今月の話題〜3月〜



 今月の話題は平成26年2月21日、22日と横浜で行われたに日本慢性疼痛学会より選んでみました。 この学会は成立して年数も少なく会員も約600名の小さい学会ですが、人間の生活の上で大きい影響を及 ぼす慢性の痛みを取り扱う重要な学会です。



*特別講演より

1、  「痛みの声を聴く」:(九州大学麻酔・蘇生学、外 須美夫)
痛みを持つ人は、どうにか言葉を見つけて出して、痛みを表現しようとして、痛みを自分だけの世界から他者と共有 する世界に広げようとする。古来、短歌や俳句などなどの言葉に内なる感情を押し込めて表現してきた。魚も痛みを感じ 、心理的働きを示しているという。痛みについての表現をみるものとして、タゴールの詩集、スーテルブランの詩集、金 子みすずの詩集、長田弘の著書をあげた。

2、  オピオイド鎮痛薬の現状と今後:適正使用を考える;(獨協医科大学麻酔科、山口重樹)
1986年にWHO方式がん疼痛鎮痛方式が発表され、2007年に日本でがん対策基本法の制定されたこと、最近では、 がん患者の5年生存が580万といわれ、オピオイドの使用が増加して来ている。2010年からオピオイドが慢性痛 に使用することが出来るようになり、オピオイド治療も多様化してきている。日本でも使用できるオピオイドは30種を 超えてきた。アメリカでは麻薬の90%が医療以外といわれる。日本で使用されるオピオイドには、LAO(Long Acting O pioid)、SAO(Short Acting Opioid) 、 ROO(Rapid Onset Opioid) があり、適正な使用が必要である。


*一般演題より

1.膝痛に対し防已黄耆湯に牛車腎気丸を併用し走行した3症例:(帝京大学麻酔科、佐々木翼。他)
膝痛の患者に防已黄耆湯に牛車腎気丸を併用し効果をみとめた。

2.脳血管障害後の痛みに対し漢方治療が走行した1症例:(昭和大学横浜市北病院麻酔科、山川雅子、他)
脳血管障害後、麻痺側に発症する痛みやや異常感は難治のことが多い。字打撲一方と抑肝散が奏功した例の報告。

3.複合性局所疼痛症候群(CRPS)の痛みの緩和にステロイド薬の内服が有効であった一例:(昭和大学横浜北病院麻酔科、菊岡修一、他)
原因不明の足外顆を中心とした難治性疼痛の治療にプレドニゾロン5mg2週間、そのご漸減し2か月で痛みの軽減を得た。

4.帯状疱疹痛治療における鎮痛補助薬使用方法の検討―当院での結果をふまえてー:(順天堂大学麻酔科学・ペインクリニック講座、高橋良佳、他)
帯状疱疹痛の患者の初診時内服はプレガバリン/三環系抗うつ薬は50/3、外来経過中はプレガバリン/三環系抗うつ 薬は90/19であった。初回投与中央値はプレバカリン/三環系抗うつ薬は150mg/ 10mgであった。三環系抗うつ薬はプレバカリン投与後も追加投与される傾向があり、帯状疱疹後神経痛に有効性が高い。

5.当院における舌痛症患者の治療経験:(獨協医科大学麻酔科、濱口真輔、他)
舌痛症は器質的な異常がみられないにかかわらず、舌痛症やしびれを呈する難治性疼痛疾患である。歯科との統合的治療で、 抗うつ薬を中心に、プレバガバリン、抗不安薬、漢方薬を使用し治療した。





筆者一言: *筆者一言:痛みは多面的に考え、理解し、対応を検討することが必要で、今回の学会でも心理、精神、身体、社会、実存と多方面の痛みに関与する方々の発表があり、理解困難な発表も見られたが、少しでも、日常診療に役立てていきたいと思います。慢性疼痛の治療に利用できる薬剤も多種となり、現在はオピオイドも使用可のものがあり、我々の年代では、抵抗感がありますが、痛みの軽減のために役立て、患者さんが健康で、人間らしく生活できるように薬剤も使用して行きたいと思います。




一口メモ

 ソチ五輪が閉幕しました。冬の五輪もの方が好きなのでしっかり見ました。

ソチ五輪のスノーボード・ハーフパイプ凄かったですね。スキーでもハーフパイプがあることに驚きました。 銀メダルの平野歩夢くん、銅メダルの平岡卓くん、女子で5位の岡田良菜さん、3人ともかっこよかった。
フィギュアスケート男子で日本勢初の金メダル羽生結弦(19)もテレビに釘付けでした。 浅田真央さんは、ショートが本当に残念。次も出て欲しいですね。キム・ヨナに負けないで!!



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