今月の話題〜2月〜





   今月の話題は、1月9日に東京で行なわれた第31回メディコピア教育講演シンポジウム “腎臓病”より選んでみました。毎年参加しており、この欄でも毎年話題として要略を紹介して おります。この講演は富士レビオ(株)の後援によるものです。



1.
腎臓の構造と働き;(愛知医科大学、腎臓リュウマチ膠原病科、今井裕一)腎臓の中には糸球体と いう血液から尿の原尿を濾過する装置が片側約100万個、両側で約200万個あり、ここから一 分間に100ml、1日で約144000ml(144l)が濾過されます。1日に尿として体外に 排泄されるのは約1500ml(1.5l)ですので、濾過された原尿の99%は糸球体から尿細 管を通り尿になる間に再吸収されるのです。この再吸収で体の電解質、酸塩基平衡などを調節して おります。この働きを円滑に行なうために腎臓は、血圧や貧血をコントロールするホルモンを産生し ています。



2.
腎臓病を早く発見するには;(東海大学腎臓内分泌内科、深川雅史)腎臓は体の内部環境を一定に 保つために24時間休まず働いています。腎臓は非常に予備力があり、病気も進行しないと症状が 出てきません。持病の無い方は、健康診断で尿や血液の検査を定期的に受けて下さい。特に腎臓に 関する疾患、糖尿病、高血圧、膠原病などで通院しておる方は常に検査を受けることが大切です。 尿蛋白が大切な検査です。



3.
CKD(慢性腎臓病)とは;(福島県立医科大学腎臓高血圧、糖尿病、内分泌代謝、渡辺毅) 腎臓病が進行すると末期腎障害となり、透析(いわゆる人工腎臓)が必要になります。透析を 要する人が世界で210万人、日本で30万人とされ、日本では透析を受ける必要のある方が多い。 さらに慢性腎臓蔵病は、世界で死因の第1位(約30%)である心血管疾患の原因であることが判 明している。慢性腎臓病は、I、U、V、IV、Vの5期に分けられ、日本では1350万人(人 口の11.2%)おるとされる。早期に発見し加療すれば末期腎不全になることを防ぐことが可能であ り、CKDの主な原因は、糖尿病、高血圧などの生活習慣病ですので、生活習慣病の早期対策が重 要です。定期的な検診が大切ですが、日本では、尿検査、血液検査の入った特定検診の検診受診率 が25%と低迷しています。医学的に予防、治療が可能なCKDに対しては、早期発見、早期治 療が大切です。


*午後の部では、少し専門的に、医学的にCKDについての講演が組まれていました。 要略は午前の部の講演内容に基づいたもので、CKDの早期発見には尿検査が重要、治療、 予防には高血圧の治療が大切、最近増加している糖尿病がCKDの大きい原因、CKDの原 因には生活習慣病が大きいので、生活習慣病の予防、早期発見早期治療が重要などについて 講演がなされました。



筆者一言
このシンポジウムは、健康に関心のある一般の方々を対象にしたもので、判りやすく毎年、 その時の話題について取り上げて行なうシンポジウムです。今回は最近話題のCKD、慢性 腎臓蔵病を取り上げました。慢性腎臓病が生活習慣病と相まって、死因の第1位の心血管疾患 の原因にもなっており、早期発見、早期治療により治療が可能な疾患でもあり、定期的な検診 を受けることによって対応可能であることを講師の先生方が強調しています。毎年、40才以 上を対象とした特定健診を私のところでも行なっていますが、検診率はよくありません。是非 、健診を受けていただいて、CKDの早期発見、早期治療で健康を維持して頂きたいと思います。




一口メモ

新燃岳、上空1,200メートルの噴煙を上げ再び噴火しましたね。地鳴りや灰が降り 続いています。灰の重みで屋根が潰れたり、作物が灰に埋もれたり、マスクをし ないと外出出来ないなんて辛いですよね。
まだ1、2週間続くようです。近くの方、頑張って下さい(ToT)





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