今月の話題〜11月〜



 今月の話題は、先月(10月)と同じ第6回日本プライマリーケア連合学会の一般演題の後半から選んでみました。 興味のある演題があります。適宜取捨選択し参考にして行きたいと思います。




1.
 一人の医師のみが継続して診療し続けることの功罪:(福岡徳洲会病院内科、松本修一、他)81才の女性で高血圧 の治療にクロロチアジドを投与していた。血液検査でカルシウム10.9mg/dl,クレアチニン3.11mg/dlと腎不全の状態 であった。クロロジアジドによる腎前性腎不全と考えクロロチアジドの投与を中止したところ血清カルシウムは低下 し、状態も回復した。


2.
 在宅支援診療所で初めて取り組んだ遺族会:(群馬医療生協協同組合前橋協立診療所、関根有紗、他)一年間に亡 くなった60名に郵便で連絡し、第一回は遺族6名、訪問看護師、職員の計9名が参加、二回目は遺族15名、職員 の計22名が集まった。お互いの話と、他者との交流で遺族は元気を貰い、職員は仕事に対する意欲が高まった。


3.
 地方と都市部の在宅医療の違いの考察:(船橋二和病院、亀田ファミリークリニック、渡邉裕登、他)船橋市の南浜 診療所と館山市の亀田ファミリークリニックで比較した。主病名は船橋で脳血管障害21%、館山は循環器疾患が25 %と多かった。船橋市では独居の割合が12%、同居家族3人以上が34%であった。館山では独居が12%、同居家 族3人以上が55%であった。介護、医療サービスに地域差を考慮する必要がある。


4.
 私達は遊走腎を以外と見逃しているのかもしれない:(西伊豆病院、吉田英人、他)遊走腎は臥位から立位になるこ とで5cm以上もしくは2椎体下垂する状態である。急性腹症に似た症状を呈し、遊走腎が原因であった症例を経験し、 若い女性で原因不明の腹痛、腰痛を繰り返す場合、遊走腎も考える必要がある。


5.
 下肢浮腫診療のピットフォール 誘因なく下肢血腫を来した1例:(府中病院、戒野和之、他)下肢血腫に付随した 下肢浮腫の症例を経験した。下肢血腫は外傷に伴うもの、誘因不明な皮下深部解離性血腫、慢性緊張性血腫、Baker 嚢 胞内出血が考えられる。この例は皮膚や皮下組織の脆弱化によるものと思われた。


6.
 古くて新しいミルク・アルカリ症候群:(市立旭川病院、鈴木聡、鈴木啓子)70才の女性で、血清Ca17.8、Cr3.21de あった。骨粗鬆症に対する薬物療法、市販のCa剤の服用が原因と考えられ、今後の高齢化社会でこのような症例の増加が 増加する可能性がある。


7.
 メトホルミンの盲点:旅行先の大量飲酒を契機に乳酸アシドーシスを発症した一例:(西伊豆病院、野野上智、他) 旅先の大量飲酒の後で、全身倦怠、嘔気、嘔吐来した。乳酸108mg/dl(3.3~14.9)と上昇していた。ビタミンB1、加温、 補液で治療。メトホルミン内服で消化器症状があるときには乳酸アシドーシスを考える必要がある。


8.
 当院における胃瘻造設症例の検討:(岩手県立厩病院、吉田徹、他)2009年2月から2014年12月まで当院で行った 胃瘻増設202例につて検討した。女性114名、男性88名、平均年齢83.5才。造設ご一か月以内の死亡10例、1 000日以上生存が12例であった。早期死亡の原疾患は、肺炎5例、脳梗塞2例、ガン末期2例、認知症1例であった。 PEG造設時には、生命予後を十分に検討すべきである。


9.
 がん患者は夜、亡くなるのか?:(静岡済生会病院緩和医療科、須賀昭彦)総死亡87名の中、深夜帯36名、日勤 帯22名、準夜帯29名で時間帯による差はなかった。



筆者一言
 一般演題の中には、通常、常識と思っていることや、知っておる積りで、誤解しておることが多々あることを知らさ れます。今回取り上げた演題もそのようなことが含まれております。再確認と知識を新たにしています。




一口メモ

体操の世界選手権、男子の鉄棒で内村航平選手が優勝!
団体、個人総合と合わせて今大会3つ目の金メダルを獲得しました☆
団体の鉄棒で内村選手が落ちた時はヒヤヒヤしましたけど、みんなが精一杯挑んだチームのメダルですからね。 さすがの白井健三選手も、ゆかで金メダルを獲得! ここ数年、日本のスポーツ界は凄い飛躍です。応援しましょう!


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