今月の話題〜2月〜

 今月の話題は今年の1月11日に東京で行われたメディコピアシンポジウム「転換期の高齢者医療」より選んでみました。(2015.1.11.)





1. 超高齢社会における医療の課題と展望:(東京大学高齢社会総合研究機構、辻哲夫)世界に類を見ない超高齢社会が日本で進行しておる。 今後の医療は、治すことを主眼とした{病院医療}に加えて、「在宅医療を含む地域包括ケア」への展開が課題となってきておる。現在、柏プロジェクト として、UR豊四季団地で、地域包括ケアをめざすモデルシステムの導入に取り組んでいる。日本では2025年には、75才以上が25%を越し、一人 家庭が40%、夫婦2人が30%、他の家族と一緒が30%となる。包括ケアは、生活支援、介護、社会生活、医療、介護が組み合わせた形である。現在 も、介護施設では、六人一部屋よりも一人一部屋で、自分の生活の場があり、皆と一緒になる食事等の場のある生活をする場合が、生き生きとした生活を 送れている。

2. 介護予防におけるフレイル、サルコペニアの意義:(国立長寿医療研究センター、荒井秀典)フレイルとは、加齢に伴う様々な機能変化 や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態をいう。フレイルでは、体重減少、筋力低下、歩行速度低下(0.8m/秒以下)、心肺機 能低下、握力低下(男30kg以下)、女(20kg以下)、で、一次性(加齢)、二次性(疾患、糖尿病、心肺疾患など)がある。予防に筋トレをすると6か月 で1%筋肉増量し、筋トレと栄養を加えると3か月で筋肉が5%増量した。介護を要する状態の誘因の三主因は、1)脳血管障害、2)認知症、3)骨関 節疾患、である。

3. 高齢者に対する治療の考え方:(東京大学加齢医学、秋下雅弘)高齢者では、加齢に伴う加齢変化や多病由来のため、薬物有害事象をお 越し易い。多剤服用による薬物相互作用と有害事象の危険を減らすためにも、処方箋を最低限にすべきである。高齢者では多疾患に由来し、根本治の難し い疾患が中心となる。

4. 特別発言 メディアから:(読売新聞本社調査研究部、南砂)1961年に国民皆保険制度が取り入れられ、「世界で最も医療にかかりやす い」を実現した。フランスでは約100年、ドイツで約47年を要した超高齢化社会を日本は25年で達成し、医療の在り方をめぐる国民の意識転換も不可欠 となっている。高齢者の医療費の抑制が政策上の大命題となったが、高齢者の医療のあるべき姿が置き去りにされた印象は避けられない。





筆者一言
2025年には、75才以上が25%を越し、一人家庭が40%、夫婦二人が30%、他の家族と一緒が30%という構成になると統計がでています。 この現実をどのように受け止めて、皆が健康に過ごして行くことが出来るのでしょうか?國だけでなく、個人個人が真剣に考え、そして、実行して行 くことが、早急に必要です。皆さんは、如何ですか。今回はこの問題についての話題を選んでみました。考えて、実行して行きましょう。




一口メモ

イスラム国ニュースに驚きを隠せないこの頃です。
テロリストたちを決して許さない。その罪を償わせると首相は言いました。
そしてイスラム国が「日本の悪夢が始まる」と宣言しました。
復讐が復讐を呼ぶ。
虐殺をする国、空爆をする国、奪い取る国、防衛する国。
報復が報復を呼ぶ。

奴隷制導入や処刑による恐怖統治で住民に問答無用の服従を強いていたり、 子どもに殺害シーンなどのビデオを見せて軍事訓練などで戦闘員として育てようとしたり。 そんな環境を今更誰が変えられるのか。。。

この世界に広がる復讐の連鎖は大きすぎて断ち切れないのではないでしょうか。
出来ることは、あるんでしょうか。




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