今月の話題〜12月〜



 今月(2014.12.)は今年の5月に松山で行われた全日本鍼灸学会 の一般演題より興味ある演題を選んでみました。鍼灸学会の一般演題は多 彩ですが、最近は鍼灸大学が出来て、内容は現代科学の考え方を基盤に理 解、考えることが多くなって来ています。その一端に触れられるかと思い ます。


1. 眼瞼痙攣にたいして鍼灸治療を行った一例:(富山大学大学院 医学薬学教育部、三島怜、他)東方会式接触鍼及び 単刺、置鍼を用いた。改善を認め、治療法の一つとなる可能性がある。脾を補うことで全体の調整が可能である。

2. メニエール病に伴う耳鳴と耳閉塞感に対する鍼治療の一症例:(明治国際医療大学、鶴浩幸、他)肝腎虚証の患者、 慈陰肝腎として、太衝、大渓、腹溜、三陰交、圧迫にて耳鳴が変化した耳門,聴宮、翳風、循経取穴として、合谷、手三里、背の腎兪、 肩の肩井、肩外兪、肩中兪、肺兪に鍼刺、7か月で25回の治療で効果があった。

3. 咽頭痛に対して少商穴を使用した3症例(清野鍼灸整骨院、清野遥香、他)咽頭痛の治療に少商穴に施灸で効果を得た。

4. 舌の感覚異常に対して聚泉穴を用いた鍼治療1症例:(大阪大学歯学部歯科麻酔科、酒井浩司、他)聚泉、玉液に置鍼 し、下関―翳風、顴膠―廉泉に1.5.Hzの刺激を行った。この奇穴を用いた治療が有効であった。

5. 症例集積から見た耳鳴に対する鍼治療の効果:(明治東洋医学院専門学校、安藤文紀)30例について週一回で、5回 鍼治療を行い検討した。完骨、翳風など患側周辺の取穴、圧迫により耳鳴の変化する反応点、全身調整として、太衝、大鐘、三陰交、内 関、肝兪、脾兪、腎兪などに置鍼した。18例に効果を認めた。運動や圧迫などで変化する耳鳴に効果がよあかった。

6. 一般女性と施術者の双方からみた「美容鍼灸」の現状:(履正社医療スポーツ専門学校、西村理恵、他)20才〜65 才女性(関西在住)の女性、227名、施術者120名からアンケート調査で、美容効果については、一般女性と施術者では大きな差異 がみとめられ、施術者の過剰評価の傾向が示された。

7. 腰痛に対する前胸部の円皮針による治療:(札幌産科婦人科、佐野敬夫)陰極太極鍼法を応用し、腰痛部位の対側の前 胸部に触診又はノイロメーターで取穴し、円皮針を貼付した。30例で、著効22例、有効7例、無効1例4であった。

8. 知覚麻痺に対する口腔内刺鍼の試み:(大阪大学歯学部歯科麻酔科、高畑沙世、他)口腔内には中国の奇経、ドイツの ヨハン・グレヂッチによるマイクロシステムなどあるとされている。口腔内、口周辺の麻痺に口腔内刺鍼の効果をみた。麻痺、違和感の 改善効果がみられた。

9. 百会穴の毫鍼刺激または?鍼刺激が視力と眼疲労に及ぼす影響:(明治国際医療大学付属鍼灸センター、皇甫泰明、 他)毫鍼を百会に10分間置鍼、?鍼で百会10分間圧迫で刺激した。視力の向上と眼疲労の改善がみられた。

10. 耳穴のリフトアップ効果について:(明治東洋医学院専門学校、高野道代、他)美容効果を目的にせて耳鍼を行った。 本鍼と偽鍼と行った、5日間貼付し効果をみた。本鍼、偽鍼ともに、初回ではしわが浅くなるなど良い効果が85%にみられたが、回 数が多くなると少しずつ効果が減弱した。鍼を外して、2日で効果が本鍼で33%、偽鍼で37%に認めた。

*中国鍼の検討、鍼と感染、鍼の作用機序、認知症と鍼など多彩な報告がなされていた。


筆者一言
 耳鳴、めまいや舌痛症などの舌の愁訴日常診療で難治のことが多く苦労していまので、今回はその辺の演題を選んでみました。 実際には難しいようですので、これからもいろいろな報告を参考にして治療してみたいと思います。美容鍼については、マスコミ でも時々見かけますが、今回、二つの演題を選んでみましたが、これから客観的に、本当に効果があるかどうか検討して行くとこ ろのようです。




一口メモ

 羽生結弦選手を指導するブライアン氏が中国杯フリーの直前練習で中国選手と激突して負傷しながら強行出場した羽生選手の心情を 「チャンピオンになるタイプの選手は自分が競うことができると感じれば絶対に出る。トップアスリートはそういう性質だ」と 言っていました。
『落馬しても馬に乗る』ことが大事ということらしいです。
羽生結弦の精神力の強さと尽きない勝利への欲求は凄い!
18年平昌五輪での連覇期待してます。



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