今月の話題は、2011.3.19.郡山市医師会放射線についての講演会(仙台厚生病院放射線 科、山口慶一郎)より選んでみました。現在も福島原発が大きな問題になっており、我々福島県に 住む者も早急な沈静化を祈る気持ちで見守っています。 1,放射線について3つの言葉がある。 放射線;電球からの光のようなもので、距離の二乗分の一ずつ減少する。 放射線物質;電球に当たる。 放射能;放射線を出す力、ワットに当たる。 3,放射線;光と同じなので、燈台と同じで、この光が郡山に届くことはない。原発からの距離の二乗分の一になり、 郡山まで来ることはない。 4,原子炉;原発は原爆にはならない。原発のウランは純度3%、原爆はウランの純度は98%以上である。原発の原 発爆発は、熱と水による水素爆発である。火山の水蒸気爆発と同じである。 5,原発の放射性物質は、80%がヨード131、132である。放射性物質として、医大でも東北大でもヨード以外は 検出していない。 6,汚染とは、衣服の表面に付着した場合である。花粉と同じと思えばよい。汚染した時は、外套をビニールの袋に入れて置く。 水洗いがよい。ふるい落とすのはよくない。 7,ヨード131の半減期は8日である、次の8日で更に半分になる。3ヶ月位で微量になる。万が一大量のヨードが出た場合、 雨や雪で地上に落ちる。 8,ヨードは甲状腺に蓄積されるが、日本人は昆布などをよく食べており、甲状腺にはヨードの許容量があるために新たに入る余地 は少ない。日本では、ヨードの投与は必要ないと思う。 9,降ってくるヨードは微量である。チェルノブイルで甲状腺癌が発生したが、ポーランドでは、放射線による甲状腺癌の発生は 皆無であった。ヨードの投与か。ポーランドが海岸にあるためか。 10,ヨードが骨髄に蓄積することはない。 11,牛乳はヨードの生物体内蓄積の可能性から、要注意。水は安全、牛乳は注意。 12,原子炉で少量作られるセシウムは今回検出されていない。セシウムには、対応としてキレート剤がある。キレートの貯蓄も 十分にある。 13,検査などで使われるCTは一回、30ミリシーベルト。 14,郡山で、屋外;2マイクロシーベルト (2011.3.19.) 地面;3 同上 室内;0.15 同上 15,中性子は、発生、被爆ということを聞いていない。 16,スクリーニングは、外部汚染の検査であり、スクリーニングを受けるか受けないかは、申告による。スクリーニングを受けると 「スクリーニング済み」の紙が渡される。受診の時この紙を持って来ない人が多い。 17,福島医大には、長崎大学の放射線の専門家が来て対応に当たっている。県には、放射線研究所が来ており全国レベルで 対応している。 18,母乳は大丈夫、牛乳は検討を要す。 19,一般の人は一年間の許容放射線は、1ミリシーベルトである。 20,ヨードカリ製剤は、郡山も十分に備蓄があり、40才以下が対称だが、いつでも配布する準備はしておる。何時配布するか を専門家と検討中。本日の講師の専門家によると日本人はヨード投与の必要はないが、行政としての意味が大きいとか。乳幼児用 のシロップ剤と投与用のスポイトも郡山は用意済みと。 21,乳幼児、妊婦の場合のヨード投与は、メリットよりデメリットの方が大きい。 22,日本核医学会として、乳幼児へのヨード投与は行なわないとした。 *シーベルト、ベクレルについて(福島民報新聞より) 電灯として考えると、光の強さそのものがベクレル、距離によって異なる明るさに相当するのがシーベルト。 *シーベルト;人間が放射線を浴びた時の影響を表す単位。自然状態で年間人間は2.4シーベルト浴びていて、これ以外に人工的に年間 1ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト)が許容限度とされている。 *ベクレル;一秒間に一個の原子が崩壊するときに出る放射線を出す能力、量を表す単位、1ベクレルいう。ラジウム温泉1リットル でおよそ100,000ベクレル、人間も体内に放射性物質を含むため、人体全体で約6000〜7000ベクレル、たばこの灰1グラ ムで約5.9ベクレルという。 食品衛生法の暫定規定(下記の値を超える食品は食用に回らないこと) 放射性ヨウ素;飲料水や牛乳で1キロ当たり300ベクレル。 野菜類は1キロ当たり2000ベクレル。 放射性セシウム;飲料水や牛乳は1キロ当たり200ベクレル。 野菜や穀物、肉、卵などは1キロ500ベクレル以下。 筆者一言 3月が終わり4月になり、この地震直後に行なわれたこの講演会を振り返って見ると幾つか変わって来ておるようです。 ヨウ素以外の放射線物質は見つかっていないとのことであったが、微量であるがセシウムが見られています。しかし、こ の講演会を聞いて不安と風評による誤った認識を相当に除く事が出来ました。今、原発が沈静化していない状態ですが、 現場で働いておられる方々の健闘を祈って、一人一人が自分で出来ることからやって行くことが大切と思います。 |
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