今月の話題〜4月〜



 今月は、3月1日に東京で行われた第50回日本東洋心身医学研究会より選んでみました。東洋医学を現代医学の 心身医療の面からその作用機序から新しい考え方、臨床使用の方法などが発表され興味ある研究会です。



*特別講演

Why image pain:(University Oxford ,Irene Tracey)過去10年で「pain imaging」の領域で、機能的、構造的および化学的な視点から 中枢神経系を探索するために用いられている。血液酸素レベル依存(ボールド効果)(BOLD)、機能的磁気共鳴画像法(FMRI)血液スピンラ ベリング(ASL)定量的潅流イメージング、陽電子放出断層撮影(PET)などの出現で、脳はと脳磁図の実現が可能となった。痛みの経験に不 安、抑うつ、注意、中枢神経といった要因が脳レベルで機構的な影響を及ぼすことが示唆されている。

筆者一言:痛みや痛みに伴う不安、抑うつ、注意などが脳の構図として見ることが出来るという時代です。


*会長講演

 脳腸相関の新展開と東洋医学:(東北大学心療内科、福士審)脳と腸は機能的な繋がりがある。脳は腸の働きに影響し、 腸の炎症、循環、機能は脳の機能に影響している。この相関にcorticotropin-releasing hormone(CRH)関与している。CRHは 腸の働きを強め、CRHを抑えると不安が抑制される。機能性ディスペプシアにたいする六君子湯、過敏性腸症候群にたいする 大建中湯が脳腸相関を適応に導く。

筆者一言:腸と脳はお互いに影響し合って体のコントロ−ルを行っている。腸も脳に対して影響を与えている。


*ワークショップ

 大建中湯は機能性便秘症患者の腹部症状をどこまで改善できるか:(あゆみのクリニック消化器科、尾高健夫) 大建中湯は下部消化管運動促進作用が確認されており、慢性便秘症治療に有効性がきたいされる。大建中湯を15g /分三で白湯に溶いて食前に投与し排便回数、便形状、消化不良、大腸通過時間の短縮、精神的健康サマリーの改善を認めた。

筆者一言:便秘の治療には、刺激性の下剤がよく使用されているが、問題があり、生理的な便秘のコントロールが大切である。


*一般演題より

◎漢方薬により片頭痛の発作頻度が減少した1例:(埼玉医科大学神経内科、光藤尚、他)20才の女性で、抑肝散7.5gを分三で投与して効果を得た。 抑肝散はグルタミン酸トランスポーターを阻害し、血中のグルタミン酸濃度を下げる作用があるとされ、作用を示した可能性がある。
◎パニック発作に補気剤が有効だった2症例:(九州大学大学院医学研究院心身医学、貝沼茂三郎、他)40才、39才の女性でパニック発作に冷え、 消化器症状を伴う患者に補気剤一人には桂枝加芍薬湯を、他の一人は六君子湯から人参湯合当帰芍薬散を投与し効果を得た。機能性消化管疾患はパニ ック障害に併有し、消化機能を改善することが影響を与えたと推測できる。

筆者一言:パニック障害には消化器症状を伴うことが多いが、消化器の機能を改善することが脳に影響しパニック障害効果がある。




一口メモ

 韓国で起きた客船沈没事故、船長が乗客より先に船外に脱出したとか、すぐに乗客を退避させず船内で待機するよう指示したなど。 そもそも普段訓練をやっていなかったみたいですね。そういう時どうするか聞いていなかったとインタビューで答えてましたし。
船長経験が20年以上のベテランだったのに一般市民と偽り、救助船に乗り込んだという報道もありました。
前にもイタリアで座礁した船から船長が乗客より先に助かった話があった気がします。

船が、ちょっと怖くなりますね。。。



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