今月の話題~11月~



 今月は今年の10月7日に東京で行われた日本健康医療学会より選んでみました。 この学会は初めての出席ですが、健康に関連した幅広い分野の方々が参加されておりました。 すべてを聞くことはできませんでしたが、この学会の一部を紹介出来るかと思います。



1、健康創生のための医療工学の未来;(東京工業大学ライフエンジニアリング機構医療系実用化・評価研 究センター長、箭内博行)日本の高度に発展した先進的技術は海外企業に依存しています。しかし、日本で も今年の6月から内閣府の医療インベーション5か年戦略始まっています。日本と米国の違いはベンチャー育 成等をふくめて市場までのスピードにあると考えられます。我が国の研究者や企業の開発担当者の多くは、 自身の持つ技術(シーズ)の真の有用性や臨床現場が求めるニーズを必ずしも理解していない。日本では、 シーズ指向型の研究開発は実用化が遠く、開発、市場化、普及への効率化がよくない。
 医療技術評価は、医療技術としての有効性評価、患者QOL評価、リスク評価、内外競合製品情勢評価、経済性 予測評価などの課題を考え、医療技術の積極的開発がのぞまれます。


2、温泉・気候・物理医学の活用;(日本赤十字医療センターアレルギーリウマチ科部長、猪熊茂子) 日本の源泉は2万数千、温泉地は3千以上とされており、古く日本書紀に天皇が有馬温泉で湯治をした という記載がある。温泉の様々な効果は広く認識されており、1931年から1951年にかけて全国の国 立大学に温泉医学の研究所が設立され科学としての温泉医学が蓄積されたが、1982年から2002年にかけ てすべての研究所が閉鎖された。温泉の効果は、熱、水、固有の成分、温泉地効果によるもので、日本 温泉気候物理医学界では、温泉の新しい適応と禁忌の新基準を環境省に提出している。現在、温泉は2 5度以上か、所定の成分を有する場合に温泉とされている。


3、全人的健康―サルトジェネシス(健康創生論)から;(国際全人医療研究所理事長、永田勝太郎) サルトジェネシスとは健康という視点から人間を理解しようとするもので、障害があっても人間として 全体として秩序がとれれていれば、それは相対的に健康である。健康、疾病、死を分断し、独立した概 念でとらえ、病因を追求し、除去すること目標にする現代医学はパソジェネシスである。サルトジェネ シスは患者の内面や周辺との関係に内在するリソース(資源)、患者の身体、心理、社会、実存を医師 ―患者の相互主体的関係の上にポジティブに変換させ、十分生かし、患者固有の認識を変え、積極的な セルフコントロールに向かう。
 健康創りにはパソジェネシスとソルトジェネシス両者の使い分けが重要である。






筆者一言
 健康とは何か、どう考えるのかという問題から、健康を維持するための最近よくマスコミを賑わす健康器具の 問題、実際の医療に使用される医療器具の問題、そして、温泉についてと多彩な問題が話題として取り上げられ ています。その一端を紹介しました。健康は大切なのは当然のことですが、日常、われわれが何となく考え、利 用しておることの裏に多くのの方々の努力、活躍、研究がなされておることがわかります。




一口メモ

アパホテル金沢駅前で先月、清掃会社従業員がエレベーターに挟まれて死亡した事故。 「シンドラーエレベータ《の吊古屋支店などを家宅捜索とニュースにありました。
点検作業は問題なかったと言っても実際事故が起きていますし、2006年から何度も上具合多発しているのに、 まだシンドラー製が使われていること自体怖いです。
古い機種とはいえ、自社製品にもっと責任をもってもらいたいですね。



「今月の話題《バックナンバーへ