今月の話題〜7月〜



 今月の話題は5月31日〜6月2日に鹿児島で行われた日本東洋医学界より選んでみました。 東洋医学、いわゆる漢方と鍼灸、按摩についても、近代の科学の目の中で、世界の中で認められて 行かなければならなくなって来ています。日本、中国、韓国だけでなく、世界の目の中で存在して 行かねばならない時代です。


1、生薬シンポジウム

1) 病院における生薬診療と生薬供給の実態:(三潴忠道、福島県立医科大学会津医療センター)近年、漢方製剤は 様々な臨床現場で使用されているが、重症あるいは難治性疾患においては漢方本来の生薬処方が必要なことも多い。 生薬診療は漢方診療による十分な臨床効果を上げるために必要であるが、そのためには生薬の品質と安全を十分に担 保した安全供給が求められる。生薬価格の上昇のため、薬価との問題が生じてきている。

2) 薬価と生薬の品質:(姜東考、栃本天海堂)生薬価格の高騰で流通価格と薬価の問題がある。製造承認に基づき製造 される製剤は経験的品質評価を軽視する傾向が大きくなり、流通する生薬の品質に格差が生じてきている。将来、保険 で使用される製剤に「悪貨は良貨を駆逐する」ということになるのではと危惧される。

3) 生薬をとりまく状況:(長谷川浩一、厚生労働省医政局経済課)薬価の見直しは実際の取引価格を調査した結果を基に、 医療機関・薬局にたいする販売価格の加重平均に消費税を加え、薬剤流通安定のため調整幅(改訂前の2%)を加えた額を 新薬価とする。ただし、改訂前薬価を超えない。薬価が著しく低額の場合、保険医療上必要性が高い場合に薬価の再算定が 行われる。

筆者一言:ほとんどの生薬を中国に依存しておる現状では、生薬価格の上昇は避けられず、日本の漢方は苦労することにな ります。中国以外の国で生薬栽培が可能なところを開発する必要があるようです。すでに検討はされておるのですが。


2、シンポジウム「気と脳腸相関」

1) 脳腸相関の病態と漢方薬による治療:(福士審、東北大学病院心療内科)脳と腸の間には相関がある。 過敏性腸症候群(IBS)には線維筋痛症、機能性ヂスペプシア、うつ病、不安障害、身体表現性障害を合 併することが多い。腸は脳からのコントロールを受け、逆に腸の刺激が脳の特定の部位を活性化する。機能 性ディプスペプシアに代表的気剤である六君子湯が効果があるが、これも脳腸相関が関与すると考えられる。

2) 六君子湯の抗うつ作用について:(岡孝和、九州大学心身医学)六君子湯には上部消化管運動機能異常の改善作用、 グレリン産生を介した食欲改善作用がある。六君子湯には胃局所の作用だけでなく、中枢作用として抗うつ作用を持 ち、それが上腹部愁訴改善のみならず全身状態を改善することに関与しているのではないかと考える。

3) 六君子湯を使用して食欲が改善した人は胃の機能と気の改善がみられた:(楠裕明、川崎医科大学総合臨 床医学)六君子湯を使用して食欲が改善した人は胃の機能と気の改善がみられた。

4) 香蘇散・半夏厚朴湯の脳腸相関に対する効果:(小田口浩、北里大学東洋医学総合研究所)この二方剤につい て、瞳孔対光反応、心拍変動に対する効果を検証し自律神経への作用を検討し、組織酸素飽和度、消化管運動にたい する効果を検討した。香蘇散はどちらかといえば脳機能を賦活し、半夏厚朴湯は消化管機能を賦活する作用が強いこ とが示唆された。

筆者一言:漢方薬の脳と胃腸の相関関係について検討したもので、方剤を構成する構成生薬の脳に対する効果、胃腸 に作用する効果を検討し人を全体としてとらえ治療するという漢方本来の作用を明らかに使用と試みています。


その他シンポジウムとして東洋医学の教育の場「大学教育のあり方を考える」、があり、世界の中での日本漢方、 鍼灸についての報告「JLOM」活動報告会など盛り沢山でした。一般演題から興味のあった演題についても近く 紹介したいと思います。




一口メモ

千葉のコンビニ店で買ったクリームパンに針が入っていたと男子高校生。 しかも縫い針約5センチ。
同県内での一連の針混入はこれで9件目。一人がやったわけではないようです。
給食に釘やガラスは事故みたいですが、それも怖ろしい話です。

毎年、こういうニュースがありますね。誰得なのか。
スーパーなどでも起きているようなので、ご注意を。



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