今月の話題〜6月〜





今月の話題は東日本大震災と福島原発事故発生一ヶ月間の佐々木医院のドキュメントです。



 平成23年3月11日(金)の午後4時46分にマグニチュード9(始めM8.8)の100年に一度という大地震が発生しました。 地震と同時に停電し、棚の上の物が落下し、カルテ入れの棚が倒れ、カルテが散乱しました。私を含め、看護師、事務員、そして患 者さんは無事で、建物、医療の設備にも大きい損傷無し。まもなく電気が付き、水道も出ましたが、エアコンは止まっていた。診療 は終了時まで継続しました。

3月11日(金)午後2時46分マグニチュード9(始め8.8と報道)発生。カルテ棚が倒れカルテ散乱。停電。従業員全員無事。 患者さんも無事。まもなく電気が付き、水道も出る。外は吹雪、エアコン停止。余震頻回(新聞によるとこの日余震11回)。福 島原発では22;00に3km以内住民退避。15;15仙台新港10mの津波。15;50相馬7.5mの津波。テレビでは津波に 惨状報道。

3月12日(土)診療は通常通り。以後、診療は通常通り行なった。余震続く(本日15回)。エアコン停止して石油ストーブで暖。 午後3時30分福島第一原発一号機水素爆発。5:44に10km以内退避指示。19:04に20km以内退避、30km以内屋内 退避。ガソリン不足深刻化。養護学校回診依頼あり。原発放射線漏れなしと報道。瓦屋根は串が落下したところが多く、大谷石の塀は 倒れた所が多いが、家屋の倒壊は少なく、瓦落下や塀の倒壊によるけが人は殆ど居ない。屋内は多くの家で、食器や本棚が倒れたり、 壊れたところが多いが、やはりけが人は少ない。

3月13日(日)今日もテレビ、新聞とも地震、津波に加えて原発事故の報道一色。地震以来自宅の水道は止まったまま、10日間の 断水であった。医師会より被災状況と今後の診療の可否につての調査あり。二本松と郡山で放射線被曝のスクリーニング開始、郡山で 2229名の内に89名の被爆あり(後で基準を厳しく取りすぎたためと判明)という。原発20km以内避難、30km以内屋内退 避。

3月14日(月)電気は停電なく、水道も水力は弱いが出ており、通常診療とする。エアコンは止まったまま、石油ストーブで暖。室 内温度は22度は確保出来ている。午前11時原発3号機水素爆発。地震、津波被災者の医療費について連絡あり。双相地区からの受診 者は体育館でスクリーニングを受けてから受診するよう勧めることとの連絡あり。近くの調剤薬局で、薬剤師、職員が避難して診療困 難になったと。当院の調剤薬局について経営会社の東邦に確認、佐々木医院が診療を行なって行く限り薬局を閉めることは無いことを 確認。養護学校に電話するが、隣接の療育園の医師が診療しており、今のところ必要ないとの返事。患者さんに放射線が不安だとの話 が出るようになった。検査センターの江東微研が機械被災のため検査中止。

3月15日(火)福島で20マイクロシーベルトの放射線測定。余震度々起こる。厚生省の連絡として、地震、津波、原発の被災者自 己負担支払いを5月末まで猶予の連絡あり。

3月16日(水)各地の放射線量の発表あり、原発正面0.02マイクロシーベルト、福島の水道水ヨウ素:177ベクレル、セシウム: 58ベクレル、新聞にも全国の放射線測定値出る。ガソリンパニックで、3時間並んで、3台前で給油終了と言われた患者さんあり。 最小限の車使用でガソリン節約。

3月17日(木)余震相変わらず続く。エアコン動かず寒い。医師会を通じ、在宅の人工呼吸器、酸素療法、人工透析の患者さんにつ いて連絡あり。ガソリン給油困難で、医師会で緊急車両指定の動きあり、原発にヘリより水の投下あり。福島13.10マイクロシーベル ト、郡山2.29マイクロシーベルト、白河3.00マイクロシーベルト、若松1.17マイクロシーベトと発表され、郡山は高くない。換気扇 も外気取り入れのため止める。各地の放射線量測定値出るようになった。地震より放射線に対する不安広がる。養護学校より避難者 約250名で、その中の長期薬剤服用者について診療依頼あり、午後から回診し8名診療、薬局に薬剤師おり調剤依頼する。

3月18日(金)今日で1週間。保険医協会より現状調査あり。養護学校回診15名。

3月19日(土)郡山医師会の放射線についての講演会あり、放射線についての基本的話と原発は原子爆弾にはならずと聞いて、 少しホットした。医師会より会員の安否状況調査あり。

3月20日(日)緊急車両指定で、20リットツ給油。

3月21日(月)乳幼児の水道水摂取基準連絡あり。養護学校回診10名。動けない方は介護施設等に入り、来院出来る方が多いので、 今後は必要ある時に回診することにする。

3月22日(火)死者9080人、行く不明13561人。

3月24日(木)厚生省より、東日本大震災、長野北部地震、原発事故の被災者について医療費自己負担分の無料化の連絡あり(一定 の条件あり)。

3月25日(金)郡山浄水場に放射線測定値発表あり、豊田:150ベクレル、熱海:21ベクレル、堀口:5ベクレル。乳児は基準が 100ベクレル、乳幼児以外300ベクレル。市内の水道一応回復したが当院の水の出が悪く、濾水について陰山工務店に依頼検査し 、相当の濾水あり。

3月26日(土)水道の濾水対策工事を行ない止水。玄関脇の水道管が断裂していた。水道が回復し水圧が上がっても、エアコン 動かず。

3月28日(月)エアコン点検を先崎エンジニアにて行い、濾水確認。

3月31日(木)エアコンの濾水工事を行なう。温水の送水管が長年使用による腐食も加わって断裂して送水管の交換で対応し、 エアコン作動する。

4月1日(金)今日からやっと全てが正常化した。放射線量については高く、不安は、残る。患者さんでも、避難される方がいる。

4月10日(日)レセプトを提出。被災者のレセプトは紙請求である。

4月11日(月)一ヶ月目の今日、郡山で、震度5の大きい余震があった。この一ヶ月間、避難、余震不安、被災、放射線の不安の ため患者さんはいつもより少なかった。

5月1日 佐々木医院の放射線量測定(地上10cm、マイクロシーベルト)駐車場(8.1)   玄関(0.56)、待合室(0.25)、事務室(0.14)、診察室(0.24)、裏駐車場(3.19)

5月27日被災。 死亡 15.247名、行方不明 8.593名 避難 102.391名



筆者一言
 地震は1000年に一度の大地震であり、やむを得ないと思う。この大地震でも、日本の建築の 技術、建材、設計と驚異の目で見てしまいます。最近、新しく作られた建造物は、建物は殆ど無傷 です。津波については、1000年前でも、記録が残っておるのであり、やはり、今思えば先達の 記録、経験を生かし対応する必要があったと思われます。これから東海地震等が予測される地震国 日本ですので、この経験を是非いかして、今回の地震、津波にて亡くなった方々のためにもしっか り対応をして欲しいと思います。

 原発については人災の面が多々はっきりしてきています。関係者の慢心、おごりが今回の大きい 原因のように思います。人間が自然の流れに逆らって作った原子力による機械、設備です。今回の ようなことについて以前から、幾つかの指摘がなされてきておるようですので、まだまだ人間が理 解できない、想像出来ない分野での活動ですから、謙虚に対応すべきと思います。第一原発は耐用 年数も過ぎた設備とも聞きますので、なおさらです。




一口メモ

地震後、節電節電言われていますが、皆さんどうしていますか?
原発無くせという団体もいますし、今まで気にせず使っていた電気も 気を使って必要な分だけ使うようにしないと本当に原発がなくなった時・・・大変ですね。

地震後ラジオや電池品切れに続き、今は扇風機が品薄になってます。 一人が無理して節電するのではなく、皆で無理なく少しずつ節電すれば今は充分だと思います。

エアコン節電に扇風機もですが、窓を開けて熱を逃がしたり、冷蔵庫を弱にしたり。 コンセントを全てスイッチ付きにして小まめに消したり、炊飯器の保温じゃなく冷凍しておくとか。 昼間はカーテン開けて電気消したり、テレビの明るさを少し下げたり音量下げたり。

それだけで違うそうです。

節電は節約にもなりますから無理なく気を配っていきましょう(^▽^)



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