今月の話題〜6月〜



 今月の話題は5月23日に東京で行なわれた“One Airway Symposium 2010” より選んでみました。アレルギー性鼻炎と気管支喘息は同じ気道にあり、発症の原因な どに共通性があるので、その関連性について検討したシンポジウムです。




1.
内科の立場から;(仙台気道研究所、田村弦)東北6県で実施した気管支喘息とアレルギー性鼻炎 の合併に関する調査の結果を中心に講演した。成人喘息患者の60.8%に、小児喘息患者の40.0%に アレルギー性鼻炎の合併が認められた。アレルギー性鼻炎も気管支喘息も症状の発症、強い時期は 春の3,4,5月と秋の9,10月で同じである。アレルギー性鼻炎の49%に気管枝喘息が認 められる。アレルギー性鼻炎の診断は、問診、鼻鏡検査、鼻汁の好酸球の検査が重視され、加え て鼻のX-P、皮内検査、血液抗体検査が利用される。鼻汁好酸球は90%の陽性率である。



2.
耳鼻科の立場から;(千葉大学耳鼻咽喉科、岡本美孝)アレルギー性鼻炎と気管支喘息は高い頻度 で合併する。気管支喘息にアレルギー性鼻炎の合併が83%に認められた。アレルギー性鼻炎の 発症にはハウスダストの抗体が上昇しておることが多い。小学生でスギの感作は65%だが、有 病率は20%である。慢性副鼻腔炎には好酸球性副鼻腔炎が多い。好酸球性鼻炎は成人に多く、 喘息の合併が多く、鼻汁が粘稠で、ポリープの合併が多い。治療薬剤としてマクロライドが有効 である。



3.
SACRA SURVEY in JAPAN;(帝京大学呼吸器・アレルギー学、太田健)気管支喘息とアレルギー 性鼻炎は関連性がある。アレルギー性鼻炎の気管枝喘息の合併は67.3%であった。症状で水溶性 鼻汁は93%に認められた。アレルギー性鼻炎の治療を行なっておると喘息の発症、重症度共に 鼻炎の治療をしていない場合に比して軽度で、少ない。上気道炎が下気道炎を憎悪させるメカニ ズムは、1)鼻閉によるアレルゲンの吸入、吸気の温度、湿度の低下、2)全身への炎症細胞の 分布、3)後鼻漏の炎症細胞、炎症メヂエーターが下気道流入、4)骨髄へのサイトカインが好 酸球前駆細胞の産生、成熟を増量、などが考えられる。



筆者一言
SAKURA STUDYには私も参加したので、アレルギー性鼻炎と気管支喘息の関連性については興味 あるところです。同じ空気の通り道であり、関連性は高いとは思うのですが、専門家の見解に は、色々ありますね。千葉の岡本先生が、スギ花粉は、その大きさから末梢気道には到達しにく いので、喘息との関連は低いのではないかとの意見であった。実際、私の経験でもアレルギー性 鼻炎がある方で、喘息の合併、憎悪は少ない様な感じがします。アレルギー性鼻炎の発症して いる患者さんでは、気管支喘息が憎悪することは感じています。鼻炎の管理、治療が気管支喘息 の予防、治療、管理に有用とのことですので、積極的に鼻炎も治療していく必要があると思いま す。気管支喘息は最近増加している疾患であり、気管支喘息を発症すると本人の苦痛は大きく、 医療費の面でも大きいものがあります。今回のシンポジウムで、全てはっきりしたわけではあり ませんが、関心を持って見ていきたいと思います。




一口メモ

ipad旋風巻き起こってます。パソコンを使わない世代にも気軽に・・・とテレビで言わ れていますが間違いでしょう。 その世代にとってアプリダウンロードが簡単か、電子書籍ダウンロードが簡単か 、wifiを理解できているのか。 つまり家でインターネットをつなぐだけなら速度の早い光を繋いだパソコンでい いと言うこと。 持ち歩くなら あんな大きな精密機械ではなく携帯電話で充分と言うことだと思います 。 皆さんは どう思いますか??

さぁ 総理辞任です。実行できるか調べもせず掲げたマニフェストに今更反 省されても困ります 鳩山さん。 次は誰に決まるんでしょうか。



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