今月の話題~2月~



 今月の話題の話題は、私のクリニックにおける漢方療法の概略を述べてみたいと思います。 私の漢方は、いわゆる日本漢方に当たると思います。どうでしょうか? 御意見がありまし たらメールでお願いします。

1,基本的考え方:陰、陽、虚、実、表、裏、熱、寒という八綱、気、血、水そして臓腑経絡の状態を、 望、聞、問、切で診断し、方剤弁証を行ない証を把握して、その証に合った方剤を使用し治療する随証治療です。


2,治療に際しては次のような方法を使用しています。
(1)随証治療:葛根湯の証、当帰芍薬散の証、黄連解毒湯の証、真武湯の証というように方剤にはその証が あり、その証を診断し、診断に合う方剤を選んで使用します。  
(2)病吊治療:陰陽虚実、表裏熱寒、気血水を念頭において、先達の文献から使用する。例えば、老人性白内 障への八味地黄丸、喉頭神経症への半夏厚朴湯、下肢の攣縮発作への芍薬甘草湯、など。
(3)エビデンスによる治療:「漢方とエビデンス《に記載されておるエビデンスに基づく治療。
(4)古典に基づく治療:傷寒論や金匱要略などに記載されておる条文に従って方剤を選ぶ治療。例えば傷寒論 の「太陽病、項背強ばること几几、汗無く悪風するもの葛根湯之を主る《の条文に従って治療する。


3,陰陽論、五行論を使用した中医学、韓医学とは異なる治療方法です。


4,治療に使用する漢方薬は、全てエキス剤です。方剤を使用する日本漢方にはエキス剤が便利で使いやすいと 思います。また、健康保険が使えますし、薬剤も品質に信用度が高いと思います。


筆者一言
日本漢方が系統立った医学大系を持ったものになることを期待します。最近出版された三潴先生の 「はじめての漢方診療・症例演習《「はじめての漢方診療・ノート《が大変分かりやすく、良く纏ま っていて参考になると思います。漢方治療の書物は沢山出ておりますので参考にして下さい。 大塚 敬節先生が漢方はまず使ってみることが大切と話しています。まずは漢方を使ってみることが、漢方へ の入り口になると思います。




一口メモ

大寒波の到来とともに、インフルエンザが猛威をふるい、なんと全国のインフルエンザ推計111万人。 今年は患者の約90%が「A香港型《。 ワクチン以外の予防法として最近注目されているのが「口腔ケア《。簡単にいえば歯や口のなかの汚れを 取り除くこと。歯磨き、舌磨きはとても有効だそうです。
「明治プロビオヨー グルトLG21《と「明治ヨーグルトR*1《がインフルエンザ予防に効くということで 品薄だそうですね。TVで見ました。試したいです(^ー^)

みなさんも気を付けて!



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