構や多関節の鉗子を用いるため腹腔鏡手術より精緻で安定したが可能で、特に狭い骨盤内の直腸がんの手術に期待される。

3.
消化管がんに対する重粒子線治療の現状と展望;(放射線医学総合研究所重粒子線治療センター、山田 滋) 重粒子線は加速器を用いて固形がんに治療を行う。1)線量分布が優れており、がん細胞を狙い撃ちできる、2)生物学的効果 が高い。放射線抵抗性である腺がんや肉腫にも有効。肝臓がん、膵がん、直腸がんに良好な結果である。

4.
緩和医療のこれから;(帝京大学医学部緩和医療学、有賀悦子)緩和ケアの根底にあるのは治療の進歩による 長期生存を支える共生―療養生活の質の維持向上である。緩和ケアのタスクには痛みなどの症状緩和に加え、advance care pla nning(将来のケアについて話し合うこと)がもとめられ、shared decision making(共に決めていく)ことが必要である。



筆者一言
 がんの最近の治療について話題に取り上げられました。概略ですが最近のがん治療の一端が述べられています。日進月歩で、 内視鏡治療からロボット手術と私が麻酔科医として病院に居た頃と雲泥の差です。様々な放射線を使用した治療も可能となって 来ています。患者さんのために望ましいい方向と思います。我々医師も、一般の方々も医療の発展についての幅広い知識が必要 な時代ですね。テレビ放送でも色々と取り上げてられていますのもよい方向なのでしょうか。緩和ケアについても触れられてい ます。




一口メモ

 ペット販売から撤退し、殺処分待ちとなっている犬を紹介する「里親さがし」というサービスを始めたペットショップがあるそうです。 まだ小さいうちから狭いショーケースに閉じ込めて見世物にして、もし売れなかったら処分の対象にしてしまう。 よくよく考えると確かに違和感ですね。

 この問題について海外ではすでに先進的な取り組みがなされ、法律でペットショップを許可制にする、子犬を商品にしない、 保護施設からの紹介を優先するなど、様々な工夫が施されているそうです。 言われて気づかされました。日本も変わっていく先駆けになるでしょう。

chouchou(シュシュ)岡山店応援しています。


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