今月の話題は、日経メヂカル2013.1.より興味のあった記事を紹介します。面白そうな記事が沢山あり ます。興味のある方は本文を読んで下さい。 1、 今月のキーワード。バイオ後続品・成長ホルモン剤など: 組み換え技術で大腸菌や動物などの宿主に 遺伝子を挿入し作成されるバイオ医薬品、先発と同じアミノ酸配列を有し、同等、同質の品質で、有効性、 安全性を有する医薬品をバイオ後続医薬品という。先発の企業とは宿主、培養法、精製法に違いがあり、不 純物のプロファイルなど完全に一致するわけでないが、同質、同等の有効性、安全性が証明されれば、バイ オ後続品として認められる。実際、ヒトエリスロポエチン製剤で後続品が出ている。臨床使用で有効性、安 全性について検討していく必要がある。 筆者一言;先発と同質、同等の有効性、安全性を有することの証明が難しいと思いますので、十分な検討が 必要と思います。センノサイドの下剤で先発と後発でその効果に差があることは経験されます。 2、 高齢者てんかんを見逃すな:65歳以上ので初発するてんかんの内、けいれんを生ずるのは45%、けいれ んが生じないのが46.8%と赤松氏は報告している。発作は1〜2分間目を開けたままでボーとしておるもので、 発作中のことを本人は覚えていないが、意識が完全になくならず倒れることもない。治療はカルマパゼピン2 00mgで約90%がコントロールできる。 筆者一言;高齢者では、時々、ぼうっとしておる方を経験します。注意して見ていきたいと思います。 3、 術前の絶飲食や下剤は不要・北欧で提唱された術後回復機能強化プログラム(enhansed recovery after surgery)ERASが術後の経過もよく推奨されると、墨東病院の経験を紹介している。大腸がんの手術で * 術前 術前経口摂取 前日の昼まで食事 水分 前日21時までOS−1を1500ml(9時から手術) 前投薬 原則なし * 術中 体温管理 硬膜外麻酔 PCAを選択 輸液 過剰輸液回避、低血圧の防止 * 術後 経口摂取 手術翌朝よりOS-1を1000mlめやす 胃管 手術等術抜去 術後鎮痛 PCA 以前と大分異なります。 筆者一言;術前患者管理について、以前と大分異なってきいます。「大塚薬報」の今年の1・2号でも取り 上げられており、患者さんに取ってより良い方法がガイドラインとして纏められることを期待したいですね。 4、 一般成人への健康診断に死亡率の減少効果なし(BMJ誌より): 全死亡に関して非健康群と比較して健康群のリスク率は0.99、心血管死亡に限っては健康群のリスク非は1.03、で それぞれで有意差なし。有病率、入院件数、障害発生件数、患者の不安、欠勤日数などで有意差なし。 筆者一言、健診については、健康の保持のために有効な方法として、行われていますが、このように視点を変え て見てみる必要がありますね。 筆者一言 日経メディカルという月刊雑誌から選んでみました。従来の見解から離れた考え方が、新しい常識になりつつ あるんですね。日々、医療の世界も変わって来ています。患者さんにとってよりよい医療が出来るとよいと思い ます。健診が日本全国で、自冶体、会社、学校、高齢者健診などが行われていますが、その効果について問題 点が指摘されています。統計の取り方の問題のように思われますが、検討の余地はありますね。 花粉症を放置して完治することは極めて稀で、治療による完治率も高くはない。昨年たまたま症状が 出なかったといって予防対策を怠ると、今年はひどい症状に悩まされる可能性が高いらしいのでマスク 必須ですね。 |
「今月の話題」バックナンバーへ |