今月の話題〜4月〜

今月も2月末に京都で行われた日本慢性疼痛学会から話題を選んでみました。


1、 NBM(Narrative Based Medicine)(斎藤、富山大学); 物語りあるいは語りという観点から、 医療/医学の分野を見直そうという文化人類学、社会学、心理学、看護学、言語学、倫理学、文学などの幅 広い学際的な見方から考えようということである。患者さんの病いと患者さんの病いに対する対処行動を、 患者さんの人生世界における物語とみなし、患者さん自身が物語りの役割を演じ、唯一の真実の出来事とい う概念は役に立たないことを認め、複数の行動や文脈の複雑な相互交流から全ての物事が浮かび上がってく るものとみなす。全人的医療が必要とされる慢性疼痛の診療においてNBMは有力な視点を提供する。

2、 バイオフィードバック法(竹林、関西医科大学);通常は認知出来ない筋電図、脳波、皮膚温、皮 膚の電気活動などの生体現象を電気工学的手法により目で見たり、耳で聞いたりしてフィードバックし、自 分自身を制御しようというものである。筋肉の過剰な緊張状態が原因で緊張型頭痛、筋痛症が起こるが、こ の時の筋電図を目に見える形、色の変化や音の大小などで表現して、筋緊張が痛みの原因であることを自覚 し、痛みが軽減する状態、方法を学習することにより、自己コントロール的認知により痛みを治療しようと いう方法である。不安、緊張で皮膚温、脳波が変化するが、痛みの変化による皮膚温、脳波などの変化を目 に見えるものや耳で聞こえるもので知り、そのコントロールの方法を学習することである。

3、 チーム医療(田口、池田、佐藤、上田、本間等);慢性疼痛は、単一な科の専門医では治療対処が 困難なことが多く、麻酔科、神経科、精神科、看護婦、リハビリテーション科、臨床心理士、作業療法士な どが、チームとして困難症例に対処することに必要であるという発表が多く見られた。さらに、われわれが 約25年前に郡山に開設し、発展させようとし途中で挫折したが、ペインセンター(痛み治療の専門センター )設立の必要性の発表がみられた。

今回の学会では、あの"夜と霧"の著者であるフランクル博士が、アウシュビッツでの体験から創案した実存 分析(ロゴセラピー)が、現在、慢性疼痛の治療、理解に大きい役割を果たしておると言う発表が多く見ら れました。この実存分析(ロゴセラピー)を慢性疼痛の分野に紹介したのは、浜松医科大学の永田先生です 。次回は永田先生の著書からロゴセラピーについて触れて見たいと思います。



一口メモ

春の高校野球の結果は、広島の広陵が3度目の優勝したそうですよ^^
桜咲き始めておりますよ。三春の滝桜は まだのようですけど・・・。
名所は、河沼郡の杉の糸桜。田村郡三春町の滝桜。会津若松市の石部桜。
双葉郡富岡町字夜の森公園は、樹齢50〜100年のソメイヨシノが2,000本
以上も植えられて、桜のトンネルになっているそうですよ!凄いですね
飲みすぎ、風邪などに気をつけて、花見を楽しみましょう^∇^