今月の話題~1月~



 新年、あけましておめでとうござます。今年もよろしくお願い申し上げます。 今年始めての話題として、昨年9月にミラノで行われた世界疼痛学会の中で取り上げられた 難治疼痛の代表的痛みである神経障害性疼痛、帯状疱疹後神経痛についての発表から選んでみました。



1、 Assessment of autonomic dysfuncton in patient with post-herpetic neuralgia: (UNESP,Anesthesiology , Fukushima F.A. et al)
神経障害性疼痛、帯状疱疹後神経痛 で起こっている自律神経の機能異常については殆ど分かっていない。心電図で心拍数の変化 をコンピューターで分析した。PHNの患者では全例で副交感神経の機能異常が認められ、検 討した9例の内6例で交感神経の機能異常の所見が認められた。従って、PHNと自律神経の 異常が関係しており、この点から痛みの検討が可能ではないか。


2、 Loss of epidermal nerve fibres with maintenance of hair follicles innervation in the allodynic skin of patients with post-herpetic neuralgia : pathophysiologic al considerations : (Fondazione Maugeri, Clinical Neurophysiology, Buonocore M. et al)
アロデニアの皮膚では神経線維の密度が健側に比して減少しているが、この神経線維の 減少とアロデニアの間に直接関係があるかどうかはわかっていない。動物実験ではアロデニ では細い神経線維が減少し、太い神経線維の減少が少ない。われわれは患者の皮膚の生検で検 討しアロデニアの皮膚で細い神経線維と太い神経線維の解離があるのを認めた。減少の少ない 太い神経性線維がアロデニアの発生に関係しておると考えられる。


3、 Effect of sympathetic block in the treatment of acute herpetic Zoster & early post herpetic neuralgia : ( Dhaka Medical College & Hospital, Khadoker M.R.) 
帯状疱疹による痛み、帯状疱疹後の早期の痛みの治療には、交感神経ブロック(星状神経節ブロック、硬膜外神経 ブロック など)が有効である。実際に、薬物中心(抗ウイルス剤、鎮痛剤、抗鬱剤など)の治療 群と交感神経ブロックを毎日併用した群で比較して交感神経ブロックを併用した群で効果がよく、 早期に交感神経ブロックを併用すべきである。


4、 Clinical development of EMA401; An angiotensin 2 type 2 (AT2) receptor antagonist as a potential new treatment for neuropathic pain ( Imperial College London, et al) E MA401 (angiotensinⅡtype 2 recepter antagonist)no
鎮痛効果については認められておるところであるので今回、臨床応用での副作用について検討した。 EM A 401の安全性と有効性が認められた。


5、 Impact of study and patient characteristics on assay sensitivity in neuropathic pain indications : meta-analysis of capsaicin 8% patch clinical trial for PHN and HIV-AN: ( Fl orence Pallard, Mou J., et al)
今回は、8%という高容量のパッチの神経因性疼痛にたいする効果を検討した。効果については様々であった。


6、 Application of capsaicin patch for the localized neuropathic pain treatment-own experiences (Jagiellonian University, Przeklasa-muszynska A.B. , et al)
利用したQutenza パッチは8%カプサイシンを含んでいるTRPV1channel の拮抗剤である。効果は65%患者 で有効であった。痛みの軽減は最少で40%、最高で80%であった。


7、 Efficacy and safety of the mGluR5 antagonist AZD2066 in peripheral neuropathic pain patients with mechanical hypersensitivity (NPHM): result of a phaseⅡa randomized , Double-Blind, Placebo-c ontrolled study: (AstraZeneca, Jonzon B.) 
mGluR5の拮抗剤であるAZD2066について検討したものである。AZD2066は神経障害性疼痛に良い効果を認めたが、 精神神経学的副作用がありこの研究は途中で中止した。


8、 Gallium maltolate : A new topical analgesic agent :(Terrametrix, Bernstein L.R.)
Glliumには細胞増殖抑制作用と抗炎症作用があり、ヘルパーT細胞の増加、マクロファージュの活性化によ る炎症性サイトカインを抑制する。経口投与されたGallium nitrate/ctrate多発性骨髄腫や前立腺癌の 痛みに有効である。この作用は、抗炎症作用、MetalloproteinasesやSubstancePのようなNeuropeptide によると考えられる。今回は、0.5%のGallium懸濁液(0.5%wt%Gallium、50%wt水、50%whydrophilic p etrolatum)を局所に塗布してその効果をみた。局所の塗布でも痛みを和らげる働きが認められ、投与量 は経口の千分の一で済む。作用機序は上明の点もあるがこれからの検討を要する。



筆者一言
 世界で治療に苦労し、患者さんを苦しめている難治な帯状疱疹後神経痛などの神経因性疼痛の対応に 様々な領域の専門家が努力しています。その一端を紹介しました。従来から行われている方法の検討、 再検討、そして新しい痛みの治療薬の開発等がなされています。今回紹介した中に鍼灸、漢方は入って いませんが前に紹介しましたように痛みの治療として使用されています。最近、新しい難治性疼痛に対 する薬剤が日本でも使用可能になってきており、苦痛の軽減が容易になってきていますので、痛みに悩 まれておられる方は、受診されることを勧めます。この学会のからは昨年、鍼灸について話題として一 度とりあげました。




一口メモ

あけまして おめでとうございます。

安倊政権に変わりました。外交に対して正しいことに関しては強気な態度で頑張っていただきたい。 日本経済再生にも期待ですね。 国民に約束したことは、やり通していただきたいものです。

今年も健康で楽しくありたいですね。今年も宜しくお願い致します。



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