今月の話題〜9月〜



今月の話題は、7月2日、3日の2日間札幌で行なわれた日本プライマリーケア連合学会より選ん でみました。第一線の診療で、初期診療に関した問題について検討、研究する学会です。

プライマリーケアといっても日本では、大学、大病院、中小病院、診療所で、その問題点は全く といってよい程に異なっており、この学会は、そのような異なった組織での問題点の共通性、異 なっているがお互いに補う事の出来る点、お互いの相違を認めることなどが検討され、さらに日 常の診療における問題、診療上の工夫、経験、お互いに他の組織に対し求めることなどが発表さ れていた。学会のシンポジウムなどで取り上げられていた話題の要点を記してみました。



1,学会としての現在の問題:プライマリーケアを担う医師の養成をどのようなプログラムで、 どのような組織でおこなうかが大きな問題である。共通として、総合医という制度、医師が養成さ れており、これからのプライマリーケアを担う医師になっていくということでは共通していた 。但し、大学病院、大病院、中小病院などの総合医で、それぞれにその養成プログラムが異なっ ておりどう解決すべきかなどが検討され、後期研修プログラムとして特別に一つのセクションが 設けられ、けんとうされた。総合医の養成中は、各施設を巡回研修のことも話題であった。


2,学会で問題になっていることは多々あるが、その一つが予防注射である。日本は予防注射後 進国で、予防注射を受ける率が低いことであるし、受けられる予防注射の種類も他の先進国に比 し少ない。対策としては、予防注射の啓蒙と、公費補助である。「その予防注射は任意だから、 打たなくて良いんじゃない」といっていて、子供さんが細菌性髄膜炎に罹患した母親の発言があ った。


3,一般演題発表には種々の演題があったが、「生きず辛くなった日本社会」に関係した現在に日 本社会の中でのうつ病の増加、治療薬としてのSNRIの必要性について東洋英和女学園の山田先生な どの発表があった。



筆者一言
プライマリーケアについては、日本はまだ後進国であるということですが、総合医という制度も多くの病院、 大学で作られてきており、この制度が国内にも普及してくることと思います。今までのように、大学 病院、大病院、そしてある年齢になると開業医となるという従来のパターンは変わって、総合医とし て訓練、養成された医師がいわゆる開業医になるとなる時代になるのかも知れません。専門医は、病 院中心か、特殊クリニックにおいて活躍するのかもしれません。




一口メモ

先日、津波被害の場所を見ました。ショックでした。
土台しかない家、瓦礫の山。

総理が変わりましたし、身内問題ゴタゴタしていないで是非東北復興に力を入れ ていただきたいです。

まだ硝子が割れたままの建物や崩れたままの外壁もある状態では出歩くのも不安 ですからね・・・。



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