今月の話題~9月~



     今回は2012.7.5.~7.7.まで松江市で行なわれた第46回 日本ペインクリニック学会より話題を選んでみました。今回は難治性疼痛、がん性疼 痛を主にした緩和ケアでの問題、最近の新しい鎮痛剤、ペインクリニクでの手技であ る超音波を活用した神経ブロック、新しい痛みの治療法についてなどが主な話題でした。



 1.脊椎疾患のペインクリニックの治療―インターベンショナル治療をふくめてー (高齢化社会で脊椎疾患による痛みは難治で、多く社会的問題です):(東京医科大学麻 酔科学、大瀬戸清茂、その他)脊柱管の狭搾による脊髄症や馬尾症候群、椎間孔を通る神 経根性の痛み、脊椎関節を含めて靱帯、筋健、交感神経の脊椎周辺の原因で起こる痛みと 背橘周辺の痛みとして脊椎関節に分布する後枝神経で支配される脊椎横突起の原因で起こ る痛み、時に神経叢、洞脊椎神経と交感神経に支配される横突起腹側の原因で起こる痛み がある。
 ペインクリニックの治療としては、薬、神経ブロックを含めたインターベンショナル治療、 心理療法、運動療法などが行なわれる。神経ブロックを含めたインターベンショナル治療法 としては、1)脊柱管内治療、2)椎間孔内外治療、3)椎間板内治療、4)椎体内治療、 5)脊椎横突起背側周辺治療、6)椎体横突起腹側周辺治療が使われる。


 2.兵庫医科大学病院におけるがん疼痛治療の現状:(兵庫医科大学疼痛制御學、村川和重、 他)がん性疼痛の80%~90%はオピオイド鎮痛剤の適切な使用で改善するとされているが、 残り10%~20%の間じゃはこれらの鎮痛薬のみでは十分な効果が得られない。がん性疼痛の 痛みは直接がんに起因しているのでなく、腫瘊そのものが起因となるもが80%、17%はが ん治療が原因となり、9%はがんによる衰弱などに関連し、9%は随伴する障害が原因、15% ががんと直接かんと関連しない痛みに悩まされている。痛みは体性痛が71%、神経因性疼痛が 39%、内臓痛が34%と考えられている。当科で対症疾患としては、直腸が第一、ついで膵臓 、大腸、食道、胃であった。疼痛部位は腰部が第一、ついで腹部、下肢、背部、である。モルヒ ネに対して半数で60%以上のVASの改善をみたが、1/5の例で15%以下の改善に止まった 。約90の例が侵害受容性疼痛を認め、約90%の例にオピオイドを使用、約半数にインターベ ンショナル治療をおこなった。オピオイドの使用にはopioid rotationを考慮し、副作用には向精 神薬なども積極的に投与する必要がある。


 3.超音波をガイドとした神経ブロックについて主な演題を記してみます。解剖を超音波で的 確に把握して行なうことが中心です。

1)
痛み別に見るペインクリニック超音波活用最前線:(横浜市立大学麻酔科、荒堀博展)
           同上               :(大阪労災病院麻酔科、中本達夫)
           同上               ;(京都府立医科大学、深澤佳太)
           同上               :(水谷痛みのクリニック、臼井要介)
           同上               :(吊古屋大学麻酔科、柴田康之)
2)
ペインクリニックで超音波装置をいかに活用するか:(ぱくペインクリニック、朴基彦)



 4.難治性神経障害性疼痛に対する反復性頭蓋磁気刺激療法:多施設共同研究;(大阪大学産学 連携本部脳神経制御外科学、斉藤洋一、他)難治性神経障害性疼痛(InNP)に対する運動野刺 激療法は確立した外科的療法である。一方、近年反復頭蓋磁気療法(rTMS)による運動野刺激 療法がInNP治療に応用され、有効性が報告されている。われわれは、20~70才の70例で 検討したところ、rTMSによる有害事象は無く、直後、60分には有意な除痛が20%にみられた が、2週間ごには有意な除痛効果の持ち越しはみられなかった。運動野を刺激することで、脳内の 疼痛制御機構が変化すると推測され、rMSを継続的に行なっていくことで、薬剤耐性のInNP の軽減が可能になると考える。



筆者一言
 ペインクリニック学会が痛みの総合的な臨床に関した学会に生長したことが感じられます。 私がこの学会の前の研究会の頃から参加してきて、今回日本発祥時大きな影響を与えた出雲で 開催された学会で、ことさら感じさせられました。臨床の中で、今回の学会で発表されたよう なことが生かされると、日本の痛みの治療も患者さんのために一大進歩だと思います。201 2の8月にはミラノで世界疼痛学会があります。どんな話題が見られるのか楽しみです。




一口メモ

中国との尖閣諸島に韓国との竹島問題。
日本は、もっと主張してもいいと思いますが如何でしょう。 都知事は言い過ぎかなとも思いますが、はっきり言える人が日本政府には必要ですね。
いつになったら落ち着くのでしょう。



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