今月の話題〜9月〜



 今月の話題は、2014.6.27.〜29.にかけて東京で行われた
日本東洋医学会総会から選んでみました。漢方の日本漢方とは?科学と漢方は? 心と漢方?漢方の国際化?など話題は豊富です。今回は特別講演を中心に興味のあったところを選んでみました。 。


特別講演

1.  それは祈りから始まった:(東京女子医大、岩田誠)現在ヒトの営みとして全く独立した三つのもの、 医療、芸術、宗教は、本来、単一の行動、すなわち癒しを願う祈りというものだったのではないか。旧人と異なり、 われわれ新人は言語能力を獲得し、個々の脳の能力を社会的に結びつけた巨大な情報ネットワークを形成することが できた。このようなネットワークの形成が、集団の絆を強めるために「祈り」という行動を始めた。祈りこそが、医 療、芸術、宗教といったヒト高度な精神活動の源泉だったのではないか。

2.  科学の彼方にあるもの 宗教の存在意義:(上智大学神学部、島薗進)現在、医療や対人ケアの領域で は、科学的知識な知や思考では及ばない領域の重要性が認識されるようになってきた。科学的知識による医師の役割 は限定的で、スピリッチュアリティによるスタッフの働きが重要だと考えられる。ヒトはそれぞれの人生の中から自 らにふさわしいスピリッチュアリティにそったケアを必要としていると考えられている。日本では、キリスト教、仏 教、神道や民族宗教の知識が必要とされ、ケアについての哲学、心理学、社会学等の素養も必要とされる。

教育講演

1.  米国における補完代替医療の現状:(日本薬科大学、安西英雄)補完代替医療(CAM)はアメリカの医療 の中に浸透して来ている。北米の全医学部の三分の一が統合医学の推進を目指すコンソーシアムに加盟している。一 般病院でのCAMはマッサージ療法、鍼灸、ペット療法、イメージ療法、瞑想、リラックス療法、心理カウンセリン グ、食事・栄養相談など多様である。約60の鍼灸大学があり、約1万2千人の現役鍼灸師がおる。健康保険でも一 部カバーされている。アメリカは疾患を予防して医療費を抑制したいという医療経済的養成がある。

1.  漢方薬は自然炎症制御薬となりうるか?〜DAMPsコントローラーとしての漢方〜:鹿児島大学医・ 歯学部検査部、大山陽子)生活習慣病の中で、体内に形成される物質(尿酸結晶など)は炎症を惹起することが知られる。 これらの炎症を引き起こす一連の物質はDAMPs(damage associated molecular patterns)と呼ばれ、その継続的な 刺激によってひきおこされる慢性的炎症が蓄積されと不可逆的な組織ダメージにより最終的に臓器障害をも起こし得る。 漢方薬で水毒の薬であす五苓散の自然炎症制御機構について興味あるデータが得られつつある。

シンポジウム「症例から見る日本漢方と中医理論の接点」

1.  “症例から見る日本漢方と中医理論の接点”について:(東洋堂土方医院、土方康世)治療に際し、方証相対、 随症療法で処方し、奏功しない時は、中医弁証論冶、陰陽五行論などを駆使して治療法を決定している。

2.  症例から考える日本漢方と中医学の接点:(日本医科大学東洋医学科、菅沼栄)日本漢方は方証相対・随証治療、 中医学は整体観・弁証論冶である。日本漢方で方証相対・随証治療の効果と即効性を実感するが、効果の現れない時は、中医 学の存在が必要で、中医の弁証論冶で臨床効果を高めることが出来る。


筆者一言
 今回は東洋医学について、日本国内での捉え方の一つが感じられますのでその面から選んでみました。 漢方が医学の一つである限り、現代の科学からの検証、裏付けが必要ですし、避けることは出来ません。 ヒトは心が肉体にも多大の影響を及ぼしますので、宗教、哲学的考えが医学に欠くことの出来ないもので あると思います。今回選んだ演題にありますように漢方は科学的な検討、裏付けもされて来ていますし、 アメリカを含め国際的にも評価され、利用されて来ています。日本漢方と中医学、韓医学を総合した真の 東洋医学は日本から発信、日本での形成がされるのではないでしょうか?期待しています。




一口メモ

 テニスの全米オープン、世界ランク1位のN・ジョコビッチに錦織さん勝ちました!
同時に日本勢初の決勝進出を果たす快挙です!
右足親指の手術により全米オープン出場も危ぶまれた錦織さんの快進撃。素晴らしいかったです。 セットカウント3−1で勝利した錦織は『運』を引き寄せた。なんて言われてますが、今回4時間の試合などを 勝ち進んできた彼の体力と精神力は凄いですよね。決勝戦も楽しみです!



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