今月の話題〜6月〜

5月25日に東京で行われた実存心身療法研究会より選んでみました。


1、 東西の心身論と死生観―気づきの論理をめぐって(本多正昭、総合人間学研究所所長);人間の真の健康、 真の自己実現、そして真の宗教なる世界はいずれも全人的気づき(holistic Awareness)という基本的な原理にお いて全く一つである。医学と宗教は全人的気づきを基本原理として統合されるものであり、心身一如の医学と神人 再結(不二)の宗教とが根源的に帰一するものである。全人的気づきは、人間の身体的、心理社会的、生態学的な 側面を統御しているホメオスタティックなエネルギーによって実現されるものである。このエネルギーは、大脳の 新皮質と旧皮質、脳幹の調和、自律神経、内分泌系、免疫系の活性化によって刺激され、回復が可能となる。これ らはホメオスタティックなエネルギーの、脳と身体諸機関、心と体をつなぐ主な通路となっており、この通路の機 能を高めて、全人的気づきを促すために、東洋では様々な行法や療法、座禅やヨーガをはじめ、能、剣道、茶道を 通し身体的健康に資すると同時に、宗教的な目覚めをも促すものである。全人的気づきに達するということは、罪 の浄め、煩悩の和らぎ、、心身の統一といった行法ないし療法を通して初めて可能となるのといえる。キリスト教 の世界では、デカルトの心身二分論により、霊魂と肉体はそれぞれに対等に存在するもので、霊魂は不滅であり、 肉体は不滅ではない、従って霊魂は永続的に存在するものであるから、再び肉体と結合することが必要であり、こ れが復活ということである。
霊魂の不滅と肉体の復活に救いをもとめ、この世の中で、又は、天国、神の国での復活に救いを求めると考えられ る。心身二分論から、肉体に対する、物質に対する徹底的科学的、客観的研究が可能となり、科学的研究が発展す るに従い宗教と科学の相互不干渉から相互疎外が、人間性の疎外の危機を深め、展開してきた。
 全人的気づきに達するということは、道元の言葉を借りれば、まよいから悟りへの転換によって始めて可能とな るものである。

※ 永田先生の言を借りると、気づきとは、何に気づくのかというと、自分をふくめて、全人的に気づくこと だが、分かり易くいうと、生きる意味、生きている意味、生甲斐、生きてきた意味、価値、生きる目的に気づくこ とであるということです。

2、 がんばらない、あきらめない、希望をすてない(鎌田實、諏訪中央病院保険医療福祉管理者);福島医大 の大学紛争のときの指導者だった彼の話を聞くことが出来ました。現在は、患者さんが自分の体に起きたことをよ く知りながら、自分で自分のことを決めていくことが大切であり、そう出来るようにする。このことを基本にして 医療することに心がけているということである。
チェルノブイリの医療に参加した時の経験についての話をしました。"がんばらない"という本を出版したとのこと です。

3、 東西医学を越えて(Carl Becker,京都大学総合人間学);西洋人の自分で自分を積極的に治すという意 識、前もってあらゆる可能性にたいするリビングウィル、自己決定権の意思表示、医者を"雇っている"という平等 の意識等々が日本の文化に定着していない。西洋医療倫理としてー全情報公開、内部告発、第三者の意見―等々が 考えられる。しかし、日本ではー日本的相好理解、話し合い、家族の支えーなどを生かしてケアを試みた方が高い 信頼度や満足度を得られよう。日本人の心を考慮した、日本に適した医療倫理を築くことが大切であろう。


今回、実存心理療法研究会に出席してみて、心身一如と全人的気づきがその中心かと思われました。自分も、自分 の生きる意味、生きる目的、生きる価値、生きて来た価値、生きて来た意味について、考えてみるきっかけにもな りました。



一口メモ

北九州市のスペースワールドで6月1日、ダイヤなどをちりばめた鉄腕アトムが 公開されたらしいです。身長10センチなのに1億円相当らしいですよ!15日ま で公開されるそうです(^−^)見てみたいですね〜〜〜☆
そういえば、SARS怖いですよね〜。発熱、咳が出てきた10日前くらいに北京、 香港、台湾等のSARS が確認された地域から帰国した人は要注意ですね。疑いの ある人はマスクを着用した方がいいそうです。SARSウイルスは、低温で空気が 乾く時期に急速に広がるって話ですから ちょっと安心?( ̄∇ ̄;
まぁ、体力つけて元気であれば怖くないので、暑くなっても いっぱい食べて元気にいきましょう!