今月の話題〜7月〜



 今月は、先々月の5月30日に東京で行なわれた全日本鍼灸学会の研修会よりえらんで見ました。 鍼灸学会でどんなことが話題として取り上げられおるのか医師は知らないことが多いと思われます ので、時々、この欄で取り挙げています。




1.
危ない症状とベットサイド所見―重篤中枢神経疾患の鑑別―;(埼玉医科大学脳神経外科、松居 徹) 症状は簡単と思われるものでも、重篤な疾患、治療すれば助かる疾患があることを具体的な症例を中 心に講演していた。1)眼科領域では、視力障害、視野障害、複視では、トルコ鞍腫瘍、脳下垂体腫 瘍、脳幹腫瘍などを考える必要がある。2)耳鼻科領域では、難聴、耳鳴、嚥下障害などで、脳橋角 腫瘍や、頭蓋底腫瘍が含まれることがある。3)内分泌、婦人科領域では、ホルモン異常、生理不順 を訴えて来るときに、脳下垂体腫瘍、巨人症、プロラクチノーマが原因のことがある。4)整形外科 領域では、知覚障害、運動障害、軽度の四肢麻痺などで、脊髄腫瘍、頭蓋頸移行部の頭蓋底腫瘍を考 える必要がある。5)小児科の場合、頭痛、吐き気、嘔吐、テンカン、運動後失神などで、小児脳腫 瘍、もやもや病を念頭に置く必要がある。6)内科領域でも、発熱、頭痛、嘔吐肩こり、後頭部痛、 よく転ぶ、所謂ボケ症状などで様々な疾患を考える必要がある。

筆者一言
見えにくいとか、聞こえが悪い、耳鳴り、頭痛、生理不順、など簡単な症状も 重篤な疾患の症状の一つであることがあることを念頭に置かなければならない。



2.
「代替医療のトリック」に答えるー患者さんに問われた時にどう答えるかー; (森ノ宮医療大学、小川卓良)有名な科学ジャーナリストであるサイモン・シ ン博士と代替医療の研究で有名なエツァート・エルンスト博士による著書「代 替医療のトリック」で、針治療効果はプラセボ効果であるとういう結論であっ た。この結論に小川先生が反論したものである。結論として、日本針灸は有効 であるが、日本には鍼灸大学もあり、鍼灸のEBM、科学的検討をこの機会に 日本針灸について考えて行きたいというものであった。

筆者一言
鍼灸について、経絡とは何か、ツボとは、その作用機序はなどについて、現代科学でも説明が 着くように検討していく必要があると思います。



3.
「間違いだらけの診断基準―正しい病気の予防と治療―」;東海大学医学部、医学教育・情報学、 大櫛陽一)日本では、各疾患ごとに診療ガイドラインが作られているが、その基準厳しく患者が激 増している。メタボの基準(腹囲)男85cm、女90cmは日本だけであり、BMIも日本は2 5であるが、国際的には30である。、LDLコレステロールは日本140以下であるが、国際 的には190である。このように我が国のガイドラインはおかしい。1)小太り(BMI25〜 30)は欧米でも日本でも長生き、2)コレステロールが高くて問題になるのは遺伝性家族性高 脂血症で、コレステロールが低いとガン、肺炎、うつ病などによる死亡率が高くなる。3)中性 脂肪は糖質の貯蔵庫、1000mg/dlまで大丈夫、4)血圧は高いより、低いほうが問題、 血圧は185mmHgまで血管は破れない、5)糖尿病の治療、1日130g以下で可能な限り 少なく、糖尿病の予防、1日130g+(運動消費量カロリー÷4)g以下などについて講演さ れた。

筆者一言
一般的に認められておる考え方と異なり、そのまま受け入れられるものどうか考える必要がある と思われた。



筆者一言
鍼灸学会では、現代医学の知識を、診療の中に取り入れて、よりよい鍼灸をするにはどうするのが よいか、機会ある毎に勉強しています。講演会の講師には,医学の流れの中で、考え方の偏らない 適当な方を選ぶことが大切と思います。日本の鍼灸大学では現代の最新の方法を駆使して研究して おり、小川先生のように鍼灸の将来を考える方が多く居られるので、日本針灸の将来は、明るいと 思います。




一口メモ

蒸し暑いですね。

先月はワールドカップで日本中が深夜まで盛り上がった日もありました。ベスト 16おめでとうございます! PKでベスト8入りを逃しはしましたが、最初期待していた以上の頑張りを見せ てもらいました。
日本代表の皆さん お疲れさまでした。



「今月の話題」バックナンバーへ