今月の話題〜9月〜



 今月の話題は、2015.6.13〜6.14と筑波で行われた日本プライマリーケア 連合学会より選んでみました。この学会はプライマリーケアに関する巾広 い分野を検討しております。今月は、その中でも今話題の総合合診療 医について取り上げてみました。




1.
 会長講演:人々の暮らしを支える医療人の育成:(筑波大学地域医療教育学、前野哲博) 総合診療医は「地域を診る医師」として、「病気を治す」だけでなく、「健康を守る」とい う視点から、患者だけでなく家族も、病人だけでなく健康な人も、治療だけでなく暮らしも、 あらゆる健康問題に対応できる能力を備え、関係する職種、地域社会と連携しながら地域の現 場で活躍することが求められる。健康に関するあらゆる職種がチームとして、既存の枠組みを 超えて、一致団結して「総力戦」地域を守っていくことが求められる。


2.
 シンポジウム1:大学病院における総合診療医の役割:(順天堂大学総合診療科、内藤俊夫) 患者側のニーズに応じた全人的ないし包括的医療の視点から最適と思われる医療を選択し提供す る。外来診療では、内科系疾患の初診や受診診療科に迷う患者の初期診療に当たるほか、複数疾 患・慢性疾患を有し包括的に診療することが適当と思われる疾患を対象としている。入院診療 では、特定の診療科を決めかね、かつ外来では対処困難な病態、の診療に当たっている。初期 研修医の指導、離島における地域医療研修も行っている。


3.
 シンポジウム1:地方都市中規模地域基幹病院における専門医制度:医師不足・医師偏在を克 服する鍵は病院総合医にあり?:(市立福知山病院研究研修センター、川島篤志)院内の診療体 制を検討し、1)臓器別専門医の負担軽減、2)守備範囲の広い診療、3)臨床現場における医 学教育、4)地域診療所との窓口、を役割とする総合診療科を2008年に新設し、総合内科医、 臓器別専門医、研修医の三者のバランスのもと、地域基幹病院として診療している。医療機関、 地域に求められる総合病院医の存在が求められており、研修施設であることが重要である。


4.
 シンポジウム2:ケア看護師、高度看護師、特定看護師、プライマリケア看護師についての報告があった。


5.
 家庭医が制度として行われている英国の研修、見学の報告
1)「英国家庭医委の診療の質担保への取り組み」:(飯塚病院、新道悠)2012年からGP(家庭医) を含め、全ての専門医がGeneral Medical Councilにより5年毎のRevalidation(再評価?)と呼ばれる専門医 の免許更新を求められ、GP(家庭医)は毎年、Annual Appraisalという自身診療に対する定期的な振り返り を纏めて、評価を受ける。

2)英国家庭医の「働き方」:(亀田ファミリークリニック館山、氏川知皓)英国ではNational Health Se rviceが医療制度を一元管理している。Nurse Practionerが独自に診療を行い、処方を行い、気管支喘息の管 理、小手術も行うなど特定の技術に合った診療を行うことができる。医師も状況に合わせて、電話対応で、診 察、処方ができる。慢性疾患、軽症疾患では対面診察がなくとも対応が可能である。代理医や時間外勤務医 といった臨時雇用制度もNational Health Serviceのシステムの中で確率しており、勤務体系を臨機応変に変 えることができる。家庭医以外の業務、育児、海外活動など、様々な時間の使い方が可能である。日本は常勤 を主流とする勤務体系である。

3)英国家庭医の医療面接〜ビデオレビユーを中心に〜:):(長崎医療サンター総合診療科、原田直樹、他) 医療面接の向上のため、自信の日常診療のビデオ撮影し、指導医と共に見直す。指導医も年に一回は、ビデオレ ビユウを受ける。

4)英国の診療所でみた家庭医の役割:(国保和良村診療所、栗本美緒)英国では、全ての国民が各々の家庭 医医療診療所に登録されており、緊急性の高い場合を除き、まずその診療所を受診する。家庭医はあらゆる健 康問題の最初の接点となる存在であり、継続的にかかわって行く存在である。訪問したロンドンの診療所では 、11人の家庭医と1人の後期研修医が地域14000人(約)の診療にあたっていた。



筆者一言
 これから日本も総合医、家庭医制度を取り入れて行こうしておりますが、日本の専門を含めた、自由開業医制度から どのようにして移行して行くのでしょうか?病院総合医、家庭医、離島診療所医と研修内容にも相違があるようですし、 日本は国民皆保険で、受診自由選択という制度ですので、相当程度、医療側にも、患者側にも変革が必要と思われます。 今回イギリスの家庭医制度について取り上げましたが、医師にとっても、患者にとっても相当に窮屈に感じられます。




一口メモ

2020年東京五輪・パラリンピックの大会エンブレムが白紙撤回されました。 もう広告などにもしようされてるのに今更?ですよね。
デザインがあふれている中、少しも似ていない新しいものを生み出す方が不可能なんじゃないかと 思ってしまいます。
デザインした方が真似た等のことが本当にあったとしても、それを見抜いて採用するための審査。 審査が手抜きだったのではないかとしか言いようがありません。
ひとつ疎かにした結果、色々なところでやり直し。そして無駄費用。審査というのだから、しっかり していただきたいものです。


「今月の話題」バックナンバーへ