今月の話題〜1月〜



 今月の話題は、最近の雑誌から選んでみました。日常の診療でこんなことがあったらと 思っていたことについて選んでみました。日常診療で悩まされる頑固頑な咳、最近多く見られる逆 流性食道炎、変形性膝関節症、冷え症を選んでみました。


1、 慢性咳嗽はone airway,one disease:(藤田保健衛生大耳鼻咽喉科、内藤武晴、日経メディカル 12.2013) :3週間以内は急性咳嗽、3〜8週が遷延性咳嗽、8週以上が慢性咳嗽とされているが、肺に肺癌、肺結核、肺線維症などの明確 な疾患が無い場合、慢性咳嗽の主たる原因は気管支喘息、後鼻漏症候群(慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、など)、あるいは両 者の合併です。最近は、喉頭アレルギー、逆流性食道炎による咳嗽もみられます。アレルギーが原因の時は抗ヒスタミン薬、喘息 にはステロイド薬、気管支拡張剤の投与、逆流性食道炎は、PPIなどの投与となります。問診、診察、必要な検査で病態の診断、把 握が大切です。

*筆者一言:漠然と慢性咳嗽をとらえていたところがありますが、纏めて頂いて考える道筋がつけやすく役立ちます。


2、 逆流性食道炎の食事と注意点:(日本医科大学千葉北総病院消化器内科、岩切勝彦、ドクターサロン、vol 57.11、2013) 逆流性食道炎は過剰な酸に曝されることによりおこります。逆流のほとんどは一過性の下部食道括約筋の弛緩によりおこります。 逆流性食道炎の誘因として、1)胃が膨らんだ状態(食後2〜3時間後)、2)食べ過ぎ、3)脂肪摂取(コレシストニン:食道下部括約筋弛緩、 胃排出遅延)4)肥満(腹圧)5)早食い(空気を多く飲み込む)5)ピロリ菌感染(ピロリ菌陰性者は胃酸が少ない6)寝る前に食べない(寝 ている間は唾液の分泌がない、などが考えられている。

*筆者一言:逆流性食道炎は最近多く来院されています。生活指導に有用であり、参考にさせてもらいます。


3、 変形性膝関節症を診るーOARSI勧告に基ずく新ガイドラインから:(大分大学整形外科:津村弘、日経メディカル特集版、12、20 13)1)非薬物療法と薬物療法の併用が必要、2)継続した定期的有酸素運動、筋力強化、関節可動域訓練、3)体重の減量、4)履物、足底版 の利用による疼痛の緩和、5)消化管障害リスクを避けるためNSAIDSの投与は最小限、6)ヒアルロン酸は有用な場合がある、7)保存的療法が有 用でない場合は人工関節置換、が主なところである。

*筆者一言:変形性膝関節症は外来で増加の大きい疾患ですのが、有効な治療が難し悩まされています。参考にしていきたいと思います。


4、 末端冷え症:(東京女子医科大学青山女性・自然医療研究所、川島朗。ドクターサロン、12、2013)冷え症の病態として次 のようなことが考えられる。

1)血液が熱を運んでおるので、局所の血流が悪い状態
  (1)高齢者の閉そく性動脈硬化症
  (2)膠原病における血管炎:多発性動脈炎、全身性エリトマトーデス、強皮症
2)体温を調節する自律神経の働き
  (1)自律神経は、寒い時は熱を作り、熱の放散を防ぐ、暑いと熱を放散し、熱の産生を防ぐ
  (2)自律神経の働きが悪いと、冷えを感じやすいし、冷えやすい。逆に熱中症になり易い
3)冷えの治療と指導
  (1)冷やさない、温める
  (2)内部から冷やすもの食べ物、飲み物:常温以上のもの、体温以上のもの、体を温める食材
  (3)外部から冷やすのは、服装と環境:服装を一枚おおくする、特に下半身を冷やさない
  (4)温める。40℃より以下の温度の入浴。40℃以上で交感神経により血管収縮、40℃以下
   では副交感神経優位で血管が開く。10〜30分の入浴
  (5)温める食材:1)スパイシーなもの、2)寒い地方で取れるもの、3)色の濃いもの、味の
   濃いもの、4)地中に向かって根の伸びるもの
  (7)よく咬んで食べること
  (8)適度の運動が筋肉を作り熱を産生する
*冷えについてまとまった話は少なく、参考になります

*筆者一言:私が日常診療で対応に苦労させられる問題の4点について雑誌より、話題として選んでみました。今年一年、患者さんに健康で、 より良い生活を送って頂くために参考にしていきたいと思います。一つ一つの問題は、生命に直接関係する問題ではありませんが、日常生活 を送って行くためには大きい問題です。根本的には加齢の影響が大きい疾患ですので、若返り以外に治療法はない問題ですので、われわれ医療 に携わるものが辛抱強く対処して行く必要があるのです。




一口メモ

政府が高校での日本史の必修化を検討しているそう。 海外で活躍する日本人が増える中、自国の歴史を十分に学び、理解している人材を育成すべきだと判断したらしいです。 ただ中国、韓国との関係の真実も日本史に入れていかないといけないのでは?と思いました。



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