今月の話題〜7月〜



 今月の話題は、6月8日から10日にかけて四日市市で行なわれた全日本鍼灸学会より 選んで見ました。鍼灸学会の印象は年々変って来ており、鍼灸の科学化と言うのでしょう か現在の教育を受けた若い人々にも分かりやすい、受け入れられる内容の学会になって来 ています。



1,会頭講演;大学病院にいける鍼灸治療の経験:(前三重大学学長、豊田長康)大学内で の鍼灸治療についての問題点は、1)保険診療、混合診療の問題、2)医師や他の医療従事 者の理解、3)近代医学と並行して行なう鍼灸診療、4)大学病院の特殊性、5)開業鍼灸 師と医師会の問題、などである。麻酔科統合医療・鍼灸外来として開始した。自費診療とし 、初診4500円、再診3500円とした。 可能な限り共通用語を使用することとした。 医療側とのコンファランスも行ないながら行なった。最大の問題は、他科の医師、医療従事 者の理解をうることであった。


2,特別講演として下記の講演が行なわれた。
 1)日本医療の問題点と将来〜鍼灸師が医療の中か果たすべき役割とは〜
   一橋大学社会学研究科:猪狩周平
 2)患者は医療に何を求めているか?〜アンケートから見てきた鍼灸への展望〜
   明治国際鍼灸大学:石崎直人
 3)患者のための医療とは?〜統合医療が求められる本当の理由〜
   日本アリゾナ大学:織田聡
 4)患者のための鍼灸學〜石川日出鶴丸が描いた理想の医療鍼灸〜
   三重大学システム神経学:山本哲郎

 これらの演題からもわかるように鍼灸の現代の医療の中での存在の意味を考えて鍼灸の取るべき道、 方向などにつての演題です。演者の皆さんに共通することは、鍼灸の有効性を認めた上で鍼灸につい て考え、意見を述べられています。話題1に取り上げましたような大学内で鍼灸治療を行なう上での 問題点が、現代の医療の中で鍼灸を行なって行く上で問題になると思われます。将来的には日本針灸 のはっきりした体系付け、理論付けで国際的にも認められるようにすることが大切と思われました。 講演の内容の概略は演題から類推してください。


3,パネルディスカッシヨン:日本針灸を取り巻く国際情勢
 1)日本針灸を取り巻く国際情勢:財団法人未来工学研究所:小野直哉
 2)WFASでの国際標準化の現状と課題:全日本鍼灸学会国際部:高澤直美
 3)ISO、WHOにおける鍼灸領域の国際標準化と日本:東京有明医療大学:東郷俊宏
 4)鍼灸に関する伝統的知識の現状と課題:東海大学法学部:田上麻衣子

 世界がインターネットで即座に繋がり、情報交換出来る時代になり伝統医学についても国際化の波を避けて 通ることの出来ない時代になっています。韓国や中国は自国の伝統医学の古典医学書や伝統医学そのものの 一部を国連教育文化機関(UNESCO)の世界遺産として登録うぇお行なった。現在、世界保険機構(WHO)では 疾病および関連保健問題の国際分類(ICD-11)で伝統医学を国際分類に盛り込む作業を行なっている。WH Oと関連の強い世界鍼灸学会連合会(WFAS)でも鍼灸の国際標準化の作業が行なわれいる。生物多様性条約( CBD)では伝統的知識のアクセスと利益配分の議論が行なわれている。鍼灸の規格化も世界鍼灸学会連合会( WFAS)が日本のJSAMも協力はしておるが、中国中心に進んでおり、案がISOに提出された。国際規格は日本国 内の鍼灸臨床家、教育関係者、業界団体に影響を及ぼすものである。WHOでは鍼灸の経穴の位置、用語、情報、 診療ガイドライン国際標準化を目的としたプロジェクトを立ち上げている。鍼灸、漢方の領域では、中国が国 際機関の中で中心的役割を果たしており、国家戦略として積極的に活動している。
 これらの国際機関で決定されたことについて、加盟国は守る義務が生じます。国際基準に従った器材、鍼、灸、 教育制度、診療方法などの輸入が求められた時に拒むことができず、拒むと罰則の適応がなされることがある のです。国際学会での発表はすべて国際基準にしたがなければなりません。
現在、中国、韓国中心に国際化が進んでいます。日本も早急に鍼灸、漢方などの伝統医学の体系化が待たれ ます。




一口メモ

大津市で中学2年男子生徒が自殺した問題。
教師が男子生徒に対する暴行などを目撃した可能性のある上に生徒本人から泣きながら電話が来て いたというではないですか。

周りの生徒が先生に言えないのは自分が標的になるかもしれないし分からなくはないけれど、教師は?

もし本当に自分の評価の為に何もしなかったとしたら大問題ですよね。

早く真実が分かり改善されることを祈ります。



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