今月の話題〜9月〜



 今月の話題は今年6月7日〜9日に福岡で行われた全日本鍼灸学会で発表された一般演題より興味 の引かれた演題について紹介します。特別講演などについては前に紹介しました。


1、大胸筋へのLFEA(Low Frequency Electro Acupuncture)がバストアップにたいして効果的であった一例: (伊賀鍼灸院・接骨院、坂元亮太、その他)美容鍼灸が普及して来ており、今回行ってみた。左右大胸筋鎖骨部、腹 部の上部2箇所に刺鍼に2Hz10分間の低周波通電療法を行い効果を認めた。

2、筋・筋膜性疼痛症候群にたいする治療効果の検討―圧痛点とトリガーポイントの比較―:(あやた鍼灸 接骨院、綾田剣一宮の森医療短大、澤田規)針治療で圧痛点の治療よりもトリガーポイントの治療の方が効果があった。

3、緑内障・白内障患者の眼疲労感と肩こりに対する鍼治療の一例:(埼玉医科大学東洋医学センター、森 崎敦三、他)眼科より紹介の患者に針治療を行った。始めは、天柱、風池、肩井、肩外兪、心?に10分間の置針、 3回目より、攅竹、陽白、童子?、太陽、合谷、光明を追加した。眼周辺の痛み、肩こりに良い効果があり、眼圧に もよい効果があった。

4、突発性難聴に対する鍼治療の一症例:(井島鍼灸院、西田修、井島晴彦)統合的制御療法と局所療法を 週に2回、計17回の治療を行い有効であった。

5、鍼灸による有害事象患者に関するアンケート調査―整形外科医を対象としてー:(明治鍼灸大学、鍼灸学 部、新原寿志、他)整形外科医を電話帳より無作為に選びアンケート、6000人で、回収率10%であった。感染 (36名)、気胸(25名、死亡一名)、伏針(23名)、刺鍼後痛(20名)、症状悪化(20名)、出血(15名)。灸で は、熱傷(54名)、感染(12名)。針で末梢神経損傷8名、内臓損傷(2名)などであった。

6、刺鍼による鍼体付着物の解析:(京都府立医科大学神経内科、建部陽嗣、他)刺鍼したステンレス針を位 相差顕微鏡で検査した。大きいもので20μm、全ての針に数nm〜数100nmの大きさのものがみられ、免疫科学的 にみるとこれらは血液成分が含まれていた。

7、Real Time PCR法による鍼体付着C型肝炎ういるす定量について:(関西医療大学、楳田高士、青野由紀) B型肝炎、C型肝炎患者に刺鍼した針にはウイルスが付着する。今回、付着したウイルスの量は感染を起こす可能性の ある量であることを認めた。

8、変形性腰椎症に対する鍼治療―一例報告―:明治鍼灸医療大学・臨床鍼灸学、山階恵、他)変形性腰椎症 の患者で、はじめ高位傍脊椎ぶの緊張・硬結への単刺を行い、二回目以降は神経走行に沿った大、中臀筋部、梨状筋部 、腓骨神経走行部に単刺を追加、一回/週、5回治療した。腰部傍脊柱部と神経走行部に治療した場合の効果がよかった。

9、4施設による骨盤位に対する鍼灸治療の効果の検討―第一報症例集積結果:(筑波技術大学保健科学部、 他、形井秀一、他)最終胎位は56例中、頭位32例(66.1%)、骨盤位18例(32.1%)、不明1例であった。

10、我が国における鍼灸療法の受領状況に関する調査―2012年の調査―より:明治国際医療大学鍼灸大 学、他、矢野忠、他)全国で20歳から80歳からサンプリング1331名で検討した。年間受療率は7.3%、受領理由は、 関節痛・筋肉痛が77.4%、で最も多い。鍼灸については医療であるが62.1%、伝統医学である49.5%、国の免許が必要72 .0%、医療機関で受けられる45.1%、健康保険が使える54.2%であった。鍼灸が正しく認識されていない面がある。

11、日本の伝統鍼灸における四診情報の参考度合の調査:(明治鍼灸大学伝統鍼灸学、他、桐谷真智子、他) 鍼灸経験3年以上の40名の鍼灸師で調査した。1)経絡の異常を治療する学系(経絡治療学)、2)現代中国の伝統医学 (中医学)、3)現代西洋医学の診療に基ずく学系(西洋医学系)で調査した。53名で、経絡に沿った治療がもっとも 多く、西洋医学的診療を併用していた。中医学はなかった。


筆者一言:全日本鍼灸学会発表の一般演題から選んでみました。上記のように鍼灸師の方にも近代科学的教育、考え方の 影響が多いことがうかがえます。世界に日本鍼灸を伝えて行くのには必要なことと思いますが、古来の鍼灸の考え方、治 療の基盤に乗っ取った行き方が期待されると思うのですが如何ですか? このままでは、日本鍼灸は西洋医学の中に埋 没し、中国、韓国の先行を許すことになると思います。




一口メモ

バスの後ろに捕まって乗る姿、従業員が冷蔵庫内や食材の上に横たわったり、ピザの生地を顔に貼り付けるなど 悪ふざけをしている画像がTwitterやFacebookから次々に流出して非難が集中するなど多いですね。なぜ自分たち が犯人だと特定されるようなリスクを負うのか。

非行少年には軽度知的障害とされる知的にボーダーラインの少年が一般より多い。また、自分のやろうとし ている行為の結果が自分の首をしめることになることを見通す能力が弱いということもあるかもと言う記事を見ました。

それは、昔からなのか時代の問題なのか・・・。



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