今月の話題〜2月〜



 今月の話題は、平成28年1月10日に東京で行われた第36回メディコピア講演会“がん診療はこう変わった”から 選んでみました。毎年新年に行われており楽しみにしておる講演会で、医療関係者が中心ですが、一般の方も参加しています。




1.
画像診断の進歩:PET/CTも含めて;(筑波大学放射線診断、南 学)がん診療に画像診断は なくてはならないもので、画像はデジタルかされており、保存、参照、異なる検査の画像と重ねたり、三次元処理を 加えて新しい情報を引き出すことも可能となってきている。治療前のがんの診断(スクリーニング)、治療(画像ガ イド)、治療後の効果判定、合併症診断に使用されるが、全てが可能ではないので、均一化された診断精度の情報を 引き出し、患者さんの診療に役立てる必要がある。

2.
腫瘍マーカーの役割、偽陰性/偽陽性も含めて;(浜松医科大学臨床検査学、前川真人)腫瘍マー カーには、AFP,CEA、CA19-9、PSAなど、健康保険適用されておるもの約40個ある。検診などマススクリーニングに は不向きで、早期発見に有用なものは少ない。腫瘍マーカーは検査の入り口で、確定というゴールではない。腫瘍DNA の測定など新しい検査も試みられている。

3.
コンパニオン診断に基づくがんの分子標的療法;東京医科大学血液内科、大屋敷一馬)分子標的薬剤 の開発によりがん治療が大きく進歩しており、患者さんの分子異常を的確に診断し、的確に分子標的薬の選択を行う分 子標的療法が行われつつある。個人の薬剤にたいする反応性や副作用発現の状態を把握することが大切で、個別化医療 で、分子標的療法の作用を最大限に引き出しつつ副作用を最小限にするための診断手法が開発されてきている。がん細 胞のmiRNAのチェック診断が加療と結びついて来ている。

4.
がんになっても幸せを感じられる社会に;日本テレビ記者/NPO法人maggie’stokyo;鈴木美穂)24才で 乳がんが見つかり手術を受け、後療法もうけた。自分の乳がん発見からのどう感じ、考え現在どうしておるかについての 話でした。始めは当然来ると思っていた未来が一切突然描けなくなったことがつらかった。幸い手術後職場に復帰してか ら若くしてがんに罹患した方々とのグループを作り、そして、今はがん患者を応援するイギリス発のmaggie’stokyoを立 ち上げて、今年1月16日には江東区豊洲エリアに着工です。



筆者一言
 今回の話題は、がんの新しい側面について、総論的にまとめたものです。画像診断も長足の進歩ですし、がんマーカーも 進歩してきていますが現状はどうかについての話です。これからの進歩に期待し、情報を見ながら患者さんのためになるよ うにして行きたいと思います。最後の鈴木美穂さんの話は心に沁みました。
今年は更に良い年にして行きたいですね。




一口メモ

 安倍総理もおっしゃっていましたが、かつてのヒーロー逮捕は残念。
人気アーティストASKAに続き、今度は元プロ野球選手清原さん逮捕のニュース。 清原さんは1年半も警察にマークされていたそうですね。 子供に夢を与えていたはずの皆さんが何故なんでしょうか。
危険ドラッグも街に注意ポスター増えていて蔓延しているようですし。危険な誘惑には 乗らないように、しっかり自分を持ちましょう。


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